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中高生レポート⑩ | 日本青年会議所「少年少女国連大使」(現・グローバルユース国連大使)


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少年少女国連大使│小中学生を国連本部に派遣するプログラム

大﨑永菜(おおざき なな)と申します。

私は、2017年の夏、「少年少女国連大使」(現・グローバルユース国連大使)というプログラムに参加しました。

大﨑 永菜(滋賀県立守山中学校2年生)

いま挑戦しているのは、地元・守山市に暮らす中学生と大人が守山の問題などについて話し合い、一緒に解決する場を作ること。これからの目標は、世界のどこに住んでいる子どもでも平等に教育を受けることができるようなプロジェクトを行うことです

少年少女国連大使とは、「日本青年会議所」が主催している事業で、全国から応募した小学5年生~中学2年生の30名が選ばれます。

少年少女国連大使(グローバルユース国連大使)について

  • 主催:日本青年会議所
  • 派遣先:米国・ニューヨーク
  • 派遣期間:夏休み期間(1週間程度)
  • 対象:小学5年生〜中学2年生
  • 募集人数:30名
  • 募集期間:2〜5月ごろ
  • 選考期間:5月ごろ
  • 事前研修:6月の週末、2日間
  • 啓発活動:8月〜10月
少年少女国連大使6

このプログラムは、東京での事前研修から始まり、ニューヨークで「国連本部」「ユニセフハウス」「日本国総領事館」「国連日本政府代表」などを訪問し、研修を行い、世界の問題や「SDGs」(Sustainable Development Goals、持続的な開発目標)について、私たちが今後どのように関わっていくのかについて学びます。

ニューヨーク研修では、国連の本部へ行き、国連職員の方から「世界平和」や「これからの未来のために」についての話を聞き、国連や世界を自分の目で感じることができます。

UN SDGs(持続可能な開発目標)とは
2016年から2030年までの15年間、国際社会が協力して目指すべき達成目標。2015年9月、国連本部のサミットで、193の国連加盟国の全会一致で採択されました。SDGsは、先進国・途上国双方の人々のニーズに取り組み、誰も置き去りにしないことを強調しています。社会、経済、環境という持続可能な開発の3つの次元に加えて、平和や正義、パートナーシップなど、17の目標、169のターゲットから構成されています

最終日には、チームのメンバーと、国連本部で「世界の問題を解決するための解決策」についてまとめたものを発表します。

少年少女国連大使に求められるもの

帰国後は、研修などを通して学んだこと、世界の現状や身近な生活と世界の関係について、地元の小学校や青年会議所などで多くの人に伝えていきます。

このプログラムでは、子どもたちが、世界が抱える課題と日本と世界の違いを理解し、海外での交流を通して次世代の民間外交を勧めていく担い手として成長することを目指しています。

また、少年少女国連大使として参加した子どもたちは、地域での国際協力の意識を喚起し、各地域での国際協力活動を推進しています。

その解決目標(SDGs)を知り、ニューヨークでの実体験を通して理解を深め、帰国後は地域での啓発活動を行うことによって、国際協力のリーダーとして成長することを目指しています。

少年少女国連大使│川のゴミ問題と国連はつながっていた

では、なぜ私がこの少年少女国連大使になろうと思ったのか。

きっかけは、私の家の近くを流れる1本の川にあります。

中学1年生の秋ごろ、家の近くの川にゴミが落ちていることに気が付きました。

それがどうしても気になり、川やその先にある琵琶湖の環境問題などについて調べていくうちに、「自分でも何かできることはないだろうか」と考えるようになりました。

私が行ったのは、1ヵ月に1回の川掃除です。

川の先には琵琶湖(地元滋賀県)、そして海があります。海に流れたゴミは、もしかしたら海を漂い、他国に流れ着いてしまうかもしれません。

少年少女国連大使3

実際、私が今年の春に参加した「生物多様性研修」(少年少女国連大使とは別の事業者が実施)では、プログラムが実施された屋久島の海でもいろいろな言語で書かれているゴミをたくさん見つけました。

このように外国からゴミが流れてきているということは、私たちが住む日本からもゴミが流れてしまっているということではないでしょうか。

では、川の問題をどうやって解決するか。

そう悩んでいたとき、ニュースで、さまざまな国が集まって国連で会議をしているのを見ました。世界の問題と私の目の前を流れている川の問題、規模は違うけれど、問題の解決に取り組む国連の活動に興味を持ったのです。

