グローバル世界はサッカーで学べる

【グローバル世界はサッカーで学べる01】"ジャイアント・キリング"を可能にする要件

ピケティ現象とグローバル教育

少々話が飛びますが、トマ・ピケティというフランスの経済学者が著した『21世紀の資本論』(Capital in the Twenty-First Century)が米国で大ベストセラーとなり、話題となっております。

これを読んでみたところ……と言いたいところですが、未読です! 読んでない本の話をするのはルール違反なわけですが、まぁ、だいたいの内容は(たぶん)以下のようなものでしょう!

データが詰まった600ページを超える著作の中で、ピケティ氏は資産の収益率が長期的には経済全体の成長率より高いため、資本主義は不平等の悪循環を生むと主張している。ピケティ氏によると、不平等の拡大によって現代社会が新たな封建的な体制に変貌する恐れがあるという。彼は(所得にではなく)資産に対し て世界的に税を課すことでこのシナリオを回避したいと考えている。

The Wall Street Journal日本版からの引用

なるほど。要するに、「必死こいて働いて稼ぐお金」よりも「お金が働いて稼ぐお金」のほうが多い、だから金持ちは孫子の代まで金持ちだし金のない人は孫子の代まで蓄財できないし、経済格差は時間とともに広がっていく、という当たり前のような、悲しくなるような資本主義の本質を、統計を洗い出して証明したということになりそうです。

このピケティさん、地元フランスでは経済的不平等を研究する経済学者のひとりにすぎなかったのですが、なぜか米国で爆発的にヒットしている、というのがおもしろいところです。それほど米国での格差に関する議論が白熱していることの証左でもあります。

とくにショッキングだったのは、階級間の格差が拡大して引き起こされる社会不安を緩和するためにはグローバルな規模で強度の累進課税を行うべき、という政策提言の部分でしょう。

本のタイトルのように、若者たちが『共産党宣言』を抱えて階級闘争に飛び込んで行った19世紀のヨーロッパのような様相を呈しているようにも見えます。

ピケティの研究に影響されて2011年に起こった”Occupy Wall Street (ウォール街を占拠せよ)”デモは、こうした潮流の端緒だったのでしょう。

「金融企業や大企業、富裕層に属する1%の人間が富を独占している世界を是正し、99%の人間を主体とする政治を行え」と主張する彼ら。どのように社会の格差を解消するのかという議論は別として、一般的な米国民が怒り出すのも無理はない状況ですよね。

たとえばニューヨークでは、親子4人で生活するためには1000万円以上必要なのに、世帯平均収入はその半分しかないそうです(参考文献:My Big Apple NY)。

デモを組織している人々の論理的整合性や、旧来的な左翼との関連はともかくとして、「新たな階級闘争」が現実のものとなっていることは確かです。

ただ念のために言い添えておくと、ピケティ自身はこの主張を保守の観点から行っているので、サヨクの片棒担ぎではないようです。

付記:トマ・ピケティの『21世紀の資本論』日本語版の発売予定は、なんと2017年とのこと。オーマイガッ!

金と教育の矛盾を打破するジャイアント・キリング

さてそろそろ本題に戻りましょう。

とくにデモの主張に「高騰する学費をなんとかしろ!」という内容が含まれていることは、われわれにとっては見逃せません。読者の皆様もご存じの通り、米国の私立大学の学費は、4年間合計で平均1500万円程度と、極端な高額になっています。

日本において、99%を占めるいわゆる中流家庭が「グローバル世界で生き抜ける子供を育てる」という方針を立てた場合、これら「ピケティ的問題」は全く他人事ではなく、われわれの現実そのものなのだ、ということを認めなければなりません。

米国にひとりの子供を留学させようとすれば4年間で生活費も含め2500万円以上のお金がかかり、そもそも米国の大学に入れるためにはインターナショナルスクールに入れるなり米国の高校に留学させるなりするのに、やはり最低でも2000万円程度のお金がかかるわけです。

これで子供がふたりとなれば1億、わが家のように3人になれば1億5000万円にも上る巨額のお金が必要です。

これが払えないなら、あきらめるのか。

それとも、シメオネとアトレチコマドリードの選手、スタッフのようにあきらめずに戦い、「ジャイアント・キリング」を狙うのか。

話の流れ的に後者を選ぶとして(苦笑)、ではどうすればいいのでしょうか。もう一度、シメオネ監督=アトレチコ・マドリードの勝因に戻り、これを教育に置き換えて教訓を引き出してみましょう。


【今週のサッカー的教訓】

中流家庭が「ジャイアント・キリング」によって

グローバル教育を実行するための5カ条

1. シメオネ監督の強い指導力と、それによって可能となる戦術の一貫性
お父さんお母さんの強い指導力と、一貫した教育方針

2. 守備ラインを高く取った積極的な守備
家庭でのサポートは受け身でなく積極的に

3. 守備を中心にメチャクチャ走る
家族の全員ががんばる

4. ボールを取ったら、うまい具合に(?)攻める
情報収集、コストパフォーマンスのよい教育環境を常に探す

5. 強力なストライカー(シュートを決める人)を有する
子供が「強力なストライカー」だと信じる? または得意分野をもたせる

6. チームに忠誠を尽くすチームワーク
家族全員が家族への忠誠を誓う

……これでバッチリでしょう!!

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