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小学生の算数なら解けるはず…?
突然ですが、下記の問題の答え、わかりますか?
小学5年生、6年生を対象とした算数の問題です。お子さんが近くにいたら、ぜひいっしょに考えてみてください。
「Global Math Challenge」からの出題です。
チャン先生:まずコウヘイ君、アナタのカードの数字は、シンジ君より大きいですか?小さいですか? シンジ君の持っているカードの数字はいくつですか。
コウヘイ君:わかりません。
チャン先生:それではシンジ君。アナタのカードの数字は、コウヘイ君より大きいですか?小さいですか?
シンジ君:わかりません。
コウヘイ君の答えから「1と5ではない」と考えることができるので、コウヘイ君の持っているカードは「2か3か4」。
シンジ君も「わかりません」と答えているから…、えーっと、これってどう考えればいいの?
算数が得意な子はあっさり解答し、大人は普段使っていない思考回路を駆使して、いい頭の運動になるかもしれません。
正解と解答法はこの記事の最後にありますが、まずは自分の頭で考えてみてくださいね!
思考回路をくわしく見てみよう!
上記の問題では、算数で必要とされる5つの思考回路のうち、「リバース回路」と「ノック回路」が試されるのだそう。
- ステップ回路…「これだからこうなる」確かな理由から着実に答えを導き出す堅実な思考回路。「なんとなく」といった感覚は使わず、不確かな道は進まない
- リバース回路…「こうなるためには…」与えられた、もしくは想定した結果になるように考えていく芋づる式思考回路。結果ありきで考えることで進むべき道が明らかになる
- クリエイト回路…「これをこうすると…」形や見方を変えて自らヒントを生み出す発想転換型の思考回路。確かな理由を探る前に、「きっとヒントが隠されている!」といった感覚的な気づきも時に必要となる
- ノック回路…「この場合は…あの場合は…」考えられる可能性を当てはめて、それが正しいかどうかを確認して進めていく思考回路。「とりあえずこの方法で…」と進みはじめるのではなく、ひとつひとつ検証しながら進めていく
- スキャン回路…「つまりこれは…」情報をしっかり整理して必要な情報と不要な情報を見つける思考回路。飾り物にだまされず、問題の本質をしっかり見抜く
なるほど、確かに算数の問題を解くために、いくつかの思考回路を同時に使っているんですよね。
これらの思考回路を繰り返し鍛えると、応用力が身につき、より複雑で難しい問題も解けるようになるのだそう。
お子さんの算数力をアップさせるためにも、今後は「思考回路の強化」に着目して学習環境を整えてあげたいですね。
世界標準の算数力を測る
この5つの思考回路に基づき、世界標準の算数力を測ることができるのが、「Global Math Challenge」というグローバルな算数大会です。
「ソニーグローバルエデュケーション」が主催している日本発のオンライン算数大会で、第1回大会は2014年11月に開催(海外では2015年3月)。
シンガポールやアメリカ、中国など世界80ヵ国から2万人以上が登録しました。

スペインで開催した「Global Math Challenge」イベント。思考回路をフル稼働させて、正解を考える小学生たち。
第2回大会は2015年9月27日(日)に開催される予定で、小学生以上なら誰でも参加できます。
ちなみに、中国ではすでに50万人以上の小学生が事前登録し、参加予定とのこと。ここはぜひ、中国の小学生と算数力を競い合いたいですね!