そんななか、見つけたのが少年少女国連大使という事業でした。

少年少女国連大使│応募方法やスケジュールについて

私はインターネットでこのプログラムを見つけ、応募しました。

募集期間は毎年2〜5月ごろ、選考は5月に行われ、大使に選ばれた人は、6月の週末に2日間に渡り実施される事前研修に参加します。

ニューヨークには、夏休みの7月下旬〜8月上旬の約1週間派遣され、帰国後は啓発活動に取り組みます(8月〜10月)。

応募に必要なものは、作文(400字程度)とプレゼンテーションのムービー(約1分間)、保護者が書く推薦文(800字程度)、そして応募用紙などの資料です。

作文は、以下の3つのテーマのうち、2を選んで書きました。

  1. あらゆる国や地域から貧困をなくそう
  2. すべての人を、飢餓(食べ物がないこと)から解放しよう
  3. すべての人に、安全な飲み水とトイレを提供しよう

ムービーに関しては、SDGsの17項目のなかから自分が一番興味を持っていることについて、自分の意見や思いを中心にプレゼンします。

少年少女国連大使5

私は身近な川の現状を踏まえ、SDGsのNo.14「海中生物」についてムービーを撮りました。

応募に関するすべての資料をそろえ、地元の青年会議所に推薦してもらい、日本青年会議所へ応募します。

そして、応募者のなかから、全国で30名が少年少女国連大使に選ばれました。

少年少女国連大使│多くの疑問と発見が生まれた事前研修

ニューヨークへ行く前に、まず事前研修(6月)があり、その際いくつかの課題が出されます。

少年少女国連大使4

事前研修では、これから学んでいく国連とSDGsについて、また、世界のことを知る前に日本のことを学びます。

たとえば、日本の歴史や国土、また日本とアメリカの文化や国土から生まれる違いです。

課題では、世界が抱える問題(SDGs)とそれに該当する国を調べます。そして問題の解決策を考え、まとめました。

知識がなかった最初はまったく思いつきませんでしたが、たくさん調べていくうちに各国が抱えている問題を考えるいい機会となりました。

事前課題で私が考えたのは、SDGsのNo.4の「質の高い教育」についての解決策です。

また、私はニューヨークへ行く前に、元国連職員やユニセフの方に直接話を聞かせていただき、事前に持っていた疑問を質問しておきました。国連とはどのような組織なのか、国連での物事の決め方など…

このおかげで、ニューヨーク研修へ行った際の学びがより深くなり、多くの疑問と発見が生まれました。常に課題があり、常に考え、頭を抱えながらのプログラムでした。

少年少女国連大使│世界の課題について考え抜いたNY研修

ニューヨーク研修中には、チームのメンバーのみんなと、最終日に国連本部で発表するプレゼンテーションを作るために、深夜3時に寝て、朝5時に起きることもありました。

少年少女国連大使2

さまざまなバックグラウンドを持ったチームのメンバーと6日間を過ごすことで、研修後のつながりも深くなりました。

プレゼンテーションでは、おもに世界が抱える問題とその解決策について、メンバーと話し合い、考えます。

世界が抱える問題の解決策を考えるのは想像以上に難しく、みんな頭を抱えたまま意見がまったく出ない、ということも多々ありました。

そのなかで、自分の役割は何なのか、いま自分のすべきことは何なのか。そう考えたことも、貴重な経験となりました。

最後に、私たちが考えに考え抜いた案を、英語で、国連本部で発表しました。

少年少女国連大使

そして、帰国後の啓発活動(8月〜10月)。

自分の学んだこと、感じたことをどのように人に伝えるか。毎回反応が違い、みなさんからの質問で、自分が勉強しきれていなかったところを発見したこともあります。

小学校での啓発活動では、「世界平和とは何か」「○○から世界を知る」というテーマをもとに、子どもたちと一緒に「世界平和」について考え、意見交換しながら、私がこのプログラムで学んだこと、経験したことを発表しました。

啓発活動を通して、「伝えるってこういうことか」「学ぶってこういうことか」ということを実感すると同時に、「自分ももっと学びたい、知りたい、伝えたい」という思いも湧いていきました。

少年少女国連大使│世界の問題は身近な問題とつながっている

私はこのプログラムで世界について学び、「世界を学ぶと世界は広く見えてしまうけれど、じつは身近なものとつながっている」ことに気づきました。

実際、私は身近な川の問題を知ったことによって、それが世界の環境問題につながっていることがわかりました。

世界の問題を解決するには身近な問題から解決すること、私たちの身近な生活に目を向けていかなければいけません。

この研修を通して、私は学ぶ機会をいただきました。私が学んだこと、考えたことを、多くの人と関わり合い、意見を交換し合うことが、「学習する」ということではないでしょうか。

今年の10月31日で少年少女国連大使としての活動は終わりましたが、私はこれからもこの活動、このプログラム、そして自分が学んだことについて、より多くの人に広めていこうと思います。

そして少年少女国連大使で経験した「知る、学ぶ、伝える」ことが、世界が抱える問題を解決する第一歩なのではないかと思っています。


Globaleduコンサルタン

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