グローバルな素養を育む実践型プログラムグロデリ2024 4/8〆

【わが家の学び道02】東京インターナショナルスクール アフタースクール(東京・勝どき)

わが家生きる道

海外大学進学を視野に入れた進路をサポートする、学びのプラットフォーム

進路に役立つさまざまな教育プログラムを網羅するほか、個別の進路相談やサポートも受け付け中。最新のプログラム情報はメルマガで、使い方はガイドでチェック!

Contents

探究型カリキュラムで英語を学ぶ?

今回、6才の長男と訪れたのは、「東京インターナショナルスクール 勝どきアフタースクール」(以下、勝どき校)。

国際バカロレア認定校の「東京インターナショナルスクール」(東京・港区)と住友商事がコラボし、2013年に誕生。各地のパ ートナー企業とともに運営している。

スクールには、子どもたちが身につける「8つのグローバルスキル」が表示してある
スクールには、子どもたちが身につける「8つのグローバルスキル」が表示してある

東京インターナショナルスクールで利用されている「探究型カリキュラム」と英語を母国語としない子どもたちへの英語指導カリキュラム、そして21世紀型の学びを組み合わせたカリキュラムを採用し、子どもたちをグローバル時代に必要とされる人材へと育てることを理念に掲げている。

東京には、中目黒、南麻布、勝どきにスクールがあり、ほかにも札幌市、西宮市(兵庫県)、福岡市にもスクールがある。

カリキュラムは年少〜小学4年生までカバーしているが、スクールにより実施しているコースや対象学年、曜日などは異なるので、気になるスクールがあれば公式サイトで確認してほしい。

ようやく長男がやる気を見せた!?

この4月から小学1年生になる長男は、2年まえに次男が生まれるまで長らくひとりっ子だったこともあり、人見知りが激しく、新しい習い事をはじめるのが大変。

そうはいっても、小学校では英語の授業も開始されるし、最近友だちの多くが英語教室へ通いだしたので「そろそろ英語ならってみない?」と誘っても、「イヤだ!」の繰り返し。

しかし、昨年アメリカへ引っ越したお友達がクリスマス休暇で日本に一時帰国し、1年ぶりに再会したことで、息子の気持ちに変化の兆しが。

1日保育園で一緒に過ごしてみると、現地校に転校した彼女の英語はとっても流暢。そこへ、英会話スクールに通っている友達が英語で応戦。この事態に衝撃を受けたようだ。

やっと日本語が読み書きできるようになったと思ったら、同級生たちは英語もつぎのステージへ。

「英語、やってみようかな」という気になった息子に、友達からの「東京インターナショナルスクール アフタースクールのレッスンが楽しすぎて、スクールから帰りたくない」というひと言も引き金となり、「楽しすぎるレッスンなら、1回行ってみたい」と言い出したのだ。

これはチャンス!

というわけで、英語学習0時間の息子が、いきなりオールイングリッシュの3時間レッスンに耐えられるか不安はあったが、公式サイトの質問コーナーに「喋れなくても大丈夫!」というような記載を見つけたので、申し込んでみることにした

教育熱が高いエリアにある勝どき校

今回訪れた、東京・中央区にある勝どき校では、放課後に週3〜5日通学し、探究型カリキュラムのみ受講する「カリキュラムコース」、小学校などへのお迎えや保育がついた「学童保育コース」のほか、週1回のみ通学する「LTEコース」を開設している。

カリキュラムコースおよび学童保育コースは、小学1、2年生が対象(2016年度は小学1〜3年生)。

「LTEコース」は、年少から小学4年生(16年度は年少から小学3年生)を対象としており、今回長男はこのLTEコースの体験レッスンに参加させてもらった。

勝どき校は、都営大江戸線「勝どき駅」から徒歩5分。近くに隅田川が流れる、静かなエリアにあった。

スクールのそばを流れる隅田川
スクールのそばを流れる隅田川

スクールの周りを歩いてみると、大手中学受験塾、有名小学校受験教室などが集中しており、教育熱心なファミリー層が暮らす エリアだと推察できる。

スクールはオフィスビルの1階にあったが、勝どき校は2013年に設立されたばかりなので教室もとてもキレイだった。

勝どき校が入っているビル)
勝どき校が入っているビル

キンダーガーテン(対象は年少、年中、年長)を併設しており、校舎は9時〜14時はキンダーガーテン、14時からはアフタースクールとなる。

スクールがあるのはビルの1階。オフィスの入り口とは別になっていて、セキュリティもしっかりしている
スクールがあるのはビルの1階。オフィスの入り口とは別になっていて、セキュリティもしっかりしている

