“幸せな人生”って何? 子どもと語り合いたいときに 〜セリグマンの「PERMAモデル」から考える

子どもに「幸せって何?」と聞かれて
中学1年の息子が、夕食中にふとこんなことを言いました。「“幸せな人生”って、結局どういう人生のことなんだろうね」
…正直、ドキッとしました。私は咄嗟に「やりたいことができる人生、じゃない?」と答えたけれど、なんだか自信がなくて。
その後、思わず自分自身に問い直してしまいました。

私は、自分が幸せだって言えるんだろうか…?
子どもがふと投げかけてくる“人生の問い”に、どこかでちゃんと向き合いたいと思いながら、うまく言葉にできない。そんな親御さんも、きっと少なくないと思います。
ヒント:幸せって、ちゃんと考えたことがある?コンサルタントの視点
「幸せな人生って何?」という問いは、大人でもすぐに答えが出せるものではありませんね。けれど、そんな問いを投げかけてくれたお子さんを、私はとても頼もしく思います。
私自身も、長年教育の現場にいて、多くの親子と接してきました。共通しているのは、「幸せ」を“成績”や“肩書き”で測ろうとしてしまうこと。



でも、本当の幸せは、自分の内側にあるものなんです。
私はセリグマン博士の「PERMAモデル」に深く共感しています。
ポジティブな感情、没頭できる活動、良い人間関係、人生の意味、そして達成感。これらが揃って初めて、心の底から「幸せ」と言える人生になるのではないでしょうか。
“幸せ”を定義するより、一緒に感じることから始めよう
お子さんとこのテーマを語るとき、どうか“教えよう”としすぎず、一緒に考えてみてください。
親が自分の幸せを語る姿は、子どもにとって大切な学びになりますよ。焦らず、じっくり、語り合ってみてください。
セリグマンの「PERMAモデル」とは?
心理学者マーティン・セリグマン(1942年〜、アメリカ)は、「幸せな人生には5つの柱がある」と考えました。これをPERMAモデルと呼びます。
- P:Positive Emotion(ポジティブな感情)
- E:Engagement(没頭)
- R:Relationships(良好な人間関係)
- M:Meaning(意味・意義)
- A:Accomplishment(達成)
この考え方は、単なる“楽しい人生”ではなく、“充実感のある人生”を描くヒントになります。
チェックシート:自分の「幸せ観」に気づく
- □ 一日を振り返ったとき「今日は気分がよかった」と思える日が多い
- □ 何かに夢中になっている時間がある
- □ 一緒にいると心が安らぐ人がいる
- □ 自分のしていることが“意味あること”だと感じる瞬間がある
- □ 小さなことでも「やりきった」と思える達成感がある



1つでも「YES」があれば、あなたの“幸せの芽”はすでに存在しています
生活での実践:わが家の変化エピソード
こんな問いかけが効果的です:
- 「最近、どんなときに楽しいって感じた?」
- 「頑張ってて『やった!』って思ったことある?」
- 「一緒にいて嬉しいなって思う人って、どんな人?」
あなたの幸せを、まずは子どもに語ってみて
息子との会話をきっかけに、私自身の“人生の軸”を見つめ直すきっかけになりました。「幸せって何?」という問いを、“ちゃんと考えたことがなかった”ことに、気づかされました。



いまでは、毎日の小さな幸せを感じることが、私の“軸”になっています。