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【フィリップス・アカデミー】学業に部活に超充実…アメリカのボーディングスクールの1日とは?

田中 陸(米国・フィリップス・アカデミー10年生)
フィリップス・アカデミー在学2年目。クロスカントリー、水泳のvarsity(学校代表チーム)に所属し、毎日練習の日々。課外活動として、日本の文化を学校に広める「Andover Japanese Connection」の代表も務める

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アメリカのボーディングスクール | フィリップ・アカデミーはこんな学校

「フィリップス・アカデミー Phillips Academy」は、アメリカのマサチューセッツ州アンドーバーにある共学のボーディングスクール(寮のついた高校)です。

生徒数約1200人、世界45ヵ国から生徒が集まっていて、そのうち留学生は12パーセント。75パーセントが学校の寮に住んでいます。寮は、定員4人の小さい寮から50人ほど入る大きい寮もあります。

Phillips Academy, Andover, MA – Samuel Phillips Hall ©︎wikipedia

学年は9年生〜12年生まであり、そのほかにPG(Post-graduate)のコースがあります。これはすでに高校を卒業した人たちで、大学に入る前にさらに勉強したかったり、もう1年大学受験をしたい生徒のためのコースです。

アメリカのボーディングスクール | 学業に課外活動に、超充実した学校生活

フィリップスアカデミーの特色は、授業の選択肢がとても多いのに、ひとつひとつの授業は少人数制だということです。

生徒5人に対して教師は1人と教師の人数も多く、授業1クラスは10〜15人ほど。授業は約300のコースあり、学年相当レベルから大学レベルの授業まで自分のレベルに合わせて取ることができます。

また、この学校ではオンとオフの切り替えを大切にしています。平日は勉強やスポーツに費やしますが、休日はボストンやショッピングモールへバスが出たり、ダンスパーティーや寮ごとの食事会などアクティビティもたくさんあります。

私はいま10年生で、学校生活は2年目となりました。スポーツは秋にクロスカントリー、冬に水泳のvarsity(学校代表チーム)に所属して、毎日練習をして、毎週末対抗試合に費やしています。

©︎Phillips Academy Swimming & Diving

課外活動として日本の文化を学校に広める「Andover Japanese Connection」の代表も務めています。「I-Fest」という学校のインターナショナルイベントでは、おにぎりを作って販売して大好評でした。

朝から夜までスケジュールがびっしりですが、忙しい1日を終え、夜、寮で友達と愚痴を言い合ったり励まし合ったりするのが何より楽しい時間です。私はこの学校に入って、本当によかったと思っています。

このレポートを読んで、フィリップス・アカデミーやアメリカの高校生活に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

アメリカのボーディングスクール | フィリップス・アカデミーでの1日

<11月のとある金曜日>

7時…起床
シャワーを浴びて身支度をします。

7時30分…朝食
ルームメイトと一緒に食堂へ向かいます。朝食はパンや肉・卵料理やフルーツなどが並ぶバイキング形式で、注文すると目の前で焼いてくれるオムレツステーションも。私は、ブルベリーパンケーキ、ハムとチーズとほうれん草のオムレツ、パイナップルとクランベリージュースを選びました。

8時〜8時45分…1時間目(英語)
10人程度で向かい合って座り、意見を交換するディスカッション形式の授業。クラスメイト全員の顔を見て、意見を言ったり聞いたりできます。昨年度入学したばかりのころは、ディスカッションの流れがとても早く感じて、意見を言うタイミングをつかむのが難しかったですが、今年度はスムーズに発言できるようになりました。

この日の授業は、Mary Wollstonecraft(メアリ・ウルストンクラフト、イギリスの社会思想家)の書簡集を題材に、1800年代のフランスの男女の社会的な役割分担についてディスカッションしました。

8時55分〜9時40分…2時間目(化学)
理数系の科目は、ディスカッション形式ではなく講義形式の授業。理科には化学、生物、物理の科目があり、私は今年度は化学を選択しています。

化学のなかでも、化学を初めて取る生徒のための授業もあれば、大学レベルの授業もあります。私は化学が得意なので、「AP chemistry」という大学レベルの授業をとっています。この日の授業ではパウリの「排他原理」について学びました。

