【グローバル教育相談室16 】芽が出ずに終ってしまったら…? テニス留学のその後について

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テニス留学のその後

8歳の息子がいますが、将来テニスプレーヤーになりたいと地元のテニススクールに通っています。

現在の日本の教育状況から、私は海外に留学をさせて多くのことを学ばせたいと考えています。

子供もまだ小さいので、本当にテニスが向いているかどうかわかりませんが、漠然と留学をさせるよりも、テニス留学など何か目的をもって高校くらいから留学をさせたいと思っています。

もちろん、そう簡単にその道のプロになるとは思っていませんが、好きなことをしながら、英語力をつけ国際経験を積むことは、子供にとって有意義だと思います。

それでも心配なのは、そのような留学をして芽が出ずに終わった場合のその後の進路です。

親としては子供と一緒に考えていきたいと思いますが、このようなケースの場合、留学後みなさんどのようにしているのでしょうか。

もし、これまでそのようなケースがありましたら、参考のために教えていただきたいのですが…

留学ではさまざまな収獲があります

最近は、語学の習得だけではなく、さまざまな形の留学がありますね。

ここオーストラリアでも、テニス留学(とても人気です)やバレエ留学(オーストラリアにも優秀な先生が多いそうです)、IB留学(国際バカロレアの授業を受けるための留学)など、それぞれの目的をもって留学している子供たちもとても増えてきました。

このような留学のいいところは、自分の目標がはっきりしているので挫折しにくい、ということです。

留学生活では、言葉の問題やホームステイ先での問題など、中高生くらいの子供たちにはくじけてしまいそうなことがたくさんあります。

しかし、自分の好きなことを極めるために留学していると、それに力を注いでいるうちにほかの問題をクリアしていた、ということもよくあります。

また、好きなことを通して、仲間をすぐに作ることができるので、精神面でも安定しやすいと考えられます。

そして、おっしゃる通り「好きなこと+英語力+国際経験」は、子供の希望や好奇心を満たしながら、現在の社会で必要な力を身につけることができるので、子供の将来にとって価値のある経験となります。

さて、本題ですが、もし当初の留学目的の芽が出なかった場合、つまり、テニス留学なら高校卒業もその道を継続できるような状況ではなかった場合は、その後どのような進路をとるかということです。

参考としてお伝えできるものとして、テニス留学のケース(オーストラリア)があります。

このケースでは、高校で当初の目的どおりテニスを中心に学習を進め、トーナメントにも参加していたようですが、やはり厳しい世界ですのでプロの道を断念したというものです。

その後の進路は、彼の場合は、高校在学中に「スポーツ科学」という分野に興味をもったようです。

スポーツの盛んな国では、大学でもスポーツに関わる学問が多く取り入れられています。

彼は日本に戻ってスポーツ選手のサポートの仕事をしたいという目標をもって、「スポーツ科学」を学ぶために現地の大学に進学しました。

また、バレエ留学をしていた子供のケースでは、高校卒業後に帰国し、日本の大学に進学したケースがあります。

彼女の場合は、挫折というよりも、自分の興味とするものを十分やりきったという感じでした。

そして、現地の高校在学中にボランティアで参加したチャイルドケアの仕事に興味をもち、現在は地元のバレエ教室でアシスタントのアルバイトをしながら、幼児教育関係の勉強をしています。

絶対にその道で成功したいという気持ちならば、テニスであればテストを受けてアカデミーに、バレエであればオーディションを受けてバレエ団付属のバレエスクールに入学したほうが可能性は高まるはずです。

しかし、好きなことに打ち込みながらも将来について柔軟性をもたせたいという考えでの留学であれば、そこまでするとかえって視野が狭まってしまうかもしれません。

ですから、子供たちには留学目標に向かって頑張ることができるようサポートするのと同時に、その目標だけではなく、日々の出来事にも心の目を向けられるよう助言をしてあげたいものです。

留学中に新たな目標が生まれることは、歓迎すべきことなのです。

海外での新しい経験や高校での学習のなかで、ほとんどの子供たちが新たな興味や関心をもち、それを学ぶために大学に進学しています。

そして、たとえ道が変わっても、海外の大学の入学審査や日本国内での帰国生受入れの場合は、学業成績とともに課外活動での実績もとても大きく評価されますので、その点でも学習以外の目標をもった留学には大きなメリットがあるといえます。

当初の目標を達成し、その道に進むことは大変すばらしいですが、留学中の経験から自発的に得た新たな目標と海外で培った英語力、そして貴重な国際経験によって、新しい道でも強く前進していく力を養うことができます。

さらに、大学卒業後もそれらの強みを生かして、日本以外の国での学業、職業の選択肢も大きく広がっていきます。

途中で道が変わっても、それは決して失敗ではなく状況による変更です。

このような目的をもった留学の場合に大切なことは、将来に向けて最善と思える第一歩を勇気をもって踏み出し、そのあとは前向きに柔軟に対応していくことのようです。

回答者/崎田和紗子

10年前に渡豪後、現地にて日本人のための教育機関にて教育管理や学習指導に携わりながら、日本人親子の教育や精神面のサポートを行う。2013年に「国際教育支援研究所」を設立し、国際教育で生じる不安や悩みについて、保護者や子供たち、教師を対象としたサポートと親子の理想の教育を実現するためのプラン作成「教育デザイン」の指導を行っている。「崎田和紗子」の名は、6年前の誕生日に支援を受けたお礼にと子供たちからその名前の一字ずつを合わせて贈られたもの。「子供たちの未来のための仕事」という初心を忘れないために、仕事の大切なパートナーとして使用している。

 

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