教室は6つあり、ポップな内装だ。

施設内には6つの教室が並ぶ
施設内には6つの教室が並ぶ

週1回、3時間の「LTEコース」

今回参加したLTE(Learning Through English)コースでも、「探究型学習」が大切な要素となっている。

英語で子どもたちが考え答えを探していくプロセスで、基礎的な英語力とグローバルスキルの獲得を目指すという。

週1回3時間のレッスンなので、週3回以上通うことになるアフタースクール(カリキュラムコース、学童保育コース)とくらべ、 英語初心者の息子にはいくぶん気ラクにはじめられそうだ。

ちなみに、LTEには3時間コース(土のみ開講)のほか110分コース(火・金に開講)もあり、カリキュラムは変わらないが、 110分のほうがいくつかアクティビティが少ないとのこと(16年度からは土曜の3時間コースのみ開講)。

子どもたちの発達段階に応じた好奇心を刺激するテーマを探究するため、クラスは英語力によるレベルわけではなく、学年ごとの編成となっている。

1クラスの定員は、園児は最大14名、小学生は16名。息子が参加した「年中・年長」は大人気のようで、2クラス目が増設さればかり。

今回は、そちらの新しいクラスに参加させてもらった。新設クラスのため人数は少なく、当日は息子含め男子3名、女子3名の6名が参加。

TISAS26

このクラスの子どもたちの通学歴は平均半年とのことで、まだまだ先生のいっていることをすぐには理解できないようだ。 それでも、以前レッスンで教わったことや、自分の知っていることについては積極的に発言していた。

隣のクラスでは年少からスタートした子が多く、子どもたちが活発に英語を話す声が聞こえてくる。2年でだいぶ上達するようだ。

授業のながれをまとめると…

スクールに到着したのは、9時50分。 このあと10時から13時まで、ランチを挟んで3時間のコースがスタートとなる。 授業がスタートするまでの流れは、

  1. 登校するとスタッフの元気なあいさつに迎えられる(日本人スタッフも英語で話しかけてくるので息子の緊張度が一気に増 す。もうロボットみたい…)
  2. 促されて教室に入ると先生の元気なあいさつ(さらに緊張して目が合わせられない。とりあえず積み木をしながらレッスン 開始を待つ)
  3. みんなが待ち時間で作ったものを、先生が「これはナニを作ったの?」など質問して緊張をほぐしてくれる
  4. 子どもたちがみんな揃うとプログラムがスタート

といった感じだ。

積み木をしながらレッスンを待つ子どもたち
積み木をしながらレッスンを待つ子どもたち

授業でのプログラムは、下記のような流れとなる。

  1. Warm-up Activity…25分間
  2. Theme Activity 1(テーマ学習1)…35分間
  3. Book Time…15分間
  4. Theme Activity 2(テーマ学習2)…15分間
  5. Lunch(各自持参する)…30分間
  6. Language Strategies(英語能力の強化プログラム)…25分間
  7. Theme Activity 3(テーマ学習3)…20分間
  8. Warm-up Activity…15分間

実際には、上記プログラムがさらにいくつかにわかれ、それぞれの内容を10〜15分でこなしていく。

このクラスの今学期の探究テーマは、「恐れずに挑戦する」。 1学期を通して自分に自信を持ち、新しいことにチャレンジするスキルを身につけるそうだ。

プログラム詳細がホワイトボードに書かれている
プログラム詳細がホワイトボードに書かれている

いよいよレッスンがスタート

「Warm-up Activity」では、先生が子どもたちに名前や年齢を質問形式で聞いていくが、自然に受け答えができている。

サークルになって、まずは自己紹介
サークルになって、まずは自己紹介

続いて、歌や体を動かすプログラムへ。

身体を動かしてウォームアップ!
身体を動かしてウォームアップ!

約30分のウォーミングアップが終わると、「Theme Activity 1」へ。

テーマ学習では、学年の各学期ごとに設定されたテーマを、ゲームやクラフトディスカッションなどさまざまなアクティビティ を通じて探究を行う。

前週まで学んだことを復習してから、今週の学習へと入っていく。 まずは、9つの約束の確認から。

  1. Sit Nicely…行儀よく座る
  2. Raise your hand…手をあげる
  3. Listen and do…よく聞いて行動する
  4. Indoor voices…小さい声で話す
  5. English words…英語を使う
  6. Gentle hands…ていねいに扱う
  7. Play nicely…仲良くする
  8. Smart choices…賢明な選択をする
  9. Walking feet…走らない
教室のカベに貼られた9つのルール
教室のカベに貼られた9つのルール

