せかいのSENPAI図鑑 #01|高知・嶺北高校からオランダへ:初の“海外進学SENPAI”が語る、自分で道を選ぶということ

四国の山間部にある「高知県立嶺北高等学校」。全校生徒わずか100名のこの高校から、2023年、はじめての“海外大学進学者”が誕生しました。進学先は、オランダの名門「ライデン大学 Leiden University」。
地方校から世界へ一歩踏み出した佐藤皓太郎さんに、その道のりと想いを伺いました。

道の真ん中を歩くのではなく、自分で道をつくる——そんな佐藤さんの姿が、これからの進路選択のヒントになるはずです



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海外進学を考えたきっかけ|「違う道」を選ぶことが成長の原動力に
佐藤さんは神奈川県で生まれ、小学校時代は北海道、中学はタイと福岡、高校は高知県と、いわゆる転勤族として全国を転々としてきました。そのなかで高校進学については、自分で「嶺北高校へ行く」と決意したと言います。



自分の価値観を、まったく違う環境で広げたい
そう思って、進学先に嶺北高校を選びました。
「嶺北高校は正直、偏差値という点では高くありません。でも、今までの価値観や環境とまったく違う場所で自分を成長させられるんじゃないか、と思って選びました」
四国・嶺北高校での学びと探究|マイノリティを強みに変える
四国山地の中心に位置する嶺北高校は、かつて廃校の危機にも直面した学校。しかし、吉野川や早明浦ダムなど豊かな自然環境を生かした探究活動やカヌー部など、独自の取り組みに惹かれて全国から学生が集まりつつあります。


「転校が多かった自分にとって、常に“地元出身じゃない”という感覚がありました。だから、いつもマイノリティ。



でも、そこに慣れることで“1人でいること”や“他人と違うこと”を恐れなくなったんです
高校生活では、生徒会長や寮長も務めました」
探究活動では、防災をテーマに地域のホームセンターと協働してイベントを開催するなど、注目される取り組みも行いました。


探究活動の発表中
成績は5段階評価で4.9を獲得。努力が結果に反映されやすい環境で自信をつけていったといいます。
進学先としての海外を意識した瞬間|母の一言と、自分の直感
「進学についても、“みんなと違う選択肢の方が面白いかも”と思うようになっていました。中学時代に1年だけタイにいたことや、カヌー部のコーチがハンガリー人だったこともあり、海外が特別な存在ではなかったんです」
そんなとき、母親から「はじめから海外大学を目指してみたら?」と提案され、はっとしたそうです。
情報収集と決断までのプロセス|“タイミング”と“出会い”が背中を押す
高校2年生から、インターネットを使って情報収集を始めた佐藤さん。エージェントの無料相談にも参加し、学校や家族の協力を得ながら徐々に具体的な選択肢を探っていきます。
とくに関心を持ったのが、オランダの大学でした。
「いとこが自転車選手としてオランダにいたことがあり、なんとなく親しみがありました。さらに、環境問題への取り組みに力を入れている国だと知って“ここで学びたい”と思ったんです」


タイミング良く、四国地方の高校生を支援するNPOが嶺北高校と関わり始め、実際に海外進学した先輩の話を聞く機会も増えていきました。


他にも、オランダは学費が安く、非英語圏ながら英語力が高い国であること、ヨーロッパ各国へのアクセスがよいことなどが、進学への後押しになったといいます。
進学準備と英語スコア対策|環境が自分を変えてくれた
嶺北高校を卒業後、東京の海外大学進学専門インターナショナルスクールに1年間通うことを決意。そこで出会った仲間たちに刺激を受け、本格的にIELTSの対策に取り組みます。


「正直、高校時代はそこまで勉強しなくても成績が取れていました。でも、スクールの仲間たちはすごく努力していて、負けていられないと思いました」
さらに、前述のNPOが運営する支援コミュニティに参加し、香川県出身のアメリカ大学在学生がメンターに。毎月面談しながら目標を確認し、自分を律する習慣を身につけていったそうです。
ライデン大学を第一志望に据えつつ、他のオランダの大学も併願。まずは条件付き合格を得て、その後NPOの紹介で出会った方のサポートも受けながら、目標だったIELTS6.0をクリア。進学が決定しました。



年間の学費は約200万円で、家族の支援を受けているそうです


進学準備と英語スコア対策|環境が自分を変えてくれた
「合格した時は本当に嬉しかったけど、“自分は本当に行くんだ”という緊張感もあります。正直、1人になると不安になることもあります」



でも、どうにかなるんじゃないかと。とにかく、興味のあることを学べるのが楽しみです!
後輩たちへのメッセージ|一歩を踏み出せば、景色は変わる
「まずは、自分が頑張る姿を見せることが一番だと思っています。嶺北高校からでも、こんな進路があるんだって知ってもらえたら嬉しいです」
将来的には、メンターや出張授業のスピーカーとして、後輩たちをサポートできたらと語る佐藤さん。



海外に行くのは、大変なのは最初の一歩だけ。だから、怖がらずに一歩踏み出してほしいです
編集部より
「自分が納得できる選択をしたい」という静かな熱意が、佐藤さんの言葉の端々から伝わってきました。
進学実績も、偏差値も関係ない。道の真ん中を歩くのではなく、自分で道をつくる——そんな姿が、これからの進路選択のヒントになるはずです。
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だから、怖がらずに一歩踏み出してほしい