【アジアサイエンスキャンプ】
- 2019年までに、アジア28の国と地域から計253名の高校・大学生が参加
- 8月上旬に約1週間におよぶキャンプを実施
- 毎年国際大会でメダルを獲るなど好成績を納めている
2022年はオンラインで開催
「アジアサイエンスキャンプ Asia Science Camp」(ASC)は、ノーベル賞受賞者を含む世界トップレベルの研究者の講演、講演者がリードするディスカッションセッションなどにより、アジア各国から集う学生が科学のおもしろさを体験し、参加者同士の交流を通じて向学心を高め合える合宿イベント。
ASCは、2002年ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊東大特別栄誉教授とYuan T. Lee元台湾中央研究院長により提唱された、アジアの若者と著名な世界的研究者をつなぐ交流プログラム。
2007年に台北市で第1回目が開催されたのを皮切りに、第13回目を迎えた2019年中国・汕頭市の開催では、アジア28の国と地域から計253名の高校・大学生の参加者が集いました(2020年度、2021年度はCOVID-19感染拡大の影響で中止)。
そして、昨年の2022年は、韓国とオンラインでつないで開催されました。
また、2011年の韓国開催からは「科学技術振興機構(JST)」が日本からの参加者の募集・派遣に係る事務局を担っています。
JSTとは、世界トップレベルの研究開発を行うネットワーク型研究所として、研究開発戦略の立案や研究成果の実用化推進といった幅広い事業に関わる国立研究開発法人。
科学技術イノベーションに資する次世代人材育成も事業の柱に位置付け、複数の育成プログラムを企画・運営するほかアジアサイエンスキャンプの国内窓口としても機能しています。
講義から観光ツアーまで盛りだくさんな内容
例年8月上旬、約1週間におよぶキャンプが実施されますが、実質的な活動が予定されているのは、旅程の初日と最終日を除いた計5日間。
カリキュラムは年度により多少差がありますが、参加者は第一線で活躍する研究者(10名前後)による化学・物理・生物・数学分野などの講義(Plenary Sessions)を受講。さらに、Parallel Lecturesでは、参加者は3クラスにわかれ、講師の講義内容に基づく質疑応答や議論を通してより主体的に学ぶことができます。各自が興味関心のある講師の下に集まり、自由に質疑応答できるScientist Office Hourも設けられています。
プログラムの中日は会場を離れ、開催地の観光名所や歴史遺産などを巡る見学ツアーに参加。また、学生は各国混成グループにわかれ、英語で意見交換を行いながら所定のテーマに関するポスター作成に取り組みます。
プログラムの集大成となる最終日のポスターレビューでは、各グループは審査員に向けて独自のアイディアをプレゼンし、評価の高い12チームに対しては閉会式で金・銀・銅賞が贈られます。
高校生18名と派遣リーダー2名を募集
アジアサイエンスキャンプの日本からの参加者は、派遣員および派遣リーダーとして計20名を募集。
まず、メンバーの大部分を占める派遣員については、高校生相当の学生を約18名選抜。いっぽう、高校生らをリードする派遣リーダーには、大学生相当の学生が2名選出されます。
応募の際は、各種書類や英語・日本語の課題を提出。
提出書類としては、所属する学校の成績証明書のほか、教員による推薦書と学外活動の指導者・関係者(家族・自己推薦不可)が作成した推薦書が各1通ずつ必要です。
ただし、学外活動に参加していない場合は、教員作成の推薦書のみで構いません。また、アジアサイエンスキャンプのプログラムは全て英語で実施されるため、応募時に英語関連の証明書提出も求められます。目安としては、CEFRでB1ランク(英検2級程度)以上の英語力を持つことが推奨されています。
提出課題ひとつ目は、過去のアジアサイエンスキャンプでの講義動画(選択制)をいずれかひとつ全編視聴したうえで、講義内容の要旨(700字以上850字以内・日本語)をまとめて、講師への質問とその理由(200語程度・英語)を記述。
作文課題では、自分自身の「これまでの科学の取り組み」(400語程度・英語)と、SDGsを踏まえた「将来の取り組み」(850文字程度・日本語)について作文を提出します。
参加費はすべてJSTが負担
直近に開催された2019年度の応募手順では、まずアジアンサイエンスキャンプ派遣事務局までメールで応募書類を請求。折り返し、応募書類がEメールで届くので、必要書類や課題を揃えて派遣事務局へ郵送。
ASCへの参加費用は無料、開催国到着後の宿泊・食事・交通費などはすべて大会側が負担し、参加者の最寄り拠点駅から開催国までの交通費はJSTが支給します(2022はオンライン開催のため、Youtube、Zoom等などにアクセスできる環境が必要)。
2022年度の開催情報は、下記のリンクより確認を。
アジアサイエンスキャンプ
主催:ホスト国の団体、国内事務局/国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) |
代表理事:濵口 道成(JST) |
住所:埼玉県川口市本町4丁目1−8 川口センタービル |
プログラム開始:2007年 |
実施スケジュール:8月上旬ごろ1週間 |
募集人数:20名(派遣員約18名、派遣リーダー約2名) |
プログラム内容:アジア各国から集まった高校・大学生が著名な研究者の下、科学を学び交流を深める科学技術合宿 |
「アジアサイエンスキャンプ2022」募集要項
応募期間 | 2022年7月24日(日)~30日(土) |
対象 | 物理、化学、生物学、数学分野の科学に興味を持つ、高校2年生~大学2年生相当の学生 20名 |
選考プロセス | 過去の講義動画の視聴による課題、日本語か英語の作文課題 |
参加 | 無料 |