海外大進学ガイド目指せ海外大学

【海外大進学05】学術的水準が高く多様な文化環境でじっくり格安に学べる穴場の留学先<EU編>

「海外の大学で学んでみたい」ーー世界からの仲間たちと切磋琢磨し、学問を追究するなかで、ひと回りもふた回りも成長するーーそんな未来の自分の姿を思い描いている中高生が増えています。国によって受験事情や留学に必要となるコストなど、大学を選ぶ基準は異なっているため、最適な進路を見つけることは簡単ではありませんが、この受験ガイドを通じて、どの学校に通っていても・どこに住んでいても「海外大学を目指せる可能性は自分のなかにある」と、気づいてくださいね!


EUに留学する魅力とは?

日本ではまだまだ知られていませんが、学術的水準が高く、極めて多様な文化や言語・社会のなかでさまざまなプログラムを提供しているEU圏の大学は、毎年100万人もの留学生が学ぶ人気の留学先です。

■EUならではの教育制度に注目

「人・モノ・資本・サービスの移動の自由」を掲げるEU圏では、高等教育の質を均一化する施策「ボローニャ・プロセス」を推進。EU加盟国を含む参加47ヵ国で、大学の学位(学士号、修士号、博士号)を同等の水準としてその質を保証していることから、非EU圏からも多くの学生が学業や雇用の機会を得るべく、EUの大学に進学しています。

「ボローニャ・プロセス」公式サイトでは最新情報を提供。

また、学生の相互移動を促進するために、EU圏の大学には単位互換システム「ECTS」(European Credit Transfer System)も整備されており、取得した単位を生かしながら希望の大学に転学して学べるなど、その自由度の高さもEUならではといえます。

そして、ご存知のようにEUには歴史的・文化的・経済的にも素晴らしい都市が数多くあり、格安航空会社や高速バス、鉄道などで安価かつシームレスに結ばれていることから、気軽にさまざまなエリアを訪れて見識を深めることができるのも魅力ですね。

■格安な学費も大きな魅力

さらにEU圏の大学では、留学生でも学費が免除されたり、北米やオセアニアとくらべて学費も格安であるなど、リーズナブルに高等教育を受けることができます。

近年では、非EU圏の学生から学費を徴収したり、学費を値上げする大学も出てきていますが、ノルウェーやフィンランドでは留学生でも学費が免除されたり、ドイツでは学費が無料なうえ学生寮を安価に提供する大学もあるなど、金銭的な不安も少なく勉学に集中できる環境は大きな魅力です。

また、EUの多くの大学では、アメリカのように教養課程を学ぶ必要はなく、専門課程で専門的な内容を集中して深く学ぶことができます。

どうやってEUの大学に進学する?

多くの魅力に溢れたEUの大学ですが、昨今は英語で学位が取得できる大学が増えているものの、現地の言語で講義を行っている大学も多いため、日本の高校生には言語的なハードルが高いのも事実です。

EUの大学に進学するには、日本の高校を卒業して入学する、ファンデーションコースで教養科目を学んでから進学する、いったん現地やUKなどの高校に編入してから進学するなど、いくつかのルートがあります。

■英語で学べるコースも多数

現地の言語が話せない場合、①英語で学べる大学(コース)を選ぶ、もしくは②語学学校などで現地語を学んでから現地の言語で学ぶ大学を受験することになります。

フランス語やドイツ語などの言語に強い人であれば、それらの言語で受験できる国や大学を選ぶといいですし、英語で学べる大学を選ぶのなら、自分のバックグラウンドや将来活躍したい国や都市を選択するのがおすすめです。

なお、英語で学位を取得するコースでは、現地の言語能力を証明する必要はありませんが、大学で学べるだけの英語力として、TOEFL iBT®で80〜100点、もしくはIELTS®6.0〜6.5程度が必要となります。

現地の言語力が要件に満たない場合は、大学の講義が受けられるレベルまで語学力を上げる必要があります。その場合は、語学学校で言語習得を目指し、言語習得→大学準備コース(1年)→大学(3〜5年など学部による)というルートで進学することになります。

EUでは何を学ぶ?

非英語圏でありながら非常に英語力の高い国※と評価されている、北欧、オランダ、ドイツには、英語で受講できる大学も多くあります。

※EFエデュケーションによる「EF英語力指数2017」では、オランダが1位、2位にスウェーデン、4位ノルウェー、6位フィンランド、9位ドイツがランクイン

また、これらの国々は「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」(THE)の「世界大学ランキング2018」トップ100で、フィンランドは「ヘルシンキ大学」(90位)、スウェーデンは医大の「カロリンスカ研究所」(38位)など3大学、オランダは「アムステルダム大学」(59位)など7大学、ドイツには「ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン」(34位)をはじめとする10大学がランクインするなど、教育水準も高く評価されています。

世界大学ランキング34位の「ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘン」(写真提供:wikipedia)。

■先進的かつ革新的な国々で学ぶ恩恵

EUで学ぶことの魅力は、停滞感が続く日本にはない、革新的な取り組みや環境が整った国が数多くあり、そこでの暮らしを体感しながら滞在できることにもあります。これらの先進的で真の意味でグローバルな環境で学んだことは、その後の人生の大きな財産となるはずです。

