グローバルな素養を育む実践型プログラムグロデリ2024 4/8〆

TOEFL iBT | <2023年7月からの新テスト対応>海外大受験に必要なスコアや対策は?

日本での受験者が多い
米国大学進学などに使える英語テスト
TOEFL iBT
  • 米国・ETSが開発した、英語非ネイティブの英語力を測るグローバルな資格試験
  • 2023年7月に新たなテスト形式に変更
  • 世界200ヵ国以上で導入され、世界で約72万人、日本国内では約8万人が受験
  • 試験時間は約2時間、コンピュータで受験
  • リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションにわかれ、各30点ずつの配点で120点満点
  • 米国トップ大学では、100点以上のスコアが求められる

海外大学進学を視野に入れた進路をサポートする、学びのプラットフォーム

進路に役立つさまざまな教育プログラムを網羅するほか、個別の進路相談やサポートも受け付け中。最新のプログラム情報はメルマガで、使い方はガイドでチェック!

Contents

TOEFL | テストについて理解しよう

「TOEFL(Test of English as a Foreign Language)」は、米国に拠点を置く非営利団体「ETS(Educational Testing Service)」が開発した、英語非ネイティブの人々の英語力を測るためのグローバルな資格試験です。

TOEFLテストの変遷

1964年に初実施されて以来、英語圏の大学や大学院入学を目指す学生が利用する代表的な英語テストとしての地位を確立してきました。

テスト形式は時代の要請に応じて変遷を続け、紙ベースのマークシート試験「TOEFL PBT」は、日本では2007年、世界全体ではその10年後に終了。

一方で、2005年より導入が進んだ英語4技能を測定するインターネット版試験「TOEFL iBT」が、今日の主流なTOEFLテストとして世界200か国以上、1万1500以上の大学・大学院、その他機関で活用されています。

TOEFL iBT Home Edition(2020年〜)

さらに、ETSはコロナ禍の課題に対応するため、TOEFL iBTの自宅受験を実現する「TOEFL iBT Home Edition」(試験内容・表示フォーマットは会場受験とすべて同じ)を継続的に採用。

TOEFL Essentials(2021年〜)

2021年には、多様な教育環境に関わらず、より幅広い学習者に向けて受験機会を創出するため、自宅受験版の新たな選択肢となる「TOEFL Essentials」を世界規模でスタート。

こうして、2023年4月時点で、もっとも普及しているTOEFL iBT(会場受験または自宅受験)に加え、新設のTOEFL Essentialsと、団体向け試験の「TOEFL ITP」の3種類のTOEFLテストが実施中です。

TOEFL ITP(団体利用限定)

TOEFL ITPはあくまで団体利用に限られるため、個人で受験するにはiBTの会場受験か自宅受験、そしてEssentials(自宅受験)を選べることになります。

どのTOEFLテスト形式が認められるかは大学や教育機関によって異なるので、かならず志望校が発表する最新情報を確認する必要があります

どのテストを選ぶべきか

現状、汎用性の高さという点では、会場受験するTOEFL iBTが最有力の選択肢となるでしょう。そのため、この記事ではTOEFLテストのなかでもiBTを主軸に解説を進めていきます。

TOEFL Essentialsの場合、安い受験費用や試験時間の短さなど確かなメリットを備えますが、スコアを受け入れる機関の絶対数はiBTのように多くはありません。

もっとも、将来的にEssentialsのシェアはさらに拡大すると見られており、現状でもスタンフォード大学、マサチューセッツ工科大学、コーネル大学をはじめTOEFL Essentialsのスコア提出を認める名門大学も確認できます。

TOEFL- Test of English as a Foreign Language(トーフル)

運営ETS(Educational Testing Service)
開始年1964年
年間受験者数(TOEFL iBT)約72万人(国内約8万人)
受験費用TOEFL iBT/245ドル、 TOEFL Essentials/110ドル

TOEFL | 世界の大学で利用できる英語運用力テスト

TOEFLテストには、受験年齢や資格にはいっさい制限が設けられていません。

海外大学・大学院へ入学する際の評価基準として広く採用され、海外留学志望者が受験する主要な試験として定着してきました。

TOEFL iBTの年間受験者数は、世界中で約72万人、日本国内では約8万人。世界200ヵ国以上で導入されているため、ほぼ世界中の教育機関が受験者の英語力証明として採用しています

