アジアサイエンスキャンプ│2025年はタイで科学技術合宿を開催
「アジアサイエンスキャンプ Asia Science Camp」(ASC)は、ノーベル賞受賞者を含む世界トップレベルの研究者の講演、講演者がリードするディスカッションセッションなどにより、アジア各国から集う学生が科学のおもしろさを体験し、参加者同士の交流を通じて向学心を高め合える合宿イベント。

ASCは、2002年ノーベル物理学賞受賞者の小柴昌俊東大特別栄誉教授とYuan T. Lee元台湾中央研究院長により提唱された、アジアの若者と著名な世界的研究者をつなぐ交流プログラム。
これまでの開催実績
2007年に台北市で第1回目が開催されたのを皮切りに、第13回目を迎えた2019年中国・汕頭市の開催では、アジア28の国と地域から計253名の高校・大学生の参加者が集いました。
コロナ禍以降は、2022年のオンライン開催を挟み、2023~2024年と中止が続いていましたが、2025年は久々の対面合宿をタイのスラナリー工科大学で実施する運びとなりました。
主催者について
また、「科学技術振興機構(JST)」が日本からの参加者の募集・派遣に係る事務局を担っており、選抜された派遣員20名はキャンプに無料参加することができます。
JSTとは、世界トップレベルの研究開発を行うネットワーク型研究所として、研究開発戦略の立案や研究成果の実用化推進といった幅広い事業に関わる国立研究開発法人。
科学技術イノベーションに資する次世代人材育成も事業の柱に位置付け、複数の育成プログラムを企画・運営するほかアジアサイエンスキャンプの国内窓口としても機能しています。
アジアサイエンスキャンプ2025 募集要項
主催 | ホスト国の団体、国内事務局/国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) |
日程 | 2025年7月31日(木)~8月6日(水)の6泊7日 |
開催地 | スラナリー工科大学(タイ·ナコーンラチャシーマー県) |
応募期間 | 2025年4月1日(火)~24日(木)※応募書類提出は4月29日〆 |
参加対象 | 自然科学(物理·化学·生物)または数学に高い意欲と秀でた能力を有する16才~21才、かつ高校2年生~大学2年生相当の学生 |
定員 | 20名(高校生中心) |
選考プロセス | 過去の講義動画の視聴による課題と作文課題(日本語&英語) |
推奨される英語力 | CEFR B1(英検2級程度)以上 |
参加費 | 無料 |
アジアサイエンスキャンプ2025│講義から観光ツアーまで盛りだくさんな5日間
例年8月上旬、約1週間におよぶキャンプが実施されますが、実質的な活動が予定されているのは、旅程の初日と最終日を除いた計5日間。
講義内容について
カリキュラムは年度により多少差がありますが、参加者は第一線で活躍する研究者(10名前後)による化学・物理・生物・数学分野などの講義(Plenary Sessions)を受講。
さらに、Parallel Lecturesでは、参加者は3クラスにわかれ、講師の講義内容に基づく質疑応答や議論を通してより主体的に学ぶことができます。
各自が興味関心のある講師の下に集まり、自由に質疑応答できるScientist Office Hourも設けられています。
見学ツアーも開催
プログラムの中日は会場を離れ、開催地の観光名所や歴史遺産などを巡る見学ツアーに参加。また、学生は各国混成グループにわかれ、英語で意見交換を行いながら所定のテーマに関するポスター作成に取り組みます。
プログラムの集大成となる最終日のポスターレビューでは、各グループは審査員に向けて独自のアイディアをプレゼンし、評価の高い12チームに対しては閉会式で金・銀・銅賞が贈られます。
アジアサイエンスキャンプ2025│高校生を主体に計20名を募集
アジアサイエンスキャンプの日本からの参加者は、高校2年生~大学2年生相当(16才~21才)を対象として計20名を募集。
派遣員メンバー20名は高校生を中心に構成し、若干名は大学生から選ばれます。キャンプ全体としては、アジア各地から約400名の高校生・大学生が参加する予定です。
応募時に提出する資料について
応募の際は、各種書類や英語・日本語の課題を提出。
提出書類としては、所属する学校の成績証明書のほか、教員による推薦書と学外活動の指導者・関係者(家族・自己推薦不可)が作成した推薦書が各1通ずつ必要です。
ただし、学外活動に参加していない場合は、教員作成の推薦書のみで構いません。
必要となる英語力
また、アジアサイエンスキャンプのプログラムは全て英語で実施されるため、応募時に英語関連の証明書提出(英検、TOEIC、TOEFL、IELTS、BULATS等)も求められます。
目安としては、CEFRでB1ランク(英検2級程度)以上の英語力を持つことが推奨されています。
提出課題ひとつ目は、過去のアジアサイエンスキャンプでの講義動画(選択制)を全編視聴したうえで、講義内容の要旨(700字以上850字以内・日本語)をまとめて、ディスカッションを想定した講師への質問とその理由(200語程度・英語)を記述。
作文課題では、自分自身の「これまでの科学の取り組み」(400語程度・英語)と、SDGsを踏まえた「将来の取り組み」(850文字程度・日本語)について作文を提出します。
アジアサイエンスキャンプ2025│参加費はすべて主催者やJSTが負担
2025年度の応募手順では、こちらの応募登録フォームを通じて4月24日までに登録を済ませます。
折り返し、応募書類一式がEメールで届くので、必要書類や課題を用意してJSTの指定URLへアップロードしてください。
この応募書類のアップロード期限は、4月29日(火)に定められています。選考結果は、6月上旬を目途に通知予定です。
ASCへの参加費用は無料、プログラム参加費はもちろん、旅費や滞在費も合わせてキャンプ主催者とJSTが分担して負担します。
2025年度の開催情報は、下記のリンクより確認を。