マイブームはアルパカ。あの、おとぼけフェイスに癒されますよね。いつかアルパカをペットにしたいと思っています。バイオ系統に興味があり、現在は「光合成人間は可能か」という研究をしています。ヒトが光合成できるようになったら、食糧不足も改善すると考えています。課外活動や日々の学校生活のなかで、仲間の大切さを実感する毎日です。興味を持ってくださった方、ぜひコンタクトをとりましょう!
英語ディベートに挑戦しよう!
はじめまして、静岡県立沼津東高校2年の小林令奈と申します。
私は、昨年(2016年)に引き続き、今年(2017年)も全国英語ディベート連盟(HEnDA)が主催する「高校生英語ディベート大会」に参加しました。
HEnDAとは?
2006年12月に全国大会がスタートした、日本における高校生英語ディベート大会の草分け的大会で、北海道から沖縄まで全国から高校生が参加。夏休み以降に都道府県で予選が行われ、選抜された学校は、2017年は12月16日(土)~ 17日(日)の2日間、埼玉で行われる決勝戦に参加します
私のチームは優秀な成績を収めたわけではありませんが、多くの中高生に英語ディベートのことを知ってもらいたいと思い、記事を書いてみました。
熱中できることを探している高校生にピッタリな、英語ディベートの魅力をみなさんにお伝えします。
ところで、ディベートってナニ?
みなさんは「ディベート」と聞くと、どのような印象を持つでしょうか? 口ゲンカみたい?
ディベートと口ゲンカはまったく異なるものです。
HEnDA高校生英語ディベート大会では、
- 話すテーマ(論題)が事前に決まっており(ポリシー・ディベート)、肯定側か否定側かを当日じゃんけんやくじ引きで決める
- ジャッジが勝敗を判断する
- チーム内での役割や話す順番、時間が定められている
- 「Make-Friends憲章」というフェア・プレーの精神に基づいて行われる
といった特徴があります。それぞれを詳しく見ていきましょう。
論題と肯定、否定
論題は日本の社会問題に関する内容になります。2017年の論題は「日本は、移民政策を大幅に緩和すべきである。是か非か」でしたが、この論題について肯定側は「緩和すべきである」、否定側は「緩和すべきでない」という立場で議論を進めます。
ジャッジ
ディベートでは、かならずジャッジが「肯定側」か「否定側」か、より説得力があったほうを投票して決めます(予選ではジャッジは2人)。ディベートの目的は相手チームを言い負かすことではなく、第三者のジャッジが理解しやすいような議論が求められます。
チーム内の役割と進行
立論、アタック、ディフェンス、要約の4人でひとつのチームを作ります。
- 立論…事前に作ってきた立論を読み上げる。肯定側は論題の利点を、否定側は論題の欠点を論じる
- アタック…相手の立論に反論する
- ディフェンス…相手からのアタックに再反論し、自分たちの立論を立て直す
- 要約…試合の総括をし、アタックを考慮しても自分たちの立論の方が相手よりも強いことをアピールする
そして、立論のスピーチは4分間といったように、各スピーチの順番と時間は決められています。
Make-Friends憲章
「真のゴールは勝敗ではなく、友情を育むことである」(HEnDA Make-Friends憲章より)
勝敗がつくディベートでは、相手チームとの間で(最悪の場合は、自分のチームの中でも)険悪な雰囲気になりがちです。ですが、自分も相手も共に同じ目標に向けて戦ってきた仲間。憲章に則り、ぜひ相手チームと友達になってください。
私たちも、試合後には「さっきのアタック、どういうこと?」と質問したり、「立論の流れがユニークだった」と感想を述べ合ったりしました。
ディベートで身につくチカラ
ディベートを通して、以下のチカラが身につきます。
英語の4技能
立論やアタック、英語で書かれた資料を「読む」、相手のスピーチを「聞く」、その場で言いたいことを組み立てて「話す」、立論を「書く」といった作業を通じて、英語の4技能すべてを伸ばすことができます。
論理的思考力とクリティカルシンキング
スピーチを論理的に組み立てる力が身につきます。また、本や記事の内容、相手のスピーチに対して「本当にそうだろうか」と批判的に見つめるクセもつけられます。
社会問題への理解
ディベートの論題は、日本が抱える社会問題に基づいています。さまざまな角度から論題を分析して調べるうちに、その社会問題に詳しくなれること間違いなしです。
メディアリテラシー
質疑で、証拠資料の出典を問われることがあります。より説得力のある証拠を出すために、情報を取捨選択する力が身につきます。
自分の将来をよりよくするチカラ
ディベートを通して、物事の利点、欠点を論理的根拠に基づいて判断できるようになります。この判断力は、たとえば志望校選択の際、自分にもっとも合った学校を決めるのに役立つでしょう。
人生は選択の連続と言いますから、ディベートで培った判断力は、自分がより納得できる人生を歩む助けになると思います。
ほかにも、膨大な資料を整理する力、立論を作る際のタイピングの力、相手からの反論を予想する力なども身につきます。これほど多くのチカラが身につくディベート、とてもオトクだと思いませんか?