米国で誕生した試験ということもあり、とくに米国・カナダの大学でシェアが際立ち、北米圏の大学を志望する場合はTOEFL iBTを受験しておけば出願要件を満たせるケースがほとんどでしょう。

最近では、日本国内の大学入試もTOEFL iBTを活用するケースが増え、出願要件以外にも、得点換算や英語試験免除、自己PRの加点要素など大学によってさまざまな活用が見られます。

TOEFL | 4技能を120点満点で評価

TOEFL iBTの構成は、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションにわかれ、英語4技能のスキルを各セクション30点ずつの120点満点で総合的に評価。

CEFRレベルとの対照

同時に、外国語運用能力の国際的指標である「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」と連動して表示され、とくに高等教育機関で学ぶ要件となるB2~C1言語能力レベルの高精度な測定を実現します。

こうした対応関係は、TOEFL Essentialsの総合スコアと併せて以下のようにマッピングできます。

スクロールできます
CEFRiBT ReadingiBT ListeningiBT SpeakingiBT WritingTOEFL iBT TotalTOEFL Essentials Total
C229~3028~3028~3029~30114~12012.0
C124~2822~2725~2724~2895~11310.0~11.5
B218~2317~2120~2417~2372~948.0~9.5
B14~179~1616~1913~1642~715.0~7.5
A2N/AN/A10~157~12N/A3.0~4.5

<新テスト方式>試験時間と配分

TOEFL iBTでは、会場受験・自宅受験ともに、2023年7月26日より新たなテスト形式が導入されます。4セクション構成や0~120点のスコアバンドは従来どおりですが、試験時間と設問数、さらにWritingセクションの出題形式におもな変更が加わります

<変更前>TOEFL iBTの試験時間は、トータルで約3時間です。

  • Reading(30~40問)…54~72分
  • Listening(28~39問)…41~57分
  • 10分の休憩
  • Speaking(Independent Task×1問とIntegrated Task×3問)…17分
  • Writing(Integrated TaskとIndependent Task各1問)…50分

という配分で構成されています。

<新方式>2023年7月26日~

  • Reading(20問)…35分
  • Listening(28問)…36分
  • Speaking(Independent Task×1問とIntegrated Task×3問)…16分
  • Writing(Integrated TaskとAcademic Discussion Task各1問)…29分

トータル約3時間だった試験時間が、上記のとおり約2時間に短縮されます。さらに、休憩時間やダミー問題を廃止し、各セクションのInstructionやナビゲーションがより簡素化されることも、試験時間の短縮に影響しています。

各セクションのポイント

SpeakingセクションのIndependent Taskでは、身近なトピックについて自分の意見を発言し、Integrated Taskでは、読んだり聞いたりした内容を要約するよう求められます。

いずれも対面とは異なり、マイクを通じて音声を録音する回答形式です。

WritingセクションのIntegrated Taskは、読み聞きした内容を要約する設問で、Independent Taskの場合は設問に対する自分の意見をライティングします。

同セクションはすべてタイピングで入力するため、素早くタイピングできるほうが回答を有利に進められるでしょう。

<新テスト方式>各セクションのポイント

<新方式>各セクション別の変更点

  • Reading:Reading問題のパッセージ数3~4つ→ふたつに変更
  • Listening:設問数28~39問→28問に変更
  • Speaking:変更なし
  • Writing:Independent Task×1問(30分)が廃止され、代わりにAcademic Discussion Task×1問(10分)を新採用

Academic Discussion Taskとは、受験生がディスカッションシーンでどのような意見を発信するかを問う出題スタイル。

回答時は、Instructionに加えて教授1名の問いと生徒2名の発言を読み、他の生徒の見解を踏まえつつ自分の意見をタイピングするよう求められます。

TOEFLテスト日本事務局では、新形式対応の無料練習テストを公開しているので、詳細を知りたい方や受験時期の延期を迷っている人はチェックしておきましょう。

TOEFL | 海外大学で必要となるスコアは?

