目の当たりにした「子どもの可能性」
つぎに、真剣に先生の話に耳を傾けている子どもたちの輪に移動。

パーツごとにバラバラになる地球の模型と部位の名前が書かれたカードを組み合わせ、立体的な教材と言葉を組み合わせ学習できるようになっていた。
「地球の構造について」というテーマで、先生が「マントルが…」「ないかく、がいかくはどれ?」など、5、6歳の子どもが学ぶには難しい内容に目が釘付けに。
活動は、「これやってみたい!」という子どもによる申し出によって決まり、それに興味を持った子どもたちが任意で集まり、はじまる。
奥のテーブルで、裁縫や織物に取り組む子どもたち。
「数ヵ月から半年かけて、カバンを作るために織ることもありますよ」と副園長先生。なるほど、これらの活動を「お仕事」とよぶことに納得してしまった。
クロスステッチの練習をする園児の姿もある。
家庭では「針は危ないから」と排除してしまいがちだけれど、園児に扱いやすい道具を用意し、正しい使い方を説明するのだそう。
ほかにも、文字のテンプレートをつかったひらがなの練習や、恐竜の模型と名前のカードを使って活動する子どもたちなど、活動内容はさまざま。
「これはいいな!」と思ったものが、コーヒー豆をミルで引くお仕事。
話しかけると「ママのおみやげにするの!」と、とってもいい笑顔。あとで、ほかの園児が「毎日コーヒーをひいているんだよ」と教えてくれた。
お母さんへの思いやりと家庭での様子が目に浮かび、ほほえましい。
もうひとつは、ピッチャーからコップに色水を注ぐ練習。子どもサイズのピッチャーを使い、こぼしても大丈夫な環境でお仕事を行う。
ポイントは、子どもに適したサイズの用具で、本物を使うこと。
わが子も3歳くらいのとき、とにかくお茶を注いで回りたがったが、「こぼしたらイヤだから」「コップを割ったら危ないから」と進んでやらせなかったことを思い出す。
結果として「やりたい!」の旬を逃してしまい、子ども自身がめんどうだからやらない時期に突入。以降、「ママ、お茶」ということに…
長男のお手伝いやりたいブームを、「仕事に間に合わない、ママがやるね!」と奪ってしまったことをしみじみ反省した。
このような活動が1時間ほどあり、お片付けとなった。

教具や用具を使うために広げていたマットも子どもたちが片付ける。