中高生の主張

【中高生の主張01】「全日本剣道連盟」の居合道審査問題について(T.U.さん、香港に留学中)

T.U.(高3、香港のインターに留学中)

東京で生まれる。1才から6才まで、親の赴任先のドイツで田舎生活。4才のとき、ドイツで剣道をはじめる。帰国後は東京で暮らし、地元の警察署で剣道を続ける。その後、都内私立中高一貫男子校に進学したのち、剣道部に入部。高卒で警察官になるのが将来の夢だった。中3のときに参加した講演会をきっかけに留学に興味を持ち、現在香港に留学中。オランダの大学に進学してコンピューターサイエンスを学びたいと考えており、最終的には剣道をしながらドイツで生活することが夢。現在17才

武道は人格形成の道である、はずなのに…

剣道をはじめて10年近く経つが、幸運にもいい先生と出会うことができ、いろいろな経験や話を聞く機会があった。そこで、今回は「全日本剣道連盟」の居合道(いあいどう)審査における金銭授受問題について、剣道に携わる者として私の考えを主張したいと思う。

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「全日本剣道連盟」の居合道審査問題とは?

「全日本剣道連盟」(東京・千代田区)とは、日本で剣道を中心に居合道・杖道の武道三道を統轄している団体。「居合道」とは、古武道の抜刀術を現代武道化したもので、最上段位を八段としており、同連盟の有段者登録数は9万3166人(2017年3月末日現在)に上るが、18年度審査の八段合格率はわずか1〜2パーセント。居合道昇段審査における金銭授受問題は、2018年夏に発覚した、少なくとも過去数年間に渡り受審者が審査員に現金を渡して合格させてもらう不正が行われていた問題。

まず、2018年は「世界剣道選手権大会」という3年に一度の国際的な大会が、9月に韓国・仁川市で開催される。めったにない剣道を振興する機会であるにも関わらず、この事件のせいで全日本剣道連盟に対するイメージの低下につながってしまうのではないかという懸念をまずは伝えたい。

剣道には、「剣は心なり、心正しからざれば、剣また正しからず。剣を学ばんと欲すれば、先ず心より学ぶべし」という言葉がある。剣を学ぼうとするのならまず心から正さねばいけない、というのがこの言葉の意味である。

心が正しくないのにお金で八段が取れてしまうなら、八段の凄みや権威が失われてしまうし、そんな人たちに正しい武道ができるわけがない。無論、居合道でもそうであろう。

もちろん、技術の取得はできるが、本当の意味での成長は正しい心なしではありえない。

武道は人格形成の道であるとよく言われるが、それを教える側の人格や心が正しくなければ、それを享受する人にも悪影響があるに違いない。この事件は、ただの収賄事件ではなく、日本の武道の未来に関する危機的な問題であるという危機感を持ってもらいたい。

いま武道をやっている人たちは、「武道はスポーツではない」ということを念頭においてやってほしい。昇段や勝利ももちろん重要ではあるが、それが目的でやっているのならば意味がない。本来の武道の意義である、人格形成や心身錬成を忘れないでほしい。それを忘れなければ、二度とこのような事件は起こらないだろう。

私は、あくまでも剣道を10年くらいしかしていない若者であるし、そもそも剣道の視点から話しているので、どのくらい居合道に当てはまっているのかはわからない。しかし、ひとりの剣道家として、この一件は大きな衝撃を受けた事件だったので、主張したいと考えた。

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