一般的に海外大学に留学するには、CEFRレベルB2に対応する72~94点は必要と言われています。

日本でなじみのある英検に置き換えると、ざっくりと準1級合格レベルに相当します。しかし、B2レベルがすべての海外大学の出願要件を満たすわけではありません。

海外トップ大学に進学したい人は、CEFRレベルC1に対応するTOEFL iBT95~113のスコアレンジを目指す必要があります(英検であれば1級相当)

実際、米国の名門大学群、アイビーリーグ級に進学する場合は、以下のリストの通りiBT100点以上のスコアが求められるケースが多くなります。

2023年版 難関大学TOEFL iBT得点ボーダーライン

※最新情報は各大学の募集要項などを確認してください

スクロールできます
大学名TOEFL iBT ボーダーラインTHE世界大学ランキング2023
ケンブリッジ大学(英)100~1103位
ハーバード大学(米)100~1092位
イェール大学(米)1009位
ブラウン大学(米)10061位
スタンフォード大学(米)1003位
コロンビア大学(米)10011位
トロント大学(カナダ)10018位
マサチューセッツ工科大学(米)905位
UCLA(米)8721位
メルボルン大学(豪)7934位
ワシントン大学(米)7626位

上記のようなトップランク大学を除いた、米国の人気大学の場合は約80点がボーダーラインとして定められる傾向が目立ちます。

特定の大学にこだわらず、とにかく海外の4年制大学に出願したい場合は目安でTOEFL iBT61点以上を満たしていれば出願先が見つかる可能性があります。

TOEFL | 試験対策と学習法

TOEFL iBTの勉強法は、おおまかに以下の3点の対策が欠かせません。

  1. TOEFL iBTの傾向に沿う英単語の暗記
  2. 得意不得意を把握したうえで各セクション別の対策
  3. 過去問や類似問題集の反復演習

①英単語の暗記

対策を始める時点で、どの程度の単語知識があるかで必要な労力が大きく左右されます。

TOEFL iBTはアカデミックな話題を主軸とするアメリカ英語が出題されるため、社会科学、自然科学、米国の歴史·文化などに関する英単語を目にする機会が多いです。

また、アカデミック寄りの英単語は専門性が高く、一般英語がカバーする話題よりも難解に感じやすいと言われています。

そうした点も踏まえると、TOEFL専用の英単語集を使用するほうが効率よく学習を進められるでしょう。

②各セクション別の対策

大学入試の選考ではTOEFL iBTの総合点が問われるため、苦手なセクションを作らず、満遍なく得点できることが理想です。

数回過去問を解くと、得点率の高いセクションとそうでないセクションが見えてくるはずなので、苦手なセクションには重点的に時間を割いて克服しましょう

日本の英語教育に慣れ親しんできた場合は、スピーキングなどのアウトプット面が弱点となる可能性が高くなります。

ただし、セクションを問わず正答率が悪いという場合は、いったん文法や英単語の学習に腰を据えて取り組むほうが効果的かもしれません。

③過去問や問題集の演習

過去問や類似問題の反復演習は、本番に即した時間配分の感覚養成や心理面のシミュレーションという点も含めて重要なプロセスです。

また、セクション別対策の成果を確かめ、今後の学習方針を再調整することにも役立てられます。個人差はありますが、試験日が近づくほど問題演習の頻度を増やしていくのが理想でしょう。

TOEFLテストは日本でも知名度の高い英語力測定試験ということもあり、問題集や学習塾などの選択肢は充実しています。

目標スコアとかけ離れている、もしくは勉強の仕方が掴めずに困っている場合は、TOEFLに特化した英語学習講座を活用するのも有効でしょう。

効率のいい学習方法

最近では、マイペースで利用しやすいオンライン形式も増えており、苦手なセクションのみ専門講師に直接習うというやり方も効率的です。

いっぽう、ある程度の英語力に達している場合は、相性の良い単語集や問題集を選んで独学で勉強するのも現実的な選択肢と言えます。

信頼の置ける学習手段のひとつとして、ETSの子会社にあたる「ETS Japan」は、TOEFL対策に役立つ豊富な公式教材をオンライン販売しています。

また、ライブ・アーカイブ配信ともに学習者レベル別の各種無料セミナーを提供しているので、ニーズに合うコンテンツがあれば積極的に活用してみましょう。

TOEFL | 日本の中高生が成功するには

中高生がTOEFL iBTの受験準備や試験勉強に取り組む前に、TOEFL iBTは自身にとって適切な英語試験かどうかを確かめる必要があります。

TOEFLか、IELTSか

というのも、TOEFL iBTに劣らず汎用性の高い英語試験として、イギリス英語に準じたIELTSという選択肢も考えられるからです。

そのため、英国、豪州、ニュージーランド、東南アジア地域の大学を優先的に志望している場合は、TOEFL iBT対策に集中すべきなのか慎重な判断が求められるでしょう。

