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豪州の大学進学のしくみ
オーストラリアへ高校留学後、そのまま現地の大学へ進学したいと考えています。
ちょっと調べてみたのですが、オーストラリアで大学に進学する場合、日本とはかなりプロセスや試験方法が異なるようです。
大学に入るまで、どのような流れになるのでしょうか?
合理的な進学システム
国によって、高校から大学へ進学するプロセスが異なるため、留学生にはとてもわかりにくいですね。
今回は、オーストラリアの高校からそのまま大学に進学する場合について説明します。
入学試験のスケジュール
まず、オーストラリアでは、高校の卒業式が10月から11月ごろにあります。
卒業式終了後、11月初旬ごろから各州の統一試験や国際バカロレア(IB)試験が開始され、試験期間はおよそ3週間ほどとなります。
オーストラリアでは、日本のように大学ごとの試験は実施されず、この統一試験かIB試験の結果で進学先が決定するしくみになっています。
受験者は、卒業した高校で試験を受け、試験終了後は大学からのオファーを待つだけなので、他州の大学を希望していたとしても、受験のためにそこへ行く必要はありません。
この試験だけでなく、大学によっては、試験で語学を選択していたり、家庭の経済状況により、ポイントを加算する場合もあります。
志望校の登録
志望大学は、卒業式よりもまえの8月ごろに、各州の入学試験を管理している機関に志望校の登録をおこないます。
登録はオンラインで行え、受験者の情報と志望校を志望順に5校から6校程度入力して終了。書類の提出などはとくにありません。
居住している州以外の大学も受験可能なので、複数の州に申し込みをおこえば相当数の大学にアプライが可能になりますね。
受験にかかる費用ですが、登録料として20~30ドル程度が発生しますが、各大学への受験料などはありません。
大学の決定
各州の統一試験試験の結果は、12月の中旬ごろに発表され、その結果に応じて志望大学からオファーが来ます。
IB受験者は、結果が出るのが1月初旬となるため、オファーは少し遅めになります。
このオファーは、自分の試験結果が志望大学の上位から審査され、受け入れが可能と判断した大学からくるもの。
たとえば、第1志望にA大学の経済学部、第2志望にB大学の経済学部を登録していた場合。
試験結果がよく、第1志望の大学で受け入れが可能であれば、A大学からオファーがきます。A大学で受け入れ不可だった場合は、B大学で検討されます。
ちなみに、各州の統一試験の結果やIBの試験結果を比較する方法として「ATAR」(Australian Tertiary Admission Rank)という指標が設けられています。
各試験を統一された基準によって換算し、その結果によって審査されるシステムとなっています(クイーンズランド州を除く)。
成績がとてもよく、奨学金対象者になった場合は、これらのオファーの前に奨学金つきのオファーがくることもあります。
授業料の免除や大学での仕事のあっ旋、遠隔地の学生だと実家と大学間の年1回の交通費支給などさまざまな特典が付く場合もあります。
オーストラリアの大学進学システムは一見複雑ですが、オンラインで志望校の登録ができ、試験は1回で終了、費用がほとんどかからない、志望校を多く選択できることなどを考えると、とても効率のいい試験システムだといえます。
注)記載されている時期は、州や年度によって異なりますので、留学前に最新の情報でご確認ください。
10年前に渡豪後、現地にて日本人のための教育機関にて教育管理や学習指導に携わりながら、日本人親子の教育や精神面のサポートを行う。2013年に「国際教育支援研究所」を設立し、国際教育で生じる不安や悩みについて、保護者や子供たち、教師を対象としたサポートと親子の理想の教育を実現するためのプラン作成「教育デザイン」の指導を行っている。「崎田和紗子」の名は、6年前の誕生日に支援を受けたお礼にと子供たちからその名前の一字ずつを合わせて贈られたもの。「子供たちの未来のための仕事」という初心を忘れないために、仕事の大切なパートナーとして使用している。