高2女子、英検2級A。来年米国大学進学は可能?
高校2年の娘をもつ保護者です。夏休みにカリフォルニアへ1週間の短期語学留学に行かせてから「やっぱりアメリカの大学に進学したい」と娘が言いだし、その気持ちは強くなっているようです。
親としてできる限り応援してあげたいのですが、学校と部活が忙しく、英検を勉強している以外は準備できていない状態です。こんな状態でアメリカの大学への進学は間に合うのでしょうか…?
(神奈川県・公立高校2年生の娘を持つ母)
まだまだ間に合います。英語レベルに合わせた海外大進学の方法があります
■米国大進学の3つのルート
アメリカの大学への進学を考える場合、大きくわけて下記のような3つの進学ルートがあり、Aさんのケースでも十分に間に合うルートがあります。
①高校卒業→語学学校→2年制大学→4年制大学(大学卒業まで最短4年4ヵ月)
②高校卒業→2年制大学→4年制大学(大学卒業まで基本的に4年間)
③高校卒業→4年制大学(大学卒業まで基本的に4年間)
それぞれのルートによって準備する内容が変わってきますが、最終的に4年制大学卒業は変わりません。今回は世界大学ランキング*で上位に入る「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)」に進学するケースを想定して、必要な準備を紹介していきたいと思います。
■語学学校からスタート
まず①のルートで留学する場合をみていきましょう。
語学学校に入学する時点で求められる英語力はあまり高くないですが、2年制大学の秋入学を目指すためには、高校在学中に英検2級A以上の英語力があったほうがいいでしょう。
語学学校在学中に編入資格のレベルに到達できればTOEFL iBT®Testのスコアなしで2年制大学に入学することできます。その後、4年制大学への編入を目指します。3つのルートの中で、準備が一番少なくすむのがこのルートとなります。
Aさんの場合、このルートであればアメリカの2年制大学への進学はほぼ確実です。
- 2018年3月…卒業し渡米
- 2018年4月~7月…語学学校に入学
- 2018年8月…2年制大学に入学
- 2020年8月…UCLAに編入
■2年制大学から編入
つぎに②のルートで留学する場合では、高校の成績、英語力、エッセイなどが求められます。 UCLAへの進学を希望する場合は、進学実績があるカリフォルニア州内の2年制大学を選ぶといいでしょう。
たとえばカリフォルニア大学への編入者が多い「サンタモニカ・カレッジ Santa Monica College」や「デアンザ・カレッジ De Anza College」がオススメです。Aさんは英検2級Aなので、今から準備すれば、出願までには入学基準であるTOEFL iBT®Test45~61点を取得できるでしょう。高校の成績が5段階評価で平均3以上あれば、合格はほぼ問題ないと思います。
ただし、UCLAのインターナショナル生の編入合格率は約24パーセント**と、誰でも編入できるわけではありません。編入には、2年制大学で平均3.3以上***(4段階評価)の優秀な成績が必要です。確実にいい成績を収めるために英語力は可能な限りあげてから留学したほうがいいでしょう。
- ~2018年6月中旬…願書提出
- 2018年8月…2年制大学に入学
- 2020年8月…UCLA編入
■東大よりも難しい!? 直接進学
③のルートで留学する場合では、高校の成績、英語力、エッセイ、課外活動など、多面的総合評価で合否が決まります。UCLAの場合、TOEFL iBT®Test 100点以上、SAT®で高得点、さらに高校の成績が5段階評価で4.5以上が必要になります。
Aさんが③のルートを選ぶなら、忙しい高校生活の中でタイムマネジメントをしっかりおこない、かなりの時間をかけて準備をしていく必要があります(詳しくは、次回お話しします)。
■TOEFL iBT®Test対策がキモ
①~③のどのルートを選ぶにしろ、いますぐはじめるべき対策は英語です。とくにTOEFL iBT®Testの勉強がキモになります。
海外大進学を目指しているのに、「TOEFL iBT®Testの受験はもう少し力をつけてから…」と先延ばしにしている人をよく見かけます。 TOEFL iBT®Testは難しいテストですが、英検2級を持っていて、目標がある程度定まっているのであれば、すぐにでも1回目の受験をしておくことをおすすめします。
なぜなら、1回目は想像以上にスコアが取れないものだからです。緊張もしますし、約4時間のテストなので集中力が続かないなど、慣れない環境の中で初回から実力を発揮できる人は少数です。
テストを受けると自分の弱点がわかり、その後の学習計画を立てることができるのも大きなメリットです。残された時間から、弱点を克服する学習法と学習時間を設定し、対策と受験を繰り返していくことで出願に間に合わせることができます。
Aさんの場合、出願まで約1年あるので、TOEFL iBT®Testのスコアをあげるには十分な時間があります。まずは対策を始めてみてくださいね。
☆上記のスケジュールやテストスコアは、目安となります
*タイムズ・ハイアー・エデュケーション「World University Ranking 2016- 2017」
**「UCLA」公式サイト「Profile of Admitted Transfer StudentsFall 2014」より
***学部によって異なります
編集部のCheck Point
英検2級の人がTOEFL iBT®Testを受けると、40点程度取れるそう。5点アップにはおおよそ100時間必要となり、20点アップには400時間の学習が必要となるそうです。
Global Learning Centerの受講生は、ほとんどが10ヵ月程度で40点→60点に上がっており、実際6ヵ月で52点→80点まで伸ばした人も! TOEFL®Test対策やコツを知っているのと知らないのでは、点数があがるスピードも如実に変わってくるそうですよ。
自身の英語学習や留学経験を活かし、英語学習カウンセラーとして1万件以上のカウンセリングを担当。現在は、「Global Learning Center」(GLC)で海外大や国内国際系大学受験のための出願指導を行っています。
提供○Global Learning Center
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