- 58shares
- Share on Facebook
- Share on Twitter
日本人の「グローバル人材育成」考
日本人は、グローバル人材を育成していくために必要な能力や教育について、どのように考えているのでしょうか?
今回は、内閣府による2015年度「教育・生涯学習に関する世論調査※」で明らかになった、日本人のグローバル人材育成への考え方について紹介します。
※調査期間/2015年12月10日~20日、発表/2016年2月15日。全国20歳以上の日本国籍を有する3000人を対象に調査が行われ、1653人から回答が得られた
①伸ばしていくべき能力は?
まず、「グローバル人材を育成していくために伸ばしていくべき能力」について質問したところ、下記のような回答が得られました(以下、すべての質問で複数回答)
- 語学力・コミュニケーション能力…76.5パーセント
- 国際社会の動向などについての幅広い教養…41.3パーセント
- 異文化理解の精神…40.5パーセント
- 日本人としてのアイデンティティや日本文化に対する理解…39.8パーセント
- 主体性や積極性…34.4パーセント
- その他…0.2パーセント
- とくにない…2.7パーセント
- わからない…4.2パーセント
都市規模別では「異文化理解の精神」との回答が大都市に多く、「日本人としてのアイデンティティや日本文化に対する理解」は中都市で高い傾向に。
性別では、「語学力・コミュニケーション能力」と「国際社会の動向などについての幅広い教養」と回答した女性の割合が高くなっています。
年齢別では、「語学力・コミュニケーション能力」が20〜40代、「国際社会の動向などについての幅広い教養」が50代、「異文化理解の精神」が30〜50代、「日本人としてのアイデンティティや日本文化に対する理解」が40代で、それぞれ高くなっています。
②必要となる教育的取り組みは?
「グローバル人材育成をしていくために、今後教育においてどのような取り組みが重要だと思うか」という質問の回答は、下記のとおり。
- 小・中・高等学校を通じた英語教育の強化…66.6パーセント
- 国語教育や日本の伝統に関する教育の充実…39.1パーセント
- 国際社会の動向などの幅広い教養を深める教育の充実…38.8パーセント
- 日本人の高校生の海外留学支援…33.9パーセント
- 外国人留学生の受け入れ拡大…29.2パーセント
- 日本人の大学生や大学院生、専門学校生の海外留学支援…28.4パーセント
- 世界で活躍できるリーダーを育成する高等学校や大学に対する支援…27.3パーセント
- 海外大学との連携や英語による授業比率の増加など大学の国際化…23.3パーセント
- その他…0.6パーセント
- とくにない…2.4パーセント
- わからない…4.8パーセント
「小・中・高等学校を通じた英語教育の強化」をあげた人が65.6パーセントともっとも高く、つづいて「国語教育や日本の伝統文化に関する教育の充実」、「国際社会の動向などの幅広い教養を深める教育の充実」、「日本人の高校生の海外留学支援」という結果に。
「日本人の高校生の海外留学支援」は大都市で高く、年齢別では「国語教育や日本の伝統文化に関する教育の充実」は40代、「国際社会の動向などの幅広い教養を深める教育の充実」は30代と50代で、それぞれ高くなっています。
③留学させたほうがいい?
つぎは、「未来を担うこどもや若者に海外留学をさせたほうがいいと思うか」という質問。
- 「させたほうがいいと思う」43.9パーセント+「どちらかというとさせたほうがいいと思う」40.3パーセント…84.2パーセント
- 「どちらかといえばさせる必要はないと思う」7.4パーセント+「させる必要はないと思う」3.2パーセント…10.4パーセント
「させたほうがいい+どちらかというとさせたほうがいい」は84.2パーセント、「させる必要はない+どちらかといえばさせる必要はない」は10.8パーセントという結果に。
「させたほうがいいと思う」は中都市で高くなっており、年齢別では「させたほうがいいと思う」は50代、「させる必要はないと思う」は20代で、それぞれ高くなっています。
留学を促進させるための支援は?
「させたほうがいい+どちらかというとさせたほうがいい」と回答した1392人に、「日本人の海外留学を促進するために今後どのような支援が必要だと思うか」と質問すると…
- 奨学金などの経済的な支援…72.5パーセント
- 日本の学校などにおける海外留学のサポート体制の強化(個別相談の実施など)…52.9パーセント
- 海外の学校と日本の学校との連携・提携の強化(単位相互制度の導入など)…43.2パーセント
- 留学に関する情報を得る機会の充実…39.7パーセント
- 企業などの採用活動における留学経験者への配慮…28.6パーセント
- 保護者などへの理解の促進(海外安全情報の提供など)…26.3パーセント
- その他…0.4パーセント
- とくにない…0.8パーセント
- わからない…1.4パーセント
「奨学金などの経済的な支援」が72.5パーセントともっとも高く、ついで「日本の学校などにおける海外留学のサポート体制の強化」、「海外の学校と日本の学校との連携・提携の強化」、「留学に関する情報を得る機会の拡充」という結果に。
「日本の学校などにおける海外留学のサポート体制の強化」「海外の学校と日本の学校との連携・提携の強化」は小都市で高く、「日本の学校などにおける海外留学のサポート体制の強化」は女性で高くなっています。
年齢別では、「奨学金などの経済的な支援」が20代と50代、「日本の学校などにおける海外留学のサポート体制の強化」は30代と40代、「海外の学校と日本の学校との連携・提携の強化」は30代で高くなっています。
【2015年度「教育・生涯学習に関する世論調査」】
- 調査期間:2016年12月10日~20日
- 調査実施機関:一般社団法人中央調査社
- 調査方法:調査員による個別面接聴取法
- 調査対象:全国20歳以上の日本国籍を有する人(標本数/3000人、有効回収数(率)/1653人)