たとえば、志望大学がTOEFL iBTを出願要件に定めているかどうかは、かならず確認する必要があります。

ETS「MyBest Scores Acceptance」ページではTOEFL iBTの扱いについて、国やエリアごとに候補校をまとめて調べられるので便利です

また、英語力測定という目的は同じでも、TOEFL iBTほか各団体のテストには、個人的な相性の良し悪しがどうしても存在します。

そこで、TOEFL iBT以外のテストや過去問を試しに解いてから、どの試験を主体に勉強するか判断するのも方法のひとつです。

自宅受験を検討する場合

自宅受験(TOEFL iBT Home EditionまたはEssentials)を利用する場合は、使用機器と受験環境を整えることも必要です。

対応する機器は、デスクトップかノートパソコン(タブレットやモバイルデバイスは不可)、Windows 10およびMac OS 10.15以上のOS環境にChromeブラウザの利用が推奨されています

試験中に必要なスピーカー・マイク・カメラは、PC内臓型か外付けタイプが使用可能。

自宅受験では、ヘッドセットやイヤホンの使用は認められないので注意しましょう。自宅受験時のスペック要件は、「ProctorU」ページにて詳しい案内が記載されています。

試験前にはETSのウェブサイトより「ETS Secure Test Browser」をコンピュータ上にダウンロードし、「ProctorU Equipment Check」を実行。

マイクやカメラを含めて、すべての装備が受験要件を満たすか正当なプロセスで確認できます。

受験環境としては、公共スペースの利用が禁じられ、誰もいない明るい部屋で扉を閉めた状態で受験する必要があります。

試験中のメモ書きは可能ですが、ホワイトボードとマーカーなどテスト終了と同時に確実に消去できるツールを使うことが条件です(会場受験ではメモ書き用の紙と鉛筆が完備)。

TOEFL | 申し込み方法・受験料

TOEFL iBTの受験会場は全国的に広がっていますが、すべての都道府県に会場が設けられているわけではありません。

受験会場とスケジュール

詳しくは、プロメトリック社「TOEFL iBT会場開催」ページより調べることができます。

また、会場受験の試験スケジュールは、原則土日のみで年間計80回ペースで毎月開催されています。

<新テスト方式>申し込み方法

受験を申し込むには、ETS公式サイトでアカウントの作成から始めてください。

また、申し込みプロセスでは、身分証明書(原則有効期限内のパスポート)とクレジットカードやPayPalなどの支払い手段も用意しておく必要があります。

オンラインで申し込む場合は、ログイン後に会場と試験日を選択し、必要事項を記入してから受験料の決済手続きを行えば完了です。

Home Editionも同様に、ETSアカウントにログインして申込手続きを進められます。自宅受験は週4日、24時間体制で実施されており、約6ヵ月先の空き時間の中から受験したい日時を選択可能です。

テスト新形式導入に伴い、受験生は試験終了と同時にスコアレポートの発行時期を確認できるようになり、スコアステータスに変更があればリアルタイムで通知を受けられます

受験料や試験日程・会場の選択肢は、いずれも変更はありません。

受験料

TOEFL iBTの受験料は、自宅か会場かを問わず一律の設定です。

日本国内での受験料は、試験日7日前までの申込であれば245ドル、試験日6日前~2日前17時までに申し込んだ場合は285ドル

試験日4日前までは、会場や日程の変更とキャンセル払戻を申請できますが、変更手数料60ドルまたは払戻手数料として受験料の50パーセント相当がチャージされます。

ただし、同じTOEFLテストでも、Essentialsは受験費用が大きく異なり、日本ではiBT半額以下の110ドルで受験が可能です。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

新しい学びに挑戦!
Contents