アクティビティを通じて探究

続いて、先生がカードを使って本日の「Theme Activity」の説明をする。

カードに「Noriko」と「Mike」が描かれており、「Noriko」といったら女子が手をあげて、男子が座る。「Mike」といった ら男子が手をあげ、女子が座るというルール。

TISAS14

今回のトピックは、「リーダーシップ」と「リーダーに従う能力」。 NorikoとMikeをそれぞれクラスのリーダーと見立て、リーダーに従うことを英語でおぼえるしくみのようだ。

英語初心者には理解するのがなかなか難しそうだったが、2、3回同じことを繰り返すと、みんなは理解し正解できるようになっ ていた。

TISAS15

息子は英語がちんぷんかんぷんなので、マイクが男子の名前であることも、かならず手をあげるか座るかしなくてはいけないこ とも理解していなかったが、歩きながら行うので、わからなくてもどうにかなったようだ。

この後、天気をテーマとしたハンドサインのアクティビティを楽しみ、いよいよ本題の「Theme Activity1」ヘ。

…が、ここでスタッフの方から「いったん外に出て見学しませんか?」とのお誘いがあり、ほかのクラスや校舎の見学へ。

残念ながら「Theme Activity1」は見逃してしまったが、リーダーの動きをマネするアクティビティが行われたようだ。

ワークブックも活用

教室に戻ると、「Theme Activity1」に続いて「Book Time」の時間。「Activity Book」というテキストを使用して学習 する。

TISAS21

今回は「Y」を学ぼうという内容で、「Y」が付く単語を考え、テキストにある「Y」からはじまる単語を発音してみる。

なにも書いていない吹き出しを黄色で塗り、黄色は「yellow」と習う。色を塗ったところに先生は「yellow」と子どもたちに書かせ、忘れないよう促していた。

TISAS22

このあたりで11時を過ぎ、開始から1時間が経過。 動くプログラムが多いため、4〜6才たちの集中力が「おなかすいたー !」に傾きだす。

子どもが「おなかすいた〜」と日本語で言うと、先生は最初の9つの約束に出てきた「English words」と注意する。 同じように、床にごろんと寝転がっていると「Sit Nicely」。

プログラムの学習だけでなく、助けてほしいときはなんていう?  お友だちが困っていたら親切に!  など、コミュニケーショ ン上でのマナーや心得も繰り返し教えていたのが印象的だった。

そしてランチに入る前の、午前最後のプログラムは「Theme Activity2」。

「color touch game」というアクティビティで、積極的にレッスンに参加することやクラスメイトの選択を支持することを学ぶ。

まずは、基本的な色のカードを見て、色を学ぶ。

色を覚えたら先生が言った色を教室のなかから探し出し、タッチ。子どもたち自身で色を決めたりもする。これはとてもわかりやすくて息子もすぐ理解できたよう。

「Theme Activity2」の様子
「Theme Activity2」の様子

このアクティビティでは、リーダーになりたいと息子が元気に手をあげていた。それまで挙手をまったくしなかったのに…

さらに盛り上がる午後プログラム

ランチを終えると、午後のプログラム「Theme Activity3」へと突入。

先生とクラスメイトと楽しくランチ
先生とクラスメイトと楽しくランチ

午前中の「color touch game」で使用したカードが再び登場し、そのカードの束に1枚バナナのカードが混じっている。

TISAS16

色カードのときは英語で色を答えるが、バナナのカードがでたら「バナナ!」と叫んで、バナナの形になるというアクティビティだ。

TISAS17

子どもたちのテンションも、本日最高潮!

このゲームでも「リーダーになりたい人!」と前に出てカードをめくる係を決めたのだが、息子も張り切って立候補していた。

このあと宿題が出て、歌を歌って1日のプログラムが終了となった。

親子で満足度は高かった

今回のプログラムは、約束の9つのキーワードはとても参考になったし、英語学習0時間の息子が3時間飽きずにできたこと、激し人見知りなのに人前で発言したことなど、親としては満足度の高いものだった。

レッスンを終えた息子に感想を聞いてみた。

あえてスクールの感想ではなく「英語どうだった?」と。「楽しかった~。バナーナ」と言っていた(とりあえずそれだけは覚えたんだね)。

でも「3時間はやっぱり長い」とのこと。それでも、「英語やりたくない」からはだいぶ進歩したなと思う。

体験レッスンに参加するまで、日本式の英語学校は机に座ってやらなくてはいけないことが多いし、プリスクール系の学校は説明が英語で理解できるのかな? といった思いや、昨今プリスクールが多く設立されているいっぽうで、教育の場としてちゃんとしているのかというギモンもあった。