9時45分〜10時15分…カンファレンス
月、火、木、金曜日は「Conference Period」(面談のための時間)で、先生とアポイントメントを取り、授業のわからなかったところを質問したり、進路について相談したりする時間。この日は歴史の先生にアポイントメントを取り、宿題のエッセイの進め方についてアドバイスをもらいました。

10時20分〜11時05分…3時間目(中国語)
第二言語は必修科目で、私は中国語の授業を取っています。他にも、フランス語、スペイン語、日本語、アラビア語、ロシア語、ドイツ語、ラテン語、ギリシア語から選べます。この日の授業は、レストランでの会話を学びました。

11時15分〜12時…4時間目(歴史)
歴史の授業もディスカッション形式。社会科には、倫理、経済、哲学、宗教、歴史などの科目があります。私の取っている世界史では、15〜18世紀のヨーロッパについて学びます。その日の授業ではカトリック教会の権力について議論しました。

12時〜12時45分…5時間目(ランチ)
ルームメイトと待ち合わせして、食堂でランチ。私は5時間目がランチタイムですが、スケジュールにより5時間目か6時間目にランチタイムを取る人もいます。

食堂は2階にわかれており、1階には好きなものを選んで注文すると目の前で炒めてくれる「stir-fry station」や、焼きたてピザが食べられる「hearth station」、サラダバー、ドリンクバーがあります。2階は「home-style grill」があり、パエリアやサンドイッチやスープバーなどが選べます。この日は、ピザとスープを選びました。

13時05分〜13時50分…6時間目(数学)
数学は講義形式の授業が多いですが、コンピューターでソフトウェアを使ってグラフを描いたり、グループワークなどのインテラクティブな授業もあります。この日はグループワークで難問に取り組みました。

14時〜14時45分…7時間目(自習)
7時間目には授業は取っていないので、図書館で翌週の化学のテスト勉強。

15時15分〜17時…スポーツ
フィリップス・アカデミーでは、スポーツは必修の課外活動。私は秋期はクロスカントリーのチームに所属していました。

©︎Phillips Academy Boys Cross Country

私はもともとスイミングの選手なので、冬期のスイミングのシーズンに備えて肺活量を増やすためにクロスカントリーを選びました。練習では、高低差のあるアンドーバーの町を毎日10キロ走っていました。

17時〜17時30分…夕食
食堂は17時から19時まで開いており、クロスカントリーのチームメイトと一緒にチームディナーをとります。日本でも「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、アメリカでもチームで親睦を深めるために同じテーブルで食事をとります。この日はstir-fry stationで豚肉とほうれん草と玉ねぎの炒めものを注文し、ご飯の上にかけて食べました。

17時30分〜19時…自習
図書館は毎日21時まで開いているので、夕食後に立ち寄って宿題やテスト勉強をすることが多いです。この日は、数学のグループプロジェクトの宿題があったので、グループで図書館に集まって問題に取り組みました。

19時〜21時…臨時課外活動
翌日の土曜の夕方から、「iFest」という、生徒が自分の出身地を紹介するために名物料理を作って販売するイベントが開催される予定となっていました。私は「Andover Japanese Connection」という日本文化を広めるクラブの代表を務めているので、下準備で大忙しでした。

今回は鮭と照り焼きチキンの2種類のおにぎりを作ることになり、みんなで近所のスーパーマーケット「Whole Foods」に買い出しに行き、おにぎりの具を調理しました。

21時30分〜22時…寮
この日はルームメイトの誕生日でした。寮生の誕生日には寮全体で祝う習慣があって、とても大きいチョコレートケーキを寮生40人でわけ、ルームメイトの16才の誕生日を祝いました。その後、部屋でもソーダで乾杯しておしゃべりをしました。

22時…就寝
ルームメイトも私も翌日にクロスカントリーの試合をひかえていたので、消灯時間より前に寝ることにしました。

「Phillips Academy」公式サイト


【フィリップス・アカデミー】

  • 所在地:180 Main Street, Andover. Massachusetts 01810,USA
  • 学年:9年生〜12年生、PG(Post-graduate)
  • 生徒数:1200名

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