「次期トビタテ」の支援内容に注目
「文部科学省」は、2013年度から2020年度(コロナ禍で2022年度まで延期)まで実施した「トビタテ!留学JAPAN」を、「次期トビタテ」として2023年度以降も実施していくことを、2022年8月に公表しました。

「トビタテ!留学JAPAN」は、グローバル人材不足という日本の重大な課題を踏まえ、文科省が留学機運の醸成を目指して包括的キャンペーン。官民協働オールジャパンで若者の挑戦を後押しし、民間寄付を100パーセント原資とする「日本代表プログラム」で、累計3万名の高校・大学生の応募から9471名を採択し、各々の希望に合った留学プログラムを支援してきた
日本からの留学生数は順調に上昇基調にありましたが、コロナ禍の影響をまともに受けた2020年度は一連の活動が休止に。2027年度までにコロナ前の水準まで留学数を戻すこと目指し、次期トビタテの骨組みが定められました。
2023年度以降のトビタテでは、新ビジョンに「日本の若者が世界に挑み、“本音と本気”で国内外の人々と協働し、創造と変革を起こす社会」を提示。そして、コンセプトには「Challenge, Connect, Co-creation」を掲げたうえで、より体系的な留学促進とグローバル人材の育成を、柱の3事業を通じて目指していきます。
次期トビタテの柱となる3つの事業とは?
①新・日本代表プログラムで5000名の留学を支援
前期間中に留学生を9000人以上採択した、民間寄付による留学支援制度の後継事業。従来どおり、高校生と大学生を対象とし、社会や産業にイノベーションをもたらすリーダーシップおよび探究心を備えた人材輩出を主な目的に据えています。5年間で約5000名の学生に経済面を含めた留学支援を行い、日本の留学機運の新たな高まりをバックアップします。
多種多様な興味関心に沿った留学を実現できるよう、高校生向けと大学生向けにそれぞれ3つのコースを配する予定です。ただし、以下の概要は正式な募集要項ではないため、コース名や募集期間などに変更が加わる可能性は少なからずあります。
<新・高校生等向けコース>
- マイ探究コース
- 社会探究コース
- スポーツ・芸術探究コース
高校生向けコースでは、とくに探究活動にウェイトを置いた海外体験が促されています。また、「地域応援枠」を新設し、都道府県ごとに漏れなくロールモデルが輩出される状況を目指します。下記は初年度の募集人数など(すべて予定)。
- 募集人数:700名(予定)
- 募集期間:2022年10月~2023年1月、新高校1年生は2023年4月以降予定)
- 留学対象期間:2023年7月以降
<新・大学生等向けコース>
- イノベーターコース
- STEAMコース
- ダイバーシティコース
大学生等向けコースでは、特にアントレプレナーシップ(起業家精神)にウェイトを置いた海外体験が促されています。下記は初年度の募集人数など(すべて予定)。
- 募集人数:250名
- 募集期間:2022年10月~2023年2月、新大学1年生は2023年4月3日以降
- 留学対象期間:2023年8月以降
②留学プラットフォームで前向きなマインドを育む
産業界、自治体、学校などによる既存の留学支援の取り組みを可視化し、多様なステークホルダーが関わる留学サポート体制や留学啓発機会を全国規模で張り巡らせる事業。若者が留学に前向きなマインドを育める社会環境の創出を目指します。
③価値イノベーション人材ネットワークで留学の価値を可視化
異なる属性のコミュニティとの協働を含め、留学から帰国したトビタテ生が、社会とマッチングしやすい環境を整える事業。また、約2000名の、いわゆる「価値イノベーション人材」の輩出を目指し、その成果の可視化を通じて留学機運醸成を担います。
トビタテ!留学JAPAN(2023年度~27年度)公式サイト
【トビタテ!留学JAPAN(2023年度~27年度)】
- 主催:文部科学省
- プログラム開始年:2023年
- コース(予定):新・高校生等向けコース(初年度募集人数/700名、募集期間:2022年10月~2023年1月、高校1年生は2023年4月以降、留学対象期間/2023年7月以降)、新・大学生等向けコース(初年度募集人数/250名、募集期間:2022年10月~2023年2月、新大学1年生は2023年4月3日以降、留学対象期間/2023年8月以降)