【共育時代の学び01】親子が共に学ぶ…21世紀型教育は「人を幸せにする」教育って知ってた?

SENPAIプログラム

「共育」を考えるポイント

  • 日本人が抱える不幸感の正体とは?
  • 幸せになるために学ぶ。「学び方改革」では何をどう学ぶべき?
  • 強いる「強育」から親子で共に学ぶ「共育」へ

私たちは何のために学ぶのか

突然ですが、人は「何のために学ぶ」のでしょうか。教育の目的について、考えたことはありますか?

私は22年もの間、都内で学習塾を経営してきました。これまで進路を導いてきた生徒は、年間300人として計約6000人。塾の生徒たちに定期テストでいい点数を取らせ、少しでも偏差値のいい学校に合格させる——そう信じて疑わずにやってきました。

いい学校に合格すれば先がラクになる。いい会社に入れて、好きな仕事ができるのだから「いまは苦しいけど頑張ろう!」 そんな言葉をかけ、受験勉強に立ち向かう子どもたちを励まして来ました。

しかし、1990年代中盤にバブルが崩壊。山一証券がつぶれ、年功序列や終身雇用などさまざまな日本の幸せ方程式が崩壊しはじめました。そのころから「人間力」という言葉が出現し、「偏差値人間」から「できる人間」へと、社会が求める人材要件は変化したものの、「就職氷河期」(1993〜2005年ころ)に突入し、学歴がいっそうモノを言うようになりました。

「勉強、勉強」が家族を不幸にしてきた?

それでも、「お母さんはなぜ勉強しろ、勉強しろって言うと思う? それは君のことが憎いんじゃなくて、将来幸せになって欲しいからだよ」。塾の3者面談で言い争いになる親子を、そんな言葉で「子どもの側」だけを諭して来ました。

テストでいい点数を取ると褒められ、悪いと叱られる。勉強する子はいい子で、しない子は悪い子。自分の人生のためにする「勉強」なのに、親子が言い争いになり、行き過ぎると子どもの精神を追い詰め、命まで脅かす結果になる「受験」という家族の一大イベント。

子育てって本来楽しいものであるはずなのに、子どもと一緒に走って、歌って、寝て食べて、言葉では表現できない愛おしさに幸せの絶頂を感じたころとは一変し、どうして家族がギクシャクするまでになってしまうのか?

国連による「世界幸福度ランキング2017」では日本が155ヵ国中51位と低順位でしたが、さまざまな指標があるものの、日本の幸福度が低いのは、私たちの生活や人生が既存の枠組みや価値観にいよいよフィットしなくなってきたからではないでしょうか。

教育のゴールが完全に変わった!

そして、現在の日本は教育改革の真っただ中にあり、教育のゴールは完全に変わりました。

「21世紀型教育」や「グローバル教育」などと言われるこれらの教育改革が、長年日本が抱えて来た矛盾やジレンマを解消し、日本が成熟した社会へと発展し、日本人が幸せになるために必要な改革であると気づいている人も多いかと思います。

職場では「働き方改革」が進み、家庭では「学び方改革」を実践していくべきときに来ているのです。

2020年に改訂される「新学習指導要領」のエッセンスをあえてふたつあげるのならば、「何ができるようになるか」、「どうしたら子どもが自ら主体的に学ぶようになるのか」だと思います。

これまでの教育は、「自転車に乗るためのマニュアルは覚えたけど、実際に自転車には乗ったことがない」、そして「乗り方は覚えたけど、失敗を恐れて自ら乗ってみようとは思わない」でした。

しかし、これからは「乗ってみようという気持ちが大事で、失敗しても乗れるようになるまで頑張ればいい」という教育に変わります。

これらの資質を育てることで、2020年の大学入試改革にも対応することもできます。ならば、親がすべきなのは、小学生のころからムリやり勉強を強いるのではなく、子どもがやってみたいと思える環境に身を置いてあげることであり、「失敗してもいいからやってごらん」と肩の力を抜いて見守る教育だと思うのです。

受験や受験勉強を否定している訳ではありません。○△大学に入りたいという目標があるのは素晴らしいことです。

しかし、その目標を決めるのは子ども本人であり、その目標を見つけられるように工夫するのが親の役割なのです。ハーバード大学に行って欲しいなら、小さなころに一度は家族でハーバードに行き、ハーバードの学生と会話をさせてみればいいのです。

そして、そこに辿り着くまでの道順を教え、その先にどんな将来が待っているかをリアルに想像させること。「これを学んでみたい」、そう思えるように、たくさんの体験と学びを経験させてあげるのです。

いまこそ「幸せな教育」に踏み出そう

今回の教育改革は、ようやく家庭で幸せな教育を実践できるチャンスだと思っています。「幸せな教育」とは、「将来の子どもの幸せ」、「親子にとっての幸せ」というふたつの意味があります。

目の前の点数のために勉強を強制する「強育」は、子どもの将来を幸せにしないばかりか、親にとってもハッピーなことではありません。

親子が一緒に考え、親子で学ぶ。いまこそ親子がともに学ぶ「共育」が必要となり、可能な時代になったと考えています。わが子が生まれたばかりのころに抱いた、「どうかこの子が幸せになりますように」という親の思い。その幸せを、ともに叶えるべき時代が到来しているのです。

◉今日からはじめる「共育」実践

子どもにはガミガミ言いたくないし、個性を尊重しおおらかに育てたい——そんな親の思いと進学とを両立できる時代には、10年後を見据えて、未来に必要とされる能力について話し合い、それを身につける。親が一方的に与えたり、強制したりすることなく、子どもの特性を見極めつつ、もっとも集中して個性を発揮できることは何なのか? 子どもの考えを尊重し、これまで縛られていた価値観から自由になり、進学について考えてみてはいかがでしょうか。

文/鏑木 稔

(株)ジプロス代表取締役。東京東部で22年間学習塾を経営するなかで、のべ6000名を超える生徒の進路を指導。教育の最前線に携わりながら、わが子の教育環境や進学について考えていくなかでグローバル教育の到来を予見し、2015年に本物の英語力を育成する探究スクール「GLI」を開校。

◎提供:GLI晴海校

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