グローバルに活躍するアーティストを育成
「東京藝術大学」(東京・台東区)は、世界トップレベルの美術・デザイン系芸術大学である「ロンドン芸術大学」、「パリ国立高等美術学校」、「シカゴ美術館附属美術大学」と、「グローバルアート国際共同学位カリキュラム」(ジョイント・ディグリー)構築に向けた連携協定を、2015年2月23日(月)に締結しました。
この協定では、教員や学生の相互交流をはじめ、各国の国際芸術祭におけるアートプロジェクトの共同実施など、国境を越えてグローバル人材育成に取り組み、これらの取り組みを各大学の共同学位プログラム(ジョイント・ディグリー※)として認定していこうというもの。
※ジョイント・ディグリー…連携する大学間で開設された単一の共同の教育プログラムを学生が修了した際、連携大学が共同で単一の学位を授与
世界のトップレベル芸術大学において、今回のようなグローバルな人材育成への取り組みは、世界でも初となるそうです。
16年に大学院に新たな専攻科を設置
まずは、15年7月に開催される「越後妻有アートトリエンナーレ」や、16年開催予定の「瀬戸内国際芸術祭」を実践の場として活用。
16年度には、東京藝大大学院に「グローバルアートプラクティス専攻」を設置。人材交流によるアートプロジェクト実践をカリキュラム化し、将来的に4大学で共同化していく予定。
また、5月にはパリ国立高等美術学校、8月にロンドン芸術大学、その後シカゴ美術館附属美術大学の教員・学生ユニットが、それぞれ10名ほどで来日し、各地のアートプロジェクトに参加する予定となっています。
東京藝大からも同規模のユニットが相手国に赴き、イギリスでは「タットンパークビエンナーレ」など、現地の国際芸術祭などにおいてアートプロジェクトを実施する予定です。
ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ University of the Arts London Central Saint Martins(イギリス・ロンドン)
セントラル・セント・マーティンズはロンドン芸術大学の6つのカレッジのひとつで、アート、デザイン、ファッション分野で世界を代表する大学のひとつ。
ファインアート、プロダクトデザイン、グラフィックコミュニケーションデザイン、空間デザイン、ファッション、演劇、ジュエリー・テキスタイルデザイン等のプログラムが集約されている。
パリ国立高等美術学校 エコール・デ・ボザール Ecole Nationale Supérieure des Beaux-Arts(フランス・パリ)
ルイ14世が17世紀に設立した、アカデミー・フランセーズを母体とした360年の伝統のある美術大学。
絵画、彫刻、陶芸、鍛造、複合材料、モザイク、建築などのコースがあり、付属の歴史的建造物である礼拝堂や展示室を利用して大学内外の機関と共同した展示プロジェクトやワークショップを実施。
そのカリキュラムや運営は世界中の美術大学のモデルとなっており、海外の50以上の大学と協定を結んでいることから、留学生の交換・受け入れも盛ん。
シカゴ美術館附属美術大学 The School of the Art Institute of Chicago(アメリカ・シカゴ)
シカゴの中心部に位置し、米国の美術・デザインの私立学校でもっとも古い大学のひとつ。絵画、デザイン、彫刻、映画、演劇、文学、インスタレーション、建築、コミュニティプロジェクトなどのコースがある。
【「グローバルアート国際共同学位カリキュラム」連携協定】
- 締結日:2015年2月21日
- 参加大学:東京藝術大学、ロンドン芸術大学、パリ国立高等美術学校、シカゴ美術館附属美術大学