【グローバル教育相談室03】英語環境での日本語の「読み書き」学習の進め方は?<読み方編>

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日本語の「読み方」の学習について

わが家は夫の仕事の都合でシンガポールで暮らしています。

5才の娘は日本の子供たちのための幼稚園(日本語を使用)に在籍しているのですが、小学校はインターに通わせたいと思っています。

少なくともあと3年はこちらで過ごすことになりそうですが、心配なのは日本語の「読み書き」です。

すでに日本語の読み書きについては不安があるのですが、日本に戻った際は日本語の環境で勉強することになると思うので、どのように学習させればいいのか悩んでいます。

「読みたい」気持ちを盛り上げて

回答が長くなりますので、今回は「読み方」について、次回は「書き方」について、2回にわけて回答していきますね。

国内外を問わず、インターナショナルスクールでの日本語教育については、みなさん共通の悩みですね。

英語と日本語の同時進行ですと、どうしてもそれぞれの言語の伸びのスピードが一言語で学んでいる子供よりも遅れ気味になりますし、読み書きについてはさらに遅れてしまう可能性があります。

私も海外で子供たちの日本の教育を行う際、この点が一番の課題でした。

では、どのようにして読み書きの力をつけていけばいいのでしょうか。

今回は、「読み方」について考えていきたいと思います。

1.「字→単語→文節→文→文章」の練習

ひらがなを覚えはじめると、読みの練習をスタートする場合が多いのですが、子供たちはまだ文字の羅列に慣れていませんので、順を追って学習を進めることが大切です。

最初は文字を追いながら、次に単語をひとくくりで読めるように、次に文節までを読めるようにと順を追って、読む分量を増やしていくようにすると子供の負担が少ないうえ、文字や語彙の認識に効果的です。

2.読みの練習=音読

本読みは、黙読ではなく音読をオススメします。

音読は、目で文字を認識し、口で読みを確認し、耳で音を確認するという3つの作業をひとりで同時に行える効率のいい学習法です。

音読を毎日行っている子供とそうでない子供では、数年後の日本語力に雲泥の差が出てきます。

3.適切な本の選択

読みの学習をスタートすると、親が気になるのは、おそらく読みのスピードが遅いことではないでしょうか。

読みが遅い理由として、語彙が足りないということが考えられます。

私たちが英語の単語を知らないのにムリに英語の本を読もうとすると、スピードも遅くなりますよね。

しかし、知っている単語なら読むというよりは文字をパッと見て声に出すことができます。

子供たちの日本語学習も同様です。読む本のレベルは、子供が習得している語彙のレベルで選ぶようにしてください。

適切なレベルの本で音読を行っていると、ムリなく日本語の定着を行うことができます。

4.漢字は繰り返し

漢字の学習をはじめると、子供たちは最初は喜んで覚えるのですが、画数が増えるごとにそのモチベーションは下がり、覚えることを嫌がるようになります。

また、せっかく覚えても、普段は英語で学習をし、友達との会話も英語ですので、漢字を使う機会も少なく定着しないということになります。

負担は大きくなりますが、漢字は一度覚えたあとでも、繰り返し学習し、定着させる必要があります。

たとえば、毎日1個ずつ漢字を覚えたなら、日曜は復習日として月曜から土曜までの6つの漢字の復習をするなど、家庭での工夫が必要です。

5.漢字のルビは厳禁

漢字が難しくなり、子供が覚えるのを嫌がるようになると、親が教えることをギブアップしてしまうことがあります。

それでも、なんとか本を読ませようと本の漢字にルビをふる方も増えてきます。

これは、絶対にするべきではないでしょう。ルビをふると、子供はルビの部分だけを読み、漢字を読むことをしません。

結果、その漢字の読みを覚えることもできませんし、漢字を見もしないのですから、その意味も理解しません。

つまりは、その文を理解することもできなくなります。これでは読みの練習をした意味がまったくなくなってしまいますね。

6.読みたがらない子には、本の内容を予告する

読みは、ただ字を追っていくだけでは意味がありませんし、楽しくありません。

本読みを嫌いな子供は、文字や言葉を追うので精いっぱいで、内容を楽しめないでいる場合が多いのです。

このような場合は、本読みの前にその内容を予告してあげるといいでしょう。

内容が何となくわかっていたり、おもしろそうだと思えば、自然と読みたい気持ちになります。

また、予告で聞いた言葉と同じ言葉が文章に出てくると、聴覚と視覚で得た情報が一致するので、定着しやすくなります。

「読む」という作業は、「読みたくない」意識を持っているととても大きな負担となります。

そう考えると、どのような学習でも同じですが、「読み」の練習でもっとも効果的なのは、「読みたい」と思わせる親の上手な動機づけなのかもしれませんね。

回答者/崎田和紗子

10年前に渡豪後、現地にて日本人のための教育機関にて教育管理や学習指導に携わりながら、日本人親子の教育や精神面のサポートを行う。2013年に「国際教育支援研究所」を設立し、国際教育で生じる不安や悩みについて、保護者や子供たち、教師を対象としたサポートと親子の理想の教育を実現するためのプラン作成「教育デザイン」の指導を行っている。「崎田和紗子」の名は、6年前の誕生日に支援を受けたお礼にと子供たちからその名前の一字ずつを合わせて贈られたもの。「子供たちの未来のための仕事」という初心を忘れないために、仕事の大切なパートナーとして使用している。

 

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