Here are what to do in school years,
- 何事にも挑戦する!
- いい機会はムダにしない!
- 時間の管理をしっかりする!
実りある中高生生活になりますように。
3ヵ月で成功する「英語ディベート」とは?
2017年の夏休みに「スタンフォード大学」が主催する国際生向けサマープログラムに参加し、たくさんの刺激を受けたわたしは、秋に入ってからもいろいろ挑戦してみようと思い立ち、多くの課外活動に取り組みました。
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そんな挑戦のなかで、今回ピックアップして紹介するのは「英語ディベート」です。「この秋は英語ディベートにすべてを費やした」といっても過言ではないほど、熱心に取り組みました。
わたしの学校にはディベート部もなく、経験者もゼロ(先生を含め)、しかもメンバーはたった4人(多くの学校は20人もの大所帯TT)、最初は右も左もわからず途方に暮れていました。が、この3ヵ月頑張り続けて、全国大会で入賞することができました!
もちろん、わたしたちが英語ディベートをしていくなかで、この3ヵ月間数々の壁にぶつかりました。そして、もしかしたら、これから英語ディベートをしてみたいと思っている人も、多くの困難に直面するかもしれません。
それらの困難をみなさんが無事に乗り越えられるように、このレポートではわたしの経験やそこで学んだディベートの秘訣など、6つのポイントについて書きたいと思います。
①「英語ディベート」を正しく理解する
ところで、「そもそも英語ディベートってなに?」と思ったそこのアナタ。それから、ディベートっていうのは、授業などで行うように話したい人が立って→考えを説明してから→相手がこれについて反論して→さらにそれに反論して…というようなものかなと思っているそこのアナタ。
そんな人は、まずはテイクアクション部メンバー・小林令奈さんによる「英語ディベートについて解説するレポート」を読んでください。
読むだけで英語ディベートの知識が一気に増え、理解も深まりますし、わたしがこのレポートをはじめて読んだのが全国大会に向けて都大会の反省をしていたころだったので、ポイントがキレイにまとめられたこのレポートが事前にあったら「もっと上手くいったのに…」と思っていました(笑)。
②大会ごとの「ルール」を知る
では、全国大会出場の経緯について話そうと思います。
10月上旬、小林さんと同じく英語ディベートの地方大会(わたしの場合、東京都の「高英研」が主催する都大会)に参加しました。その都大会で幸運にも2位という結果となり、東京都からはHEnDA主催「高校生英語ディベート全国大会」に2校出られることから、全国大会の出場権を得ることができました。
しかし、喜んだのも束の間、都大会後に英語ディベートの専門家の方々から「全国大会に出るのなら、変えなければいけないところがたくさんある」と厳しく言われてしまいました。
というのも、都大会に向けて準備していたときは全国大会のルールを確認したことがなかったため知らなかったのですが、全国大会のルールは都大会と大きくかけ離れたものだったのです。
③効率性重視で「役割」を決める
そこから12月の全国大会まで、とてもとても大変でした。都大会の次の日はとりあえず休息日にしてディベートのことを話し合わなかったのですが、その翌日から毎日昼休みにお昼を食べながら、ルールを読んだり、自分たちの論(英語ディベートでは「AD(Advantage)」、「DA(Disadvantage)」と言います)をどれに絞るか決めたりと、話し合いを重ねました。
その結果、「ひとり1つ、ADかDAで分担して調べる」ことになりました。反論の資料は、見つけたら随時題目ごとに新しくファイルをつくって書き込んでいましたが、メンバー4人のわたしたちにとって、これが一番効率がいい方法でした。
④「練習試合」でとにかく実践を重ねる
さらに、この2ヵ月で他校と多くの試合をしました。メンバーが20人もいるような大所帯だとチーム内で練習できると思いますが、わたしたちの身近で試合できる人といったら学校の先生ぐらいしかいません。
しかし、先生方もわざわざ資料を調べられるほど時間があるわけではないので、メンバーのディベートの技術向上や自分たちの論の強化のためには外部との練習試合が欠かせなかったです。しかし、ディベートの経歴がないとツテもそれほどないため、最初とても困りました。
この問題に直面してから数日経ったある日、偶然全国の高校生英語ディベート部のSNSを発見。「練習試合してくれる学校募集中」との投稿を見て、この手があったのか!と感心させられました。そして、わたしたちも彼らに倣ってチームのSNSアカウントを創設し、なんと1ヵ月で6校(遠いところでは島根の学校!)とオンラインで練習試合をすることができたのです。