ディベートの3つの魅力
私は高校入学から現在まで、1年以上をディベートに費やしてきました。ディベートが私の心を掴んで離さない、3つの理由を紹介します。
①スリルと驚きに満ち溢れているから
試合前やジャッジが下される前の緊張感、鋭いアタックを作れたときの高揚感、相手の思いもよらなかったディフェンスへの尊敬、自分のスピーチが評価されたときの喜び、万全だと思っていた立論へ見事にアタックされる驚き、勝てたと思った試合で負けたときの悔しさ。
ディベートでは、これらの感情すべてが味わえます。一度このスリルにはまったら、ディベートから抜け出せなくなるでしょう。
②自分を高めることができるから
相手の立論が聞き取れるようになったとき、スピーチの途中で詰まることが減ったとき、自分の英語力の向上を実感して嬉しくなります。
社会問題に詳しくなるため、社会の授業で活躍するチャンスも。論題の知識は誰にも負けないぞ、と自信がつきます。幅広い力が身につくため、海外大進学を目指している人の課外活動としても最適です。
③最高の仲間を作ることができるから
論題が発表された春ごろから、時には夜遅くまであーでもない、こーでもないと、一緒に頭を悩ませたチームメイトとは、最高の仲間になれます。
共に論題への深い理解を持つチームメイトと、普段の学校生活では体験できないような、深く突っ込んだ話し合いができるのも魅力です。また、校外の仲間と同じ目標に向かって切磋琢磨することもできます。
でも、英語が得意じゃないとダメでしょう?
いえ、そんなことはありません。確かに、英語が話せることも重要ですが、それ以上に論理的思考力やクリティカルシンキング、チームワークが大切です。
そのうえ、ディベートでは事前に論題が与えられているため、試合で聞くこと、話すことの見当がつけられ、英会話に自信がない人でも活躍できます。
おもしろそう!どうすれば申し込めるの?
試合は、下のような流れで進んでいきます。
- 都道府県大会(各都道府県の高教研英語部会、高文連、高英に問い合わせ)、地方ブロック大会
- 全国大会(毎年12月開催、会場は毎年異なる)
- 世界大会「WSDC2016」(世界高校生英語ディベート大会、毎年7月か8月に開催、会場は毎年異なる)
まずは、学校で4人の選手と2人の補欠、合計6人のチームを作り、都道府県大会かブロック大会に申し込んでみましょう。
都道府県大会は、各都道府県の英語教育委員会が運営していることが多いようです。学校の先生に、参加方法を相談してみてください。
私が出場した静岡県大会は、10月29日に開催されました。他の都道府県大会も夏休み以降に開催されると思いますが、現状では各都道府県大会の情報をまとめたサイトはないと思うので、みなさん、早めの確認を!
準備はどう進めればいい?
進め方はさまざまですが、一例として私たちのやり方を紹介します。
- 論題について調べる
- 論題への理解を深め、立論を組み立てる
- 日本語でディベートする
- まずは日本語でディベートをし、立論やアタック、ディフェンスの内容を深めていく
- 英語でのディベートを重ねる
- 相手から受けた質問、アタック、ディフェンスをもとに、立論の修正を重ねる
ディベートは試合を重ねることで、自分たちの立論の弱点や、スピーチのまとめ方がわかるようになります。私も、高1にくらべて高2では「スピーチがわかりやすくなった」と言われました。近隣の高校と練習試合を組み、ぜひ試合の経験を重ねてください。
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ディベートに興味を持った人のために、参考になるサイトを紹介します。
↑今回紹介した「高校生英語ディベート大会」の公式サイト
Basic Manual For The All Japan High School English Debate Tournament
↑このマニュアルは、下記のような目的で検索しているときに見つけました
- 自分が初めてディベートをやる際に、詳しいやり方を勉強するため
- 下級生がディベートに慣れてきたときに読んでもらい、テクニックを伝えるため
- 練習試合の中で、「それってルール違反じゃない?」と指摘が出たときに確認するため
- 普段から繰り返し読み、スピーチの流れ、試合の運び方を頭に叩き込むため
↑こちらは下記のような目的で検索しているときに見つけました
- サイト内で紹介されているワード資料を読み、立論作成の参考にするため
- ディベート初心者に「ディベートってこんなものだよ」というのを簡単に伝えるため
ディベートについてざっくりと説明しましたが、いかがでしょうか?
英語力やかけがえのない仲間が手に入る英語ディベート。ぜひ、皆さんもチャレンジしてみてください!
Let’s Debate!
※全国大会に出場した、テイクアクション部・Angelさんの「3ヵ月で成功する高校生英語ディベート」記事も合わせて読んでみてください(編集部より)。
【全国高校生英語ディベート大会2017】
- 主催:全国英語ディベート連盟(HEnDA)
- 対象:全国の高校生
- 大会:都道府県大会・地方ブロック大会/2017年夏休み以降(と思われます)、全国大会/12月16日(土)~ 17日(日)、世界大会/2018年7月もしくは8月