しかし、こちらは「東京インターナショナルスクール」と住友商事が組んでいるだけあって、なかなかしっかりしていた。

事務的なことは、日本人スタッフの方が対応してくれるので安心だ。

他のスクールに行っているママから、「授業中に騒ぐと先生が英語で注意するけど、イマイチ伝わらず騒いだままになってレッスンが進まない」という話を聞いたことがあった。

ここでは何かあったとき担任の先生が英語で注意するが、それでも解決しないとそっと日本人スタッフがそばについて子どもをサポートしたり、廊下で話をしてクラスに戻したりと、きめ細かな対応をしていた。

通学における実際を考えると…

強いて気になったことをあげるなら、以下の3つ。

ひとつ目は、1クラス14~16人と人数が多いこと。この人数だと発言する機会が少ないのでは?

見学して感じたのは、初心者が3時間やり切るためには周りの行動を参考に理解することも必要で、これくらいの人数でマネして覚えていくほうが話すことがユウウツにならず、スクール通いを長続きさせることにもなりそうだ。

英語歴2年程度のクラスでは、英語がわかってくると「発言したいがなかなか自分の番が来ない」というのが逆に渇望感を生み、授業を活性化していたようにも感じた。

ちなみに、先生はちゃんと交代で全員に発言をさせるようにしていたので、特定の子ばかりが話すようなことはない。

ふたつ目は、子供の送迎についてだ。

今回は土曜の10時〜13時までのコースに参加したが、共働き家庭などではすでに土曜日に習い事をしていることが多いはず。

わが家も、土曜日はすでに電車で通う遠方での習い事が予定としてある。ここで3時間のプログラムをこなし、さらにもうひとつ習い事となると、子どもにとって相当な負担となる。

では、英語を平日にするとして、子どもが自力で勝どきのスクールまで通えるなら、仕事終わりに子供を迎えにいけばいい。

が、スクールまで距離があった場合どうするか?

1時間なら送り届けてから周辺で時間を潰せそうだが、3時間となると待機する親もなかなか大変だ。

平日では放課後(夕方)の送り迎えとなるので、できればレッスンの間に夕飯の支度や、下の子のお迎えなど済ませてしまいたい。

私の場合、家事をして往復の送迎をするのは、週1回だとしてもちょっとハードでめげそう…

たとえば、行きはアフタースクールの送迎バス利用がオプションで可能だったり、帰りの送迎バスもあれば助かるママも多いはずだ。

3つ目は、コスト面のこと。

LETコースの入会金は1万800円、月謝は2万7000円。それに加えて教材費と、それなりにかかる。

とはいえ、プログラム内容と先生がよかったので、この値段でも納得できる。むしろ、入会金が3万円超とかではないのは良心的かもしれない。

スクール見学1件目にして、息子を本当に入会させようかと思っているくらいだ。

とりあえず英語に慣れていない間は、学校の長期休暇中に催されている「シーズンスクール」に1日5時間(1日あたり1万800円)から参加できるそうなので、スタートにはよさそうだ。

先々の夢として、グアムやハワイなどのサマーキャンプなどに参加できたらいいなと思っているが、このコースに通っていれば海外の子供たちに交じって参加することも問題ないはず。

日本にいながらにして英語圏と同じような学び環境があるなんて、恵まれているなぁ…

私も小さなころこんなスクールに通っていればいまごろ…と思いつつ、銀座で外国人に道を聞かれては相変わらず四苦八苦しているのだった。


【東京インターナショナルスクール 勝どきアフタースクール「LTEコース」】

  • 住所:東京都中央区勝どき3-12-1 フォアフロントタワー1階
  • 対象:年少~小学4年生(16年度は年少~小学3年生)
  • 開講日:110分コース/火金、3時間コース/水木土(16年度は土のみ開講)
  • 入学金:1万800円
  • 月謝:2万7000円(アフタースクール併用の場合は1万6200円)
写真と文/紅絹(もみ)
東京の下町で、夫と息子ふたりと暮らす英語オンチ主婦。こどもが生まれるまでは、都心のど真んなかかつ緑の多いわが街はとっても素敵なところだったけど・・・待ち構えていたのは、教育熱心なママたちとそれにちっとも応えていないお稽古空白地帯という現実だった。周りの教育熱に煽られ、毎年新学期を前に高額なプリスクールに通わせるべきか? はたまた、遠くの英語教室を探すべきなのか? いっそ習い事の選択肢がいっぱいあるエリアに引っ越すべきかと、やや迷走気味。オリンピックまでには、子どもたちが「英語大好き!」になるような道を探すことを自分のミッションとしている。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

新しい学びに挑戦!
Contents