【Robogals(ロボギャルズ)】
- 若い女性にSTEM分野への参加を促す豪州発の団体
- 「Robogals Science Challenge」やオンラインセミナーを開催
- 日本ではRobogals Tokyo、鹿児島が、各種イベントを開催
女子小中学生にSTEM分野参加を促す国際的な団体
「Robogals(ロボギャルズ)」は、豪州メルボルンで発足したSTEM分野への女性参加を促す国際的な学生法人団体。
各々の専門性を持つ現役大学生や若者によるボランティア活動に支えられ、エンジニアリングとテクノロジー分野における男女共同参画の実現を目指しています。
世界中に広がるRobogals支部では、おもに小中学生の女子生徒向けに、STEM分野への興味関心の発掘と学習への自信を深める無料ワークショップを開催。さらに、年齢の近い理工系女子学生との交流は、小中学生にとって理想的なロールモデルと出会える機会になっています。
親しみやすく模範となる存在が身近にあることで、若い女性のSTEM分野進出への社会機運を高める成果も期待できます。
このように、Robogalsは、STEM分野におけるジェンダー格差の是正を通じて、女性が公平な収入を得る機会を生むだけでなく、女性にとって安全で生産性のある労働環境の実現を目指しています。
その結果として、多様な性やマイノリティーを取り込んだ労働力は、問題解決力やビジネスマネジメントの観点からも、エンジニアリング業界全体に確かなメリットをもたらすことになるはずです。
多様な価値観を促すための、活動を支える4つの柱
Robogalsのミッションは、若い女性のエンジニアリングおよび関連分野への参画を、実践面からもマインド形成の面からも支援すること。そして、多様な個性や価値観を包容するエンジニアリング業界のあり方が、グローバルカルチャーとなるビジョンを描いています。
活動全般の根幹を成す4つの柱は以下の通りです。
- 高潔・誠実であること(Integrity)…社会において担うべき役割を果たし、掲げた目標に対して誠実に向き合います
- コミュニティー(Community)…Robogalsは広大な一ファミリーとして、役員・ボランティア・パートナーやスポンサーといった立場に囚われず、ビジョンの実現に向けて一致団結します
- 情熱(Passion)…エンジニアリング及び関連業界に多様性と包容力を育むために、情熱と決意を持って活動に専念します
- 革新(Innovation)…Robogalsのメンバー全員が、新たなアイディアの提案を通じて、イノベーションの担い手となる可能性を秘めています
STEMコンテスト「Robogals Science Challenge」
Robogalsの主要定期イベントのひとつは、5~15才の女子およびgender diverseを対象とする、グローバルなSTEMコンテスト「Robogals Science Challenge」。
コンテストは、5~8才、9~12才、13~15才の3カテゴリ―にわかれ、おおまかにマイナーチャレンジとメジャーチャレンジの2段階で実施されます。
参加者はまず運営側より提示されるマイナーチャレンジを最低2件こなし、その後、自身でSTEM関連テーマを選定するメジャーチャレンジにおいて、所定の質問への回答を含むビデオ(4分間)を作成して提出します。
日本では東京支部と鹿児島支部がセミナーを主催
また、毎年各regionで年間の活動を報告し合い、新たな地域のエグゼクティブを選出するオンラインセミナー(SINE)も開催しています。
「ヨーロッパ・中東・アフリカ」、「北アメリカ」、「アジアパシフィック(APAC)」の3地域ごとに別個に行われ、当該地域のコミュニティーでもっとも注目すべき役割を担った個人に「Legend of Robogals Award」が贈られます。
Robogalsには、10ヵ国以上の異なる国々に総計30以上の支部が連なり、APACに含まれる日本では、東京支部(東京工業大学)と鹿児島支部(鹿児島工業高等専門学校)がそれぞれ独自に活動しています。
東工大の学生が主体となり活動する「Robogals Tokyo」
Robogals Tokyoは、アジア初のRobogals支部として2012年に東京工業大学にて発足。
本部の理念に倣い、女子生徒が大学で理工学を専攻し、将来的に研究者を目指すきっかけづくりとなる活動を展開。
レゴロボットを題材にした、女子の小中学生向けのワークショップ、ロボコン出場を含む女子中高生の科学活動支援、理系の女子大生向けのキャリアイベントなどを現役の大学生・大学院生らが中心となって提供しています。
学生による科学団体が出場するイベント、サイエンスリンク・オンライン(対象:未就学児~)の配信では、レゴマインドストームを活用したワークショップにてロボットとダンゴムシのレースを実践。
そのクオリティーとアイディアが評価され、APAC SINE 2021において「Best Initiative Award」がRobogals Tokyoに授与されています。
コロナ禍以前は、全国各地でイベントを精力的に展開しており、「宇宙ごみの掃除」や「じゃんけんを識別する人工知能」をテーマにしたワークショップを茨城や愛媛の中学校で開催。東大の学園祭(五月祭)にも出展し、来場者にはカラーセンサー、タッチセンサー、超音波センサーの3パターンで動くロボットを体験してもらい好評を博しました。
理念に賛同すれば他大学でも参画OK
女子生徒にSTEM分野の魅力を伝える活動を主とする団体ですが、Robogals本部同様に、理念に賛同すれば男女を問わず各種活動に参画することができます。
また、東京工業大学に限らず、他の大学のメンバーも幅広く募集中です。プログラミング知識などは不問で、子供や教育への関心が強い、実践的に英語を使いたいといった各々の動機を活動に活かすことができます。
Robogals(ロボギャルズ)
Chief Executive Officer:Morgan Marshal |
所在地:PO Box 4435 Parkville VIC 3052 Australia |
Robogals Tokyo(東京支部):東京工業大学(東京都目黒区) |
Robogals Tokyo代表(2021年時点):小野沙桃実 |
東京支部開設年:2012年 |
提供内容:小中高校生にSTEM分野の魅力を伝え、理工系分野へ進むきっかけづくりとなるワークショップを提供 |
ワークショップ参加費:無料 |