豪での就職状況は?
前回、弁護士についての質問がありましたが、オーストラリアで留学生がそのほかの専門的な資格を取得した場合、就職には有利になるのでしょうか?
語学のカベに留意を
弁護士以外の資格業(士業)で、日本からの留学生に人気なのが「看護師」や「教師」などです。
また、オーストラリアの大学の医学部が日本とくらべ学費が比較的安く、若干入学しやすいため、「医師」を目指して留学する人も多いようです。
これらの仕事については、海外での就職や永住権の取得に有利という情報もあるため、留学を決意する人も多いようですが、現実はなかなかキビシイようです。
医師
オーストラリアで医師免許を取得すると、そのほかの英語圏でも医師として働くことができるメリットもあるようです。
しかし、アメリカやイギリスの医師が仕事を求めてオーストラリアに入ってくることも多く、英語圏以外の出身者の採用状況はキビシイようです。
医学部に入学するには、州の統一試験や国際バカロレア(IB)の試験を受ける前に、「UMAT」(Undergraduate Medicine and Health Sciences A
さらに、統一試験もしくはIBのどちらを選択するべきかも悩ましい問題ですが、在学中の成績や最終試験の評価をあげたい場合、学習量も多く試験難易度の高いIBは敬遠されがちであるようです。
当然のことながら語学力も重要になってくるため、医学部を希望する場合、小学校などの早い時期から家族(母子)でオーストラリアに住んでいるケースもあります。
そのくらいの時間をかけて英語力を磨いていかないと、高度な英語力は身につかないのですね。
看護師
看護師も、大学での学習や実習を終了したあと、留学生は「IELTS」や「OET」(医療専門英語試験)を受け基準ポイントを満たさないと、看護師資格を取得することができません。
最近この基準があがっているため、試験をパスできないために看護師資格を取得できず、日本に帰国するケースが増えています。
大学でしっかり学習ができ、実習をこなせる英語力を持っていても、英語試験が大きなカベとなっているのです。
教師
教師も看護師と同様に、英語の試験がクリアできず、教員免許を取得できないケースが多くなってきました。
教師の場合、教員免許を取得したあとも、一定の期間中に規定の時間教師として働かなかった場合は教員免許の更新ができない州もあり、ほかの仕事をしながら教員の空きを待っている間に時間切れになってしまう場合もあります。
教師も看護師も、残念ながらこれらの資格を日本で使用することはできません。
ただ、日本で教師や看護師の資格を取得したのちに、オーストラリアの大学でさらに学んで資格を取得し、日本に帰国して、大きなスキルアップやキャリアアップを果たした人もいます。
大学入学から資格取得までの数年間だけでなく、その先の就職やキャリアアップも視野に入れ、留学を考えてみるといいのではないでしょうか。
10年前に渡豪後、現地にて日本人のための教育機関にて教育管理や学習指導に携わりながら、日本人親子の教育や精神面のサポートを行う。2013年に「国際教育支援研究所」を設立し、国際教育で生じる不安や悩みについて、保護者や子供たち、教師を対象としたサポートと親子の理想の教育を実現するためのプラン作成「教育デザイン」の指導を行っている。「崎田和紗子」の名は、6年前の誕生日に支援を受けたお礼にと子供たちからその名前の一字ずつを合わせて贈られたもの。「子供たちの未来のための仕事」という初心を忘れないために、仕事の大切なパートナーとして使用している。