自分らしい進路、どうすれば見つかるんだろう…
自分の置かれた環境と可能性から、最適な進路を見つけたSENPAIたちを紹介していきます!
今回は、オランダの4つの理系トップ大学に合格したモモに、自分らしい進路選択について教えてもらいました。
SENPAI | ブルガリアから東京のインターナショナルスクールへ
ブルガリアから日本に来たきっかけは?
母がブルガリアの外交官として、4年間日本で働くことになったのがきっかけです。
G6(小学6年生)で来日し、東京・代々木にあるブルガリア大使館の宿舎で生活しながら、品川区にある「カナディアン・インターナショナルスクール」に通いました。
母の任務が終わった4年後、私は11年生になっていました。
そのタイミングでブルガリアに帰国する選択肢もあったのですが、ブルガリアの教育システムに戻るのは実際には簡単ではなくて。
ブルガリアの学校の試験はすべてブルガリア語で行われますし、インターナショナルスクールで学んだ内容とは相性が良くありませんでした。
そこで、12年生でインターナショナルスクールを卒業するまでは東京で過ごし、オランダの大学に進学することにしました。
日本語も上手ですが、どうやって学んだの?
東京のインターナショナルスクールでは時間的な余裕もあったので、約2年間「くもん」に通って国語を学びました。
その成果もあり、10年生で受けた外国人向け「日本語能力試験(JLPT)」では1級(N1)に合格しました。
学校では、友人たちと英語・日本語・韓国語などを交えてコミュニケーションしていたので、そういった環境も日本語を伸ばすのに役立ちました
英語は、ブルガリアにいるころから現地で有名な塾で英語を学んでいたおかげで、インターナショナルスクールでもあまり苦労はしませんでした。
インターナショナルスクールはどう選んだ?
個人的に、少人数制のスクールがいいなと思っていました。
先生や友人とのつながりをしっかり築きたかったので、その環境にマッチする少人数制のインターナショナルスクールに決めました
実際、インターナショナルスクールでは、親切で良識ある先生や友人に恵まれ、同級生みんなとコミュニケーションを深めながら過ごすことができました。
他のインターナショナルスクールでは交友関係が限られてしまうという話も聞いていたので、いまでもこの学校を選んで良かったなと思っています。
SENPAI | 日本からオランダにつながる大学選び
大学進学のために準備したことは?
高校の段階でブルガリアに戻るかを決めかねていたので、数学、物理、英語などの重要科目を11年生に前倒しして集中的に学習するようにしました。
また、同時にコンピュータサイエンスを学びたいという目標も定まっていたので、大学レベル(AP)の数学や物理に加え、プログラミングの学習も11年生の段階で取り組みました。
コンピュータサイエンス専攻であれば世界中に進学先がありそうだけど、なぜオランダを選んだの?
まず、オランダには故郷のブルガリアに移動しやすいというメリットがありました。
私はブルガリア国籍なので、EU圏の学生としてかなり安い学費で通えるのもメリットでした。
EU圏の学生は、日本などからの留学生とくらべ4分の1程度の学費で通えます
大学選びのポイントは?
オランダの4つのトップ理系大学に合格しながら、アイントホーフェン工科大学を選んだ理由は?
「アイントホーフェン工科大学 Eindhoven University of Technology」は、オランダ南部に位置する工業都市・アイントホーフェン(人口では国内5位の規模)にあります。
多国籍複合企業「フィリップス」をはじめ、トラックメーカー「DAF」、 住宅用アイテムメーカー「Brabantia」などの本社もあり、企業間の連携や研究が街全体で推進されているところが魅力に感じました。
これらの成長要素やインターンや就職などの将来性を考慮すると、アイントホーフェン工科大学がもっとも理想的な環境であると感じました
なるほど! でも、やっぱり規模感や企業数という点ではアムステルダムのような大都市が思い浮かんでしまうけど…
確かにそのようなイメージがありますよね。
ただ、私がリサーチした範囲ではアムステルダムは大学教育の質があまり優れていない印象を受けました。
それにくらべて、アイントホーフェンという街が将来に向けて革新的な発展を続けている姿に引かれました。
大学ランキングはどう活用すれば?
日本でも知名度のある「デルフト工科大学」とは迷わなかったの?
大学ランキングを見ると、デルフト工科大学の方が上位にランクインしており、同校の優位性を示す材料があることは認識しています。
ただ、実際に両校に通う現役生から話を聞いてみても、やはりアイントホーフェンに将来性があると判断しました。
アイントホーフェンの学生は、勉強と私生活のバランスが良く、地元の企業関係者とも接点が多いため、人脈形成にも適した環境であると感じたんです。
インターナショナルスクール選びと同じように、ブレない価値基準で進路を決めているのはすごい!
現役学生と知り合いになるには?
デルフトとアイントホーフェンの両方のオンラインセミナーに出席した際、現役生や卒業生が集うグループチャットを紹介されたので、そのネットワークを活用して情報収集を進めました。
SENPAI | アイントホーフェン工科大学での生活について
アイントホーフェン工科大学では、1年間が4タームにわかれていて、各期3コースずつ履修します。
進級のためには4分の3以上の単位取得が必要なので、なかなか忙しい毎日を過ごしています
今学期の履修科目では、プログラミングと微分積分学はAPで学んだ内容が役立っていて、とくに「推理論理学」に時間を割いて学んでいる状況です。
ほかの学生や教授との距離感はどのような感じですか?
正直、教授陣とはまだまだ距離を感じています。
いっぽうで、同期の学生とはオリエンテーションのころから何人かと仲良くなれたので、新しい環境でも助け合える友人が側にいてくれるのは心強いです。
SENPAIのコミュニケーションやネットワーキングのスキルはすごい! これも日本で培った体験が大きいの?
その通りです。
日本のインターナショナルスクールでは、小規模クラスをベースに、単に知り合うだけでなく日々コミュニケーションスキルを磨けたと実感しています。
SENPAIプログラム | EU圏の理系大学を目指す中高生を応援
SENPAI・モモから、大学進学に向けた進路サポートを受けることができます!
自分らしい進路選択を応援する「グローバルエデュ」では、国内外の現役大学生による進路サポートプログラム「SENPAIプログラム」を提供しています。
大学進学に必要な意思決定プロセスをグローバルな観点で実践してきたモモからは、学べることがたくさんあります
中高生をどのようにサポートしていきたいですか?
大学生と高校生では、基本的に思考回路にギャップがあると感じています。
大学生の立場では、「この選択が将来にどう影響するだろう」と意識しますが、高校生では将来まで考える余裕がなく、自身の体験に縛られて判断しがちでしょう。
それゆえに、高校生が直面する選択肢が将来にどう直結するかを意識づけできるようサポートしていきたいです
優秀さと謙虚さを兼ね備えたモモと、ぜひ有意義な学びの時間を過ごしてもらえればと思います