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主体性と意欲の高さは必須
では、IBを学習するのはどのような子供たちなのでしょうか。
私がこれまで見てきたIB選択者で、膨大な課題と向き合いながらも前向きに学習を進めていった子供たちの特徴をまとめてみました。
1)学習意欲が高い
「勉強が大好き」ということではなく、知識を身につけることに積極的な子供がとても多いようです。
2)チャレンジ精神が豊富
たとえ難しそうな新しい課題でも、物おじせずにやりはじめることができる子供は、IBにおいても少ないストレスで学習を進めることができるようです。
3)自己肯定感が強い
自分の能力を信じ、自信をもっている子供が多く、保護者も子供のいい所をきちんと認め、それを子供に伝えている場合が多いようです。
4)将来の進路が海外へと向いている
目標がないことは挫折へつながります。海外への進路がはっきりしている子供のほうが、明らかに前進するにあたっての勢いがあります。
5)主体性がある
「やらされている」、「やらなければならない」というようなネガティブな気持ちでIBの学習を行う子供は、早い段階でつまずいたり、十分な自己育成ができず、結果IBで苦労したわりに得るものが少なかったということになりがちです。
6)勉強以外の活動にも積極的に関わろうとする
膨大な学習をこなしている彼らですが、意外なことにいわゆる「ガリ勉」をしている子は少ないようです。
確かに、時間的には拘束されることが多いのですが、クラブ活動や課外のコンテストに出場したり、ボランティア活動に力を注ぐなど、勉強以外の活動を行っている子供が目立ちます。
自分の生活を楽しみながら、メリハリをつけて心のバランスを上手にとっているようです。
7)親といい距離感を保っている
先述のように、「IBの求める学習者像」は学習者がその活動を通して自らを育成していかなければ得られない人間像となっています。
ですから、「宿題は済んだの?」「ゲームはやめて早く勉強しなさい!」などと親が口をはさむような状況や、宿題や課題にアドバイスを超えた批評や手直しなどを行うような状況では、この「学習者像」を育むことはできません。
親は子供の考えや行動を尊重し、一定の距離を保つ。そのような親子関係がある家庭の子供たちが、より早くIBの課題をこなすための能力を身につけ、この学習者像を確立できるようです。
これらの資質は、IBを学習しながら身につける場合もありますし、家庭での教育で培われるものもありますが、子供たちが前向きに学習を進めるうえでとても重要な要素であることは間違いないでしょう。
IBを検討している家庭は、日々の生活において上記のようなポイントを意識しながら子供と接していくといいのではないでしょうか。
次回は、海外在住の日本人の子供たちが「国際バカロレア」を選択できる状況にありながらも「選択しない」理由について考えていきます。
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