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日本の大学で求められる「日本語力」は?
英語圏の現地校に在籍している、(日本では)高校1年生です。
すでに日本を6年間離れているため、日本語の読み書きがやはり得意ではありません。
大学は日本の大学を選びたいと思っていますが、帰国生枠で試験を受ける場合、日本語力はどの程度必要とされるのでしょうか。
ちなみに、話すことには問題ありません。
授業は日本語で行われるので…
日本語の勉強は家で頑張ってきたと思いますが、読み書きについては、せっかく覚えても使う機会がないので、維持するのにみなさんとても苦労しているようです。
帰国生枠で大学を希望する場合の日本語力ですが、数字として基準を表している大学はほとんどありません。
強いていうなら、「授業は日本語で行われるので、それらが十分に理解できること」としている大学が一部あるくらいでしょうか。
しかし、当然のことながら一般の学生と同じ授業を受けるのなら、授業を理解し、ノートをとり、試験に解答し、レポートを作成できるだけの日本語力は必要になってきます。
また、帰国生枠の試験では、ほとんどの大学で日本語による小論文を課しています。
小論文を課す理由は、「日本語力の確認」というものもあれば、「専門分野への知識や関心の高さの確認」、「面接の資料とするため」など、大学によりさまざまです。
数としては少ないですが、小論文以外に国語の試験を行う大学もあります。
おもに文系の学部ですが、早稲田などは漢文・古典を除く現代文の試験をほとんどの文系学部に課しています。
また、理数系の学部では、数学の試験を課しているところが多くあり、こちらは日本語力を測る目的ではないのですが、日本語での試験となるので、文章問題を読み解く力がないと問題が解けないことも起こり得ます。
希望する大学や学部により、要求される日本語力はかなり異なります。
現在高校1年生ですので、できるだけ早く日本語の読み書きの学習を始めることをおすすめします。
具体的な対策として、日本の予備校などで行っている帰国生用の通信教育で小論文の学習を行ってはどうでしょうか。
このような通信教育では、各大学の小論文の過去問を用意しているので、志望大学のレベルを知るにはもっとも効率のいい方法だと思います。
また、一時帰国の際は、講習会に参加して必要な科目の授業を受けてみると、受験までに習得しなければならない日本語のレベルがクリアになるはずです。
現地校の勉強と日本語の勉強を両立させるのは、大きな負担ですね。
しかし、同じような負担を負いながらも頑張っている日本人の高校生は世界中にたくさんいますし、やりきった後に得られる力はその負担の大きさに値するものとなるはずです。
最後まであきらめずに、がんばってくださいね。
10年前に渡豪後、現地にて日本人のための教育機関にて教育管理や学習指導に携わりながら、日本人親子の教育や精神面のサポートを行う。2013年に「国際教育支援研究所」を設立し、国際教育で生じる不安や悩みについて、保護者や子供たち、教師を対象としたサポートと親子の理想の教育を実現するためのプラン作成「教育デザイン」の指導を行っている。「崎田和紗子」の名は、6年前の誕生日に支援を受けたお礼にと子供たちからその名前の一字ずつを合わせて贈られたもの。「子供たちの未来のための仕事」という初心を忘れないために、仕事の大切なパートナーとして使用している。