グローバル世界はサッカーで学べる
【グローバル世界はサッカーで学べる02】立ち上がりの5分、最後の5分
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[Matchday 2]立ち上がりの5分、最後の5分
ディエゴ・サトウ
1968年生まれ。外資系企業勤務。3児の父。サッカーの原体験は、ペレの引退興行でニューヨークコスモスが来日した時(1977年)の試合をテレビ観戦したこと。ひいきのクラブはFCバルセロナ。アイドルはマラドーナ、プラティニ時代のフランス代表、ファルカン(フットサル)。「永遠のエンジョイフットボールプレーヤー」。
ベテランたちは知っている-「最後の5分」の真実
いよいよブラジルW杯が開幕し、「仕事が手につかない!」とお嘆きの皆様、いかがお過ごしでしょうか?
サッカーはまさにグローバルなスポーツでありまして、この1週間の間にもさまざまな大事件(リベリW杯出場断念! C大阪がポポビッチ監督を解任、ACミランがセードルフ監督を解任し後任はフィリポ・インザーギ、など)が起こり、「タイムリーなコラムにするのは無理だ!」と早くも音を上げている筆者です。
今回は前回に引き続き、しつこく欧州チャンピオンズリーグ決勝のお話です。
アトレチコ・マドリードが1-0でレアル・マドリードをリードして迎えた後半ロスタイムにコーナーキックをセルヒオ・ラモスがヘディングシュートをファーサイドのサイドネットにぶち込んで試合を振り出しに戻し、延長で3点を追加してレアルが突き放し、幕を閉じました。
わたくしはこのときの、セルヒオ・ラモスのシュートの決め方に注目したいと思います。
まるで、このような場面が訪れることを知っていたかのように、ファーサイド(コーナーキックが蹴られたのと反対側)のゴールポストのすぐ内側に、狙い澄ましたヘディングシュートをたたきこんだわけです。
このプロフェッショナリズムには、唸らされました。
セルヒオ・ラモスはおそらく、終盤のコーナーキックを得た時点で、試合の流れから見てかなりの確率で得点できることを「知っていた」のでしょう。
似たようなケースがやはり最近ありました。
なでしこジャパンが見事優勝を飾ったアジアカップ準決勝戦の中国戦、延長後半のロスタイムに、宮間のコーナーキックを岩清水選手がやはりヘディングで決勝点を決めた場面です。
試合後の宮間選手のコメントが印象的でした。
「チャンスなのはわかっていたので、落ち着いていました」
このふたつの場面に共通しているのは、プレーに関わったのが、世界のトップを争う戦いを数多く経験しているベテランだった、ということです。
サッカーをプレイするときによく指導者から「立ち上がりの5分と最後の5分はとくに集中しろ」といわれます。
それだけ失点が多い時間帯、ということですね。
しかしこれは本当なのか? ということで調べてみました。
下記は今シーズンのスペイン1部リーグの時間帯ごとの失点数を集計し、最後の10分間の失点の少ない順にランキングをつけたものです。

こうして見ると、「最初の5分」の失点は、じつは全時間帯の中でもっとも低いということがわかります。
みんな「最初の5分、最後の5分」とお題目をいわれてるので、さすがに集中している、ということでしょう。
かたや最後の5分のデータ(入手できるデータが10分刻みなので10分になってます)は、やはり昔から言われていることを証明しております。
その中でもやはり失点がたったの26というアトレチコの堅守ぶりは際立っております。とはいえ、こんなサッカーの分析をするのがこのコラムの目的ではないわけですが(苦笑)。
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