【グローバル世界はサッカーで学べる01】"ジャイアント・キリング"を可能にする要件

ディエゴサトウ
[Matchday 1] “ジャイアント・キリング”を可能にする要件

『グローバル世界で生き抜く術はサッカーで全部学べる』は、外資系企業で各国の同僚たちとグローバルな現場を駆けずり回る筆者が、自ら「生き方そのもの」と称するサッカー、フットサルをネタにグローバル教育について無理やり語ろうとするコラムです。

ディエゴ・サトウ
1968年生まれ。外資系企業勤務。3児の父。サッカーの原体験は、ペレの引退興行でニューヨークコスモスが来日した時(1977年)の試合をテレビ観戦したこと。ひいきのクラブはFCバルセロナ。アイドルはマラドーナ、プラティニ時代のフランス代表、ファルカン(フットサル)。「永遠のエンジョイフットボールプレーヤー」。


シメオネに学べ

さて、かなりアタマの悪そうなタイトルでまことに恐縮ですが、連載をはじめます。いよいよ今月、ブラジルW杯もはじまることですし、問題ないですよね?

サッカーの試合中に訪れるさまざまな場面、サッカーチームの中やサッカー場の周辺で起こりがちな悲喜こもごもの出来事を毎回取り上げ、それが見事なまでに日々刻々と移り変わるグローバル世界にリンクしていることを半ば本気、半ば冗談で証明していきたい所存です。

お子さんたちの教育に日々心を悩ませている、サッカー好きのお父様たちに向けたコラムということで、気楽に読んでいただければさいわいです!

初回のテーマは「ジャイアント・キリング」(番狂わせ)。

モーニング連載の傑作サッカー漫画のタイトルにもなっているこの言葉、もちろんサッカーの専門用語ではないわけですが、今年はとくにサッカーでは旬のキーワードですね。

現役時代に「殺し屋」と異名を取って恐れられたシメオネ氏率いるアトレチコ・マドリードが、スペイン、いや世界の頂点に君臨するFCバルセロナとレアル・マドリードという2大クラブを抑え、リーガ・エスパニョーラで18年ぶりの劇的な優勝を果たしました。

Simeone

またUEFAチャンピオンズリーグでは、ACミラン、バルセロナ、チェルシーという超強豪たちを倒して40年ぶりの、それも「同じ町のチーム同士」というめずらしい決勝戦に進出し、後半ロスタイムまで1点をリードして、あわやというところまでレアル・マドリードを追い詰めながら延長戦で崩れ、準優勝に終わりました。

売り上げ規模で見ると、レアルやバルセロナの700億円に対し、アトレチコは100億円、じつに6~7倍の開きがあるわけです。

アトレチコはスペインでは第3のクラブと言われていますから決して弱小クラブではありませんが、この差は決定的です。まさしく今年のアトレチコの活躍は「ジャイアント・キリング」と言っていいでしょう。

なぜこのようなことが可能になったのか。

世界中の解説者のコメントなどを参考にしてものすごく乱暴にまとめると以下のようなことになるのではないでしょうか。

  1. シメオネ監督の強い指導力と、それによって可能となる戦術の一貫性
  2.  守備ラインを高く取った積極的な守備
  3.  守備を中心にメチャクチャ走る
  4.  ボールを取ったら、うまい具合に(?)攻める
  5.  強力なストライカー(シュートを決める人)を有する
  6.  チームに忠誠を尽くすチームワーク

サッカーの話ばかりしているとアレですので、この「ジャイアント・キリング」を本来のテーマ「グローバルビジネス」「グローバル教育」というところに置き換えてみるとどのようになるかを考えてみましょう。

まずはビジネス。

  1. 強力なマネジメントと戦略の一貫性
  2.  積極的な守備(?)……ではそのままなので、後方戦略(管理部門、人事やロジスティック、総務)の積極性
  3. メンバーのひとりひとりが惜しみなく働く。
  4. 攻撃(事業企画や営業)は「うまくやる」
  5. 特に優れた攻撃の選手、じゃなかった、企画マン、技術者、営業マンを有する
  6. チームワーク

こんな具合ではないかと。ジョブスが復帰したころのアップルとか、実例はいくらでもありそうです。まぁ、ビジネスと考えるとけっこうありがちな、「そんなことが可能ならとっくにやってるよ」的な普通の話になってしまいますが!

ということでより興味深いのは、とかくお金のかかる「グローバル教育」において、お金持ちとはとても言えない我々(いっしょにしてすみません)中流家庭による「ジャイアント・キリング」の可能性があるのか、というテーマではないでしょうか。

中流家庭における「ジャイアント・キリング」の可能性は?▶▷

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