今年3月に中国で開催された、第1回イベントに参加した小学生たち。なるほど、この問題はこうやって解くんだね!
コースは、G1(小学1年生)〜G8(中学2年生)までの学年別コースのほか、年齢制限のない「OPEN」(中学3年生以上・大人向け)コースもあり。親子で参加してみるのもいいですね。
試験時間は30分〜60分で、問題数は5問〜12問(試験時間と問題数はコースにより異なる)。
試験日は9月27日(日)ですが、ご家庭にあるインターネットに接続されたパソコンやタブレットなどから、7時から23時までの間、いつでも都合のいい時間帯に受験することが可能です。
出題言語は、日本語のほか英語と中国語も選べるので、英語で勉強しているお子さんは英語でチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
試験から約1週間後に、オンライン上のマイページからスコアと総合順位(世界での順位)を確認することができます。
なお、受験には無料プランと有料プランがあります。
試験自体は無料で受けることができます。無料プランだと、残念ながら「5つの思考回路」に基づく算数力の個人分析結果や解答法などの解説をもらうことができません。
有料プランは、1アカウント(4名まで参加可能)1200円(9月13日までにエントリーした場合)。
せっかく時間をかけて受験するのだから、正確な算数力を把握して鍛えるべき思考回路を確認し、間違えた問題は解説を読んで正しく理解しておきたい。そんなファミリーは、有料プランを検討してみるといいですね。
さきほどの問題も「Global Math Challenge」のサンプル問題からの出題ですが、有料プランでは下記のような詳細な分析がもらえるほか、事前のトレーニング問題でも練習できます。

わかりやすくていねいな解説。長過ぎて掲載できないので、一部のみ掲載しています。解説はユーザーごとのマイページからPDFでダウンロード可能。
New Yorkで学ぶチャンスあり!?
「Global Math Challenge」は、「The New York Academy of Sciences」が2015年9月から開設する、「ジュニア・アカデミー」の選考試験のひとつとして採用されているそうです。

ニューヨークアカデミーは、1817年に設立された全米で3番目に歴史のある国際的な科学機関で、会員にはトーマス・エジソン、チャールズ・ダーウィン、アルバート・アインシュタインなども名を連ねています。
ジュニア・アカデミーは、科学、技術、工学、数学(STEM)の分野で才能ある世界中の13才〜19才を対象とした教育プログラムで、メンターからアドバイスをもらいながら学ぶことができます。
おもにオンラインで課題に取り組みますが、毎年ニューヨークで開催されるサミットに無料招待されるチャンスもあるそう。
ソニー・グローバルエデュケーション本社を取材したところ、「Global Math Challengeでずば抜けた成績を修めたお子さんは、今後ジュニア・アカデミーに推薦していく」とのこと。
自分で応募することもできますが(2015年は8月31日が応募締切、250名を募集)、The New York Academy of Sciencesのジュニア・メンバーに選ばれるとなると、世界が一気に近くなりますね。
「Global Math Challenge」公式サイト
「Global Math Challenge」フェイスブック
答えと解説
コウヘイ君の返答から予想できることは、「2、3、4」のいずれかのカードを持っているということ(1だったら「大きい」、5だったら「小さい」という返答になる)。(コウヘイ君が1と5を持っていないとわかったうえで)シンジ君の返答から予想できることは、シンジ君が「2」を持っていた場合は「小さい」、「4」を持っていた場合は「大きい」と返答することになるため、シンジ君が持っているのは「3」となる。
答えは「3」
【「Global Math Challenge」第2回大会】
- 主催:ソニー・グローバルエデュケーション
- 特別協賛:算数オリンピック委員会・The New York Academy of Sciences・北京資優教育科技センター・北京アルゴ国際文化発展有限公司
- 日程:2015年9月27日(日)7時〜23時
- コース:G1(小学1年生)、G2(小学2年生)、G3(小学3年生)、G4(小学4年生)、G5(小学5年生)、G6(小学6年生)、G7(中学1年生)、G8(中学2年生対象)、OPEN(中学3年生以上)
- 出題言語:日本語、英語、中国語
- プラン:無料プラン、有料プラン(1アカウント4名まで)1200円(9月13日までにエントリーした場合)
- 対応ブラウザ:Google Chrome, Firefox, Internet Explorer10以上, Safari7以上
- 結果通知:10月初旬
○提供:ソニー・グローバルエデュケーション