【グローバル世界はサッカーで学べる02】立ち上がりの5分、最後の5分

世界のどこでも「心のメカニズムは同じ」

このような事実、いや「サッカーにおける真実」から、グローバルな世界で生き抜くためのどのような教訓が引き出せるのでしょうか。

そのためにはまず、なぜ最後の5分で失点してしまうか、ということを考えなければなりません。

わたくしなども中学の部活の公式戦でコーチから「今日は試合の終盤で、負けてるのに時計を見てるヤツがいた。勝つ気がないのかっ!」と怒鳴られたことがあります。

昔は部活は軍隊式ですからね。

怒られるのもやむなしなんですが、とにかく、試合の最後は選手は疲れ果てております。

そして「負けたくないけど、でも、もうすぐこの苦しみから解放される!」という気持ちが、心のどこかに、というか「心と体の狭間」に芽生えてしまうわけですね。

監督やコーチは、なんとかこの「心の弱さ」を、ハーフタイムに檄を入れることでカバーしようとするのですが、結局、数字として残るのは「最後の5分には失点リスクが最大になる」という動かしようのない事実なわけです。

グローバル市場でおもに消費者向けの商材を扱う企業に雇われているわたくしの個人的な経験から言えば、「世界のどこでも、クリティカルな阻害要因がない限り、人の消費心理は変わらない」という厳然たる事実があります。

たとえばイギリスでヒットした商品は、日本でも売れます。

もちろん「そんなことないよ! その証拠にウチの○○はアメリカでは大ヒットなのに日本では……」という反論がいっぱい来そうな気もします。

でもそれは、なにかその国固有の阻害要因があったはずだと思われます。

逆に、ヒット商品の多くが、複数の国でヒットしているという事実に目を向ければよりわかりやすいかもしれません。

たとえばマクドナルドは、宣伝費をたくさんかけられるから全世界の市場で受け入れられたのではなく(もちろんそれも大きいでしょうが)、全世界の人々の消費心理に訴える要素(コストパフォーマンス、味、サービスの質など)を備えているから、ここまでの成功をおさめられたのだと考えるべきでしょう。

いわば、「ある状況に置かれたときの人間の心のメカニズムは同じ」ということです。

「多くの人間は、サッカーをすれば最後の5分で失点しやすくなる」

「多くの人間は、外出先で空腹になれば廉価のハンバーガーを食べたくなる」

これは、善悪を超えた、人間の心理の「真実」とも呼ぶべきものかもしれません。

あまり「美しい真実」ではありませんが……

このような「真実」を、わたくしは「心理の物理法則」と呼んでおります。水が高いところから低いところへ流れるような、普遍的な心理の存在を、少なくともサッカーの現実は証明しているように思います。

セルヒオ・ラモスや宮間選手らベテランのフットボーラーたちは、彼らが積みあげてきた超一流の経験によって、もっとも重要な最後の5分で確実に勝負をモノにするための不断の準備を、ゲーム時間いっぱいを使って行なっているのだ、と見ることもできます。

「子供がボールばかり蹴っていてちっとも勉強しない!」とお嘆きの親御さんたちに申し上げたいのは、子供たちはなにげなくボールを蹴りながら、この「心の物理法則」を日々学んでいるという点です。

これは冗談ではなく本気で主張したい点であり、そもそもこの連載コラムの主旨でもあります。

グローバルなビジネスや行政の現場では、この「心の物理法則」をつかみ、それをベースにビジネスモデルや政策を作ったり運用したりすることが成功のためにとても大切だということは、わたくしなどが言うよりも、いまこれをお読みになっている皆様のほうがよくご存知ですよね。


【今週のサッカー的教訓】

  • サッカーの「最後の5分」の意味を知り尽くしたベテランサッカー選手のように、人間の心理的習性をとらえ、勝機を逃さない!
  • 「最後の5分」で失点しないような体力をつける!

……これでバッチリでしょう!!

1

2

 

関連記事

  1. 【グローバル世界はサッカーで学べる03】「遊び」と「祈り」を忘れずに

  2. 【グローバル世界はサッカーで学べる01】"ジャイアント・キリング"を可能にする要件

グローバルエデュのプラン

7,575Fans
3,105Followers
125Followers
  1. 【多摩美術大学】小中高生講座「2022年度ひらめき☆ときめきサイエン…

  2. 【自由研究フェス!2022】「子供の科学」が主催する全6講座の科学体…

  3. 【ドバイ中高生キャンプ2022】平日3時間の英語授業+ドバイを体感す…

  4. 【フリー・ザ・チルドレン】リーダーシップを身につけよう「テイク…

  5. 【セブ・ジュニアキャンプ2022】生活面やメンタルもサポート…中1か…

  1. ワールド・アローズ・インターナショナルスクール World Arrows Int…

  2. グローバルリーダー養成プログラム「TOPPA!!」

  3. アントレ&リーダシップ教育「DECA JAPAN」

  4. 帝京大学可児高等学校「国際バカロレアコース」(2022年9月開講予定…

  5. 成長のチャンスに満ちた国際学生寮「U Share西早稲田」

june, 2022

05junallday【〆切】2022年度日中青年会議

08junallday【〆切】化学グランプリ2022

10junallday【〆切】全国高校生プレゼン甲子園2022

16junallday【締切】女子中高生夏の学校2022

19junallday【〆切】DECA JAPAN「起業力塾2022夏」

23junallday【締切】高校生聞き書き甲子園2022

X