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グローバルに対応する医師を育成
2016年度と17年度において、2年連続して東北と東京圏において2つの医学部が新設されます。
16年度には、東日本大震災の復興支援の特例措置として、37年ぶりとなる医学部が「東北薬科大学」に開設。
17年度には、「国際医療福祉大学」(栃木県大田原市)の千葉県・成田キャンパスにおいて、医学部が新設されます。
国際医療福祉大学・医学部の大きな特色となるのは、グローバルな医療に対応できる医師の育成を目指すという点。
成田市は、14年5月に医学部新設を核とした「国際医療学園都市構想」を提案し、政令により東京圏「国家戦略特区」に指定されました。

成田市が2015年9月に作成した「国家戦略特区における医学部新設について」資料より。
15年11月27日に開催された「第17回国家戦略特別区域諮問会議」で、国際医療福祉大学に医学部が新設されることが決定。
今後は「国家戦略特別区域における医学部新設に関する方針」に即して、世界最高水準の国際医療拠点としての医学部を目指します。
2017年度からは9学部体制へ
「国際医療福祉大学」は、1995年に日本初の医療福祉専門大学として設立されました。

栃木県大田原市のほか、神奈川県小田原市、福岡県福岡市、大川市にキャンパスがあり、2016年4月には成田キャンパスも開設。
保健医療学部、医療福祉学部、薬学部、小田原保健医療学部、福岡看護学部、福岡保健医療学部のほか、16年度には成田看護学部、成田保健医療学部も加わり8学部制となる予定。
なお、校舎は成田看護学部と成田保健医療学部が開学する成田キャンパスの隣地に開設される予定です。

成田市の「国家戦略特区における医学部新設について」の資料より。
国際標準「WFME」を超える教育を提供
新医学部では、日本の大学の医学部の国際標準化が問われる「2023年問題」において、「世界医学教育連盟」(WFME)の標準を超えた医学教育を提供していく予定。
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具体的には、診療参加型臨床実習を2年を超えて行うなど、米国で医療行為を行うための資格とされている「ECFMG」が基準とする期間、たとえばカリフォルニア州の72週等を大幅に上回る90週の実習期間の確保を目指すとのこと。
卒業時には英語による診療が可能となるレベルを確保できるよう、外国人教員や海外での診療・教育経験が長い日本人医師を多数採用し、大多数科目において英語での授業を導入。
英語の教科書を多く使用し、世界最大級の医学教育シミュレーションセンターを活用して授業が行われる予定。
また、6年次にはすべての学生が海外での臨床実習に最低でも4週間にわたり参加します。
外国人教員率日本一を目指す
募集定員は1学年140名ですが、1学年につき20人を東南アジアなどからの留学生とし、日本の医学部では最多の留学生率となる14パーセントを想定。
外国人教員も、教員数200人とした場合少なくとも10名(5パーセント)を目指す予定です。
さらに、優秀な学生を確保するために、学費は私立大学医学部ではもっとも低い水準とし、留学生受け入れを促進するために、一定の所得水準以下の留学生のために奨学金制度を用意するとのことです。
詳細は、「国際医療福祉大学」公式サイトで確認を。
【国際医療福祉大学・医学部】
- 住所:成田キャンパス(千葉県成田市)
- 開設:2017年4月
- 入学定員:140名(うち留学生は20名)