キッズ

【首都大学東京】有効な学習法は男女で異なる?「英語学習における習熟度と脳活動の関係」調査

英語学習法に性差はあるのか

英単語を覚える際、女性は声に出して覚える人が多いのに対し、男性は空間イメージ法など視覚的な暗記術を用いる傾向にあるといわれています。

果たして、男女間において英語学習スタイルに違いはあるのでしょうか?

「首都大学東京」が、小学生を対象に実施した「英語学習における英語習熟度と脳活動の関係の調査結果」(2015年7月発表)によると、英語処理時の脳活動には性差があることが判明。

今後、男女それぞれに効果的な英語学習法が開発される可能性がでてきました。

※調査したのは、「首都大学東京大学院」人文科学研究科・言語の脳遺伝学研究センターの萩原裕子教授と杉浦理砂特任准教授らの研究グループ

Country kids with a rooster / Sydney Treasures Photography
Country kids with a rooster / Sydney Treasures Photography

この調査では、小学生(6才〜10才)484名を対象に、光による脳機能イメージング法、光トポグラフィを用いて、英単語を復唱しているときの脳活動を計測。英語処理時の脳活動の性差や、習熟度の高さと脳活動の大きさとの関係などを調べました。

今回、日本語と英語で高頻度語と低頻度語の2種類の単語リストを用意し、合計4種類の復唱課題を実施(高頻度語は100万語中50回以上、低頻度語は100万語中5回以下の使用頻度の単語)。

習熟度が向上すると違いが顕著に

調査の結果、学習初期には男女差は認められなかったものの、習熟度が向上するにつれ、男女間で脳活動に顕著な違いがあることが明らかになりました。

聴覚野や前頭葉のブローカ野では、母語と英語処理時の脳活動には違いはみられませんでしたが、側頭葉の後部に位置するウェルニッケ野や頭頂葉の角回・縁上回では、英語処理時の脳活動が母語とくらべ低いことが示されました。

このことから、脳の後方に位置するこれらの領域が音声言語情報の知覚に感度の高い領域であることを確認(いわゆる言語中枢)。これは男女に共通した特徴なのだそう。

いっぽう、語彙や意味処理に関連付けられ、音声情報と語彙意味情報との統合を担う領域とされる頭頂葉の「角回・縁上回」の活動には顕著な性差があることが明らかに。

男子は、英語復唱時に「角回・縁上回」を含む言語に関わる広範な脳領域を活動させたのに対し、女子は言語に関わる限局的な脳部位を使用しています。

【脳活動の言語差(日本語と英語)、大脳半球差(左半球と右半球)、 性差(男子と女子)の統計解析結果】棒グラフの左半分は日本語(母語)、右半分は英語(学習中の外国語)。青は男子、赤は女子、グラフ下部の紫は左半球(左)、緑は右半球(右)を示す。
【脳活動の言語差(日本語と英語)、大脳半球差(左半球と右半球)、 性差(男子と女子)の統計解析結果】棒グラフの左半分は日本語(母語)、右半分は英語(学習中の外国語)。青は男子、赤は女子、グラフ下部の紫は左半球(左)、緑は右半球(右)を示す

この傾向は、習熟度が向上に伴いさらに顕著になったそうです。

【習熟度と英語高頻度語復唱時の脳活動との関係】左のバーは低習熟度群(低)、右のバーは高習熟度群(高)。灰色のバーは母語高頻度語復唱時の脳活動の大きさ。
【習熟度と英語高頻度語復唱時の脳活動との関係】左のバーは低習熟度群(低)、右のバーは高習熟度群(高)。灰色のバーは母語高頻度語復唱時の脳活動の大きさ。

この結果から、脳活動の性差は、器質的な差ではなく学習に伴って現れたと考えられるそうです。

なお、性差は使用頻度や親密度の高い語彙を復唱するときにのみ見られ、語彙知識がない単語の復唱時には現れなかったそうです。

まだまだ解明されていないことも多い脳の働きですが、今後は英語学習全般においてさらなる研究・調査が期待されますね。


【英語学習における英語習熟度と脳活動の関係の調査】

  • 研究機関:「首都大学東京大学院」人文科学研究科‘/言語の脳遺伝学研究センター萩原裕子教授、杉浦理砂特任准教授らの研究グループ
  • 論文題名:“Effects of Sex and Proficiency in Second Language Processing as Revealed by a Large-Scale fNIRS Study of School-Aged Children”(第二言語の習熟度と処理時の脳活動との間に見られる性別の影響:小学生を対象にした大規模研究)
  • 発表日:2015年7月3日

最新情報をFacebookにて
いちはやくお届け!


Globaledu on Weekends

Globaleduで紹介した記事を、その週末の土曜朝にメールマガジンにまとめてお届けします。家族が集まる週末は、未来の学びについて考えるチャンス。プランニングのヒントとして活用してくださいね!

Thank you for subscribing.

Something went wrong.

Tags
Close
X