ノルウェー・スウェーデン・フィンランドは、世界有数の環境先進国・IT先進国として知られており、国連の世界幸福度ランキングでも上位3位を占めるなど、社会福祉や男女平等などが進んだ先鋭的な社会制度でも知られています。

ドイツは自動車をはじめとする工作機械や化学製品などの産業で有名ですし、オランダは農産物輸出額が米国につぐ世界2位というハイテク農業大国でもあります。

各国の産業と大学の専攻は紐付いているので、大学を選ぶ際にはそれらの特色を踏まえて検討してみるといいでしょう。

  • ノルウェー…石油・天然ガス、水産物輸出、アルミニウム、シリコン、化学肥料等加工産業
  • スウェーデン…機械工業(自動車含む)、化学工業、林業、IT
  • フィンランド…紙・パルプ等、金属、機械、電気・電子機器、情報通信
  • ドイツ…製造、農業、建設、医療、音楽など、自動車をはじめ工作機械や化学製品などが盛ん
  • オランダ…農業、化学、IT、エネルギー、医療、製薬、国際法など

どんな受験勉強が必要?

EUの大学では、その多くが秋入学の2セメスター制(秋学期、春学期)を採用しています。

出願時期は国により異なり、オランダ・ドイツ・フランス・デンマークは11月〜1月、ノルウェー・フィンランドは12月〜3月、スウエーデンは10月中旬〜1月中旬、オーストリアは〜2月初中旬、スペインは6月中旬〜7月上旬となっています。

■国により異なる出願要件

受験制度も国により異なります。受験生はそれぞれの大学が求める出願要件を満たしたうえで、必要な書類を提出し、大学による書類選考という流れとなります(出願はオンライン)。高校卒業資格と英語力(TOEFL、IELTS、SATなど)が要件になっているところもあります。

  • ノルウェー…高校卒業資格および日本の大学を1年以上修了すること(教授言語がノルウェー語)
  • スウェーデン…高校卒業資格、スウェーデン語の運用能力テストの必要スコアの獲得など
  • ドイツ…高校卒業資格(特定の科目を履修)、センター試験の成績(62パーセント以上)または大学などでの取得単位、ドイツ語能力を証明するテストで基準以上を満たす語学力
  • オランダ…高校卒業資格、大学入学準備コースの受講もしくは現地やUKなどの高校卒業資格
  • フランス…高校卒業資格、フランス語能力を証明するテストで基準以上を満たす語学力

必要となる学費は?

学費も国や大学によって異なりますが、下記は非EU圏の学生を対象とした学費の目安です。

  • オランダ…年額約107〜150万円(医学、理工系はこれ以上)
  • ドイツ…州によっては無料。有料の場合、学士課程は学期につき500ユーロ(約6万5000円)に設定している州が多い
  • フランス…年間登録料は国公立で年額184ユーロ(約2万3000円)、私立は約39万〜129万円
  • フィンランド…無料(留学生の学費については有償化の議論が続いているので今後の動向には要注意)。学生会の年間活動費として、約4000~1万2000円程度(健康保険料含)必要
  • ノルウェー…無料(セメスターフィーとして4000~8000円程度必要)
  • オーストリア…年20万円ほど
  • スペイン…国公立で年20万円程度、私立は〜120万円程度

生活費は各国とも月額12〜15万円ほどと、学生寮と学校の往復を主とする生活ならばそれほど多くのコストはかからないはずです。

<EU留学Q&A>

Q. EUの大学に興味がありますが、なかなか情報が手に入りません。どのように情報収集すればいいでしょうか?

A. 毎年初夏に東京と大阪で実施されている「欧州留学フェア」には、80を超えるEUの高等教育機関が参加しています(2018年の場合)。志望する大学がこのフェアに来ているようなら、ぜひ訪れて担当者に直接質問し、疑問や不安を解消しておきましょう。

大学に関する情報の集め方は、まずは気になる大学の公式サイトをじっくりと読み、質問があればアドミッションオフィスにメールなどで連絡してみましょう。その際、サイトやQ&Aで書かれていることは質問しないようにしましょう。すでに情報公開されている内容を質問することで、心証が悪くなる場合があります。

回答者/辻村慎乃介さん(ベネッセコーポレーション英語・グローバル事業開発部グローバルラーニング課)

自身の英語学習や留学経験を活かし、英語学習カウンセラーとして1万件以上のカウンセリングを担当。現在は、「Global Learning Center」(GLC)で海外大や国内国際系大学受験のための出願指導を行っています。サポートした国は、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、香港、中国、韓国、ドイツ、オランダ、フランス、アラブ首長国連邦など。

<海外大学につながる、GLCでの学び>

GLCでは、TOEFLやSAT対策だけではなく、物事の考え方や伝え方、Logical ThinkingやCritical Thinkingも学べるため、大学に進学してからも授業で発言したりレポートを作成するのにも役立ちます。また、エッセイ対策で行う自己分析や自己探究は、学問の履修の際にはもちろん、インターン、就職活動の際にも生きています。

提供○Global Learning Center

TOEFL and TOEFL iBT are registered trademarks of Education Testing Service(ETS). This web page is not endorsed or approved by ETS.

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