⑤「練習会」にも積極的に参加する
オンライン上の練習試合だけではなく、実際に面と向かってディベートをする練習会にも2つ参加させていただきました。両方とも毎年全国大会の前に開かれているもので、全国大会に出場する関東圏(東海地方の学校も来ていましたがほとんど関東の学校)のディベーターが集って、1日4試合しました。
他校の論やこちらの論のつかれ方を知るため、そして1日目に4試合ある全国大会で1日中集中力を持続させるためにも、この練習会はとても重要だと思います。
実際、わたしたちのチームはこの2度の練習会それぞれで課題が見つかり、急きょADやDAの変更や細かい手直しなどをしました。この作業はとてもとても大変で、一からすべてを調べなおさなければならないこともありました。
ただ、振り返ってみると、やはりこれらの練習会のおかげで論を変えて、全国大会ではしっかりと固まった論で戦えたのかなと思います。
⑥「上達するコツ」を身につける
では、どうやったら英語ディベートが上手くなるのか。
この質問に対するわたしの答えは、おもに2つあります。ただ、HEnDA式のアカデミック・ディベートに関してなので、「即興型」と混同しないように注意してください(HEnDA式のアカデミックディベートとは、事前に論題がわかっていて、それに向けて資料を準備し、資料を証拠としてどんどんスピーチで使うディベート)。
- できるだけ多くの資料を集めて把握する
- 相手を納得させる論の作り方を、ディベートを通して学ぶ
以上の2つが、なによりも大事だと思います。
1.できるだけ多くの資料を集めて把握する
証拠がなければ、相手に反論するときに机上の空論となってしまいます。そして、相手もこちらが証拠なしに話すのをいいことに、この反論は意味をなさないと反論し返すでしょう。また、ただ資料を集めて活用しないのはもったいないです。
資料の管理は基本的に自分で行い、何の資料を持っているかしっかり把握してください。そうすれば、相手が予期しない論を出しても「そういえば、あの資料あった…!」と思い出して使えるでしょう(経験あり^^)。
2.相手を納得させる論の作り方をディベートを通して学ぶ
アカデミックディベートでは、最初に両サイドがもともとつくってある「Constructive Speech」(立論スピーチ)をそれぞれします。また、試合中に随時つくるスピーチとして「Attack Speech」(相手への反論)、「Defense Speech」(相手からの反論への反論&自分の論を守る)もあります。どのスピーチにおいても、言いたいことをジャッジにわかりやすく伝えなければならないため、理論立てて説明する必要があります。
そこでポイントとなるのが「AREA」という方法です。
- Assertion(主張)
- Reason(理由)
- Evidence(証拠)
- Assertion(主張)
この方法論は、上記のように4つの単語の頭文字をつなげ合わせたもので、説明の時にこの順序に則るととてもわかりやすく伝えることができます。
最初は慣れないかもしれませんが、ディベートの試合経験が多くなるにつれて、わざわざ気にとめなくても自然とこの構造で説明できるようになります。経験して、体で会得するのみですね。
ポイントを押さえたら、挑戦あるのみ!
以上が「初心者ディベーターとしての経験談とコツ(?)」のまとめでしたが、いかがでしたか…? これから、ディベートをやってみようという人、ぜひ頑張ってください! 応援しています。
それから、このレポートを読んで英語ディベートへの興味がわいた人は、ぜひ一度やってみてはどうでしょうか。英語ディベートをすることでスピーキング力が上がり、資料探しで活きた社会的な知識を得られ、さらにクリティカル・シンキングがよりできるようになります。本当にオススメです! 英語ディベーターが増えることを、心より楽しみにしています!
最後に英語ディベートをするにあたってお世話になった多くの方々への感謝の言葉をもちまして、レポートを締めくくりたいと思います。ありがとうございました。
全国英語ディベート連盟(HEnDA)主催「全国高校生英語ディベート大会」公式サイト
【全国高校生英語ディベート大会2017】
- 主催:全国英語ディベート連盟(HEnDA)
- 対象:全国の高校生
- 大会:都道府県大会・地方ブロック大会/2017年夏休み以降(と思われます)、全国大会/12月16日(土)~ 17日(日)、世界大会/2018年7月もしくは8月