BOOK & DVD国際バカロレア

【BOOK】世界標準の教育がなぜ必要なのか…大前氏「グローバルに通用する異能を開花する」

世界標準の教育とは?

本書の主題は、「世界標準の教育、とはいかなるものか」、そして「なぜ日本でそれが必要とされるのか」である。

異能を開花する

この主題自体は目新しいものではないが、編著者である大前研一氏のビジョンに照らし合わせた世界標準の教育観がコンパクトにまとめられていること、とくに、初等中等教育に関する具体的な考察や「国際バカロレア」(IB)のキーパーソンへのインタビューがおさめられているという点で、本サイトの読者にとっての本書の意義はより鮮明になる。

大前研一が行う考察の前提として、「未来からさかのぼって現在を考える」という姿勢がある。

それは本書でも一貫していて、グローバル社会の未来予想や、彼の主張する道州制の導入などを絡めた日本の将来像、などある意味おなじみな未来へのビジョンがまずは語られる。

そしてそれに続けて、「ではそのような未来に必要とされる人材を育てるにはどんな教育がふさわしいのか」という考察へと続く。

本書の特徴は、これ以降の部分だろう。本書において明かされるのは、グローバル世界に活躍するのに最適な教育カリキュラムはIBである、という明確な主張だ。

これはまた、2013年に大前氏の経営する教育関連企業「BBT社」が「アオバジャパン・インターナショナルスクール」を買収した目論見をまさに説明する内容ともなっている。

【関連記事】大前氏の「BBT」社が「アオバジャパン」を子会社化

グローバル教育の要点を再確認する

では、IBが選ばれる理由がどこなのか。

実際にIBの創設に関わってきた人物たちへのインタビューを通して、IBのカリキュラムがそもそも、未来のグローバル社会を作り上げる人材の要件を分析する中から生み出されてきたことが語られる。

ここで目を引くのは、「社会へ建設的に貢献する人であり、文化的な意識の高い人」など、論理的な思考能力と同時にコミュニケーション能力の発達に重きをおくIBの基本思想に触れられる点だろう。

また、幼児期からの一貫性ある教育の重要性が強調されている点も注目に値する。

「大前研一通信特別保存版Part.VIII」と副題が付いている通り、大前氏が過去に行った講演や、雑誌に掲載された文章から、教育に関連したものを集めた再編集版と言うべきものだ。

それだけを聞くと寄せ集めのような印象を与えるかもしれないが、大前氏とBBTの提唱するグローバル教育の方向性は終始一貫しているため、付録のDVDと併せて本書によってその要点をチェックできる、と考えればいい。

なお、どうしても「ビジネスパーソンの視点から見た教育の一般論」というカラーが強くなってはいる。

本書のタイトルに入っている「異能」という言葉から連想されるギフテッド教育に関する議論や、発達心理学など教育プロパーの観点からIBやグローバル人材の人物像を分析する内容があれば、国際教育に関心を持つ親のニーズにより沿った内容になったかとは思われる。

「グローバル世界に通用する異能を開花する」公式サイト

text by ディエゴ・サトウ


【グローバルに通用する異能を開花する(大前研一通信特別保存版 Part.VIII)】

  • 出版社:ビジネス・ブレークスルー出版
  • 発売:2015年2月
  • 著者:大前研一
  • 編集:ビジネス・ブレークスルー出版事務局
  • 価格:1620円、Kindle版/1000円
  • 仕様:本体224ページ、関連映像編収録DVD1枚付
  • コンテンツ:第1章 Forces at Work-30年後の未来から今を考える、第2章 企業と学校の現場でおきている課題、第3章 0歳から18歳まで異能を開花するための人材育成、第4章 21世紀の日本人ビジネスパーソンに必要な能力、第5章 BBTで実践するテクノロジーを活用した異能教育

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