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横須賀市はなぜ英語教育に取り組むのか
アメリカンスクールへの短期交換留学、米国大学で1年間英語をみっちり学ぶ、外国人家庭でのホームステイ…どれも英語を学ぶファミリーにとって魅力的なプログラムですよね。
これらのすべてを日本にいながら体験できる、そんな「英語を学べる」環境づくりに本腰を入れる自治体があります。
「子どもが主役になれる街」、「英語が学べるまち」というキャッチフレーズのもと、子育てと教育環境の充実に取り組んでいる、神奈川県・横須賀市。
英語教育に力を入れている自治体は少なくありませんが、横須賀市の取り組みはユニークかつ多岐にわたるもの。
なぜ、横須賀市は英語教育に力を入れているのか。
今回は、地域のリソースを最大限に活用することで課題に取り組み、街のブランド化を推し進める横須賀市について紹介します。
横須賀に根付いた国際性
横須賀市といえば「国際的な街」として知られていますが、この地域性に欠かせない存在なのが、アメリカ「横須賀海軍施設」(以下、米軍基地)。
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1853年のペリーの黒船来航以前より、しばしば外国からの船が着岸していたという港町・横須賀に、「横須賀造船所」がつくられたのは1871年のこと。
その後、大日本帝国海軍により軍需工場として使われ、第二次世界大戦後は米軍が接収し、現在まで基地として利用されています。
現在も、基地やその周辺には、軍人の家族や関係者など1万3000名超のアメリカ人が暮らすほか、市の住民約40万3000人のうち1割強の約4500人が外国人居住者。
そんな横須賀のスーパーにはアメリカンサイズのジャンボピザが並んでいたり、子ども服のお店が幼児向け英会話講座を主催していたり。
街のキッズプレイルームにもたくさんの外国人ファミリーが訪れるなど、日々の暮らしのなかで国際的な交流がもたれてきました。

横須賀市では、着物体験や折り紙、書道講座も開催され、日本文化を通じた国際交流も図られています。
英語教育で「地方創生」
このように多くの外国人も暮らしている横須賀市ですが、じつは数年前より「人口減」が切実な問題となっていました。
2012年に1173人、13年には1772人の転出超過(※転出する人が転入者よりも多い状態)となり、2年連続で全国ワースト10入りする事態に。
このような状況を受け、市が打ち出したのが、子育て・教育環境のさらなる充実や都市イメージの創造発信など、子育て世代の転入を促す施策の強化でした。
結果、14年には転出超過数が899名に半減。横須賀の地方創生への試みは、全国でもまれに見る成功例として注目されています。