
アメリカのおすすめボーディングスクールが知りたい



米国在住パパの目線で、おすすめスクールを紹介していきますね!
米国パパ
ジョージワシントン大学院 教育・人材開発学部修了、米国在住。現在はEdTech企業に勤務しながら、アメリカ生まれの男女二児の父として奔走中。15年にわたりアメリカの教育業界に携わるなかで得た最新の知識やノウハウを活かしつつ、アメリカにおける義務教育や高等教育、そして多様性のある教育環境も含めた、よりよきアメリカの教育について探究しています。「アメリカボーディングスクール相談室」はこちらから うけつけています。
アメリカボーディングスクール | Q&A<基礎知識編>



まずは、ボーディングスクールに関する基本的な質問に答えていきますね
- アメリカには、ボーディングスクールは何校くらいあるの?
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およそ300校のボーディングスクールがあります。東海岸に多い傾向がありますが、全米各州に存在しています。
- アメリカでは、ボーディングスクールに通うのは一般的なの?
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高校卒業(K-12年生)までが義務教育かつ公立校無償のアメリカでは、私立ボーディングスクールに通う生徒の割合は0.1パーセントにも達しません。
ボーディングスクールに通う生徒は、公立校にくらべて少人数制できめ細かい指導のもと、質の高い教育と幅広い課外活動の機会を得ることを目的としています。
- ボーディングスクールを選ぶ理由は、よりよい大学に進学するため?
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学区内の公立高校(無償)に通うことがほとんどのアメリカでは、日本のような進学校や大学付属校は一般的ではありません。
公立高校卒業後の進路は、じつに多様です。いっぽう、ボーディングスクール生はほぼ全員が大学進学を目指します。
ボーディングスクールでは、教員は明確な目標に向けての指導が可能となり、生徒も同じ進路志望を持った仲間と学習を継続することができます。
また、大多数が大学から経験することとなる寮での共同生活を早期から行うことで、大学でリーダーシップを発揮する人材として成功する確率も高くなります。
- ボーディングスクール、どのように選べばいいの?
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アカデミックプログラムの内容、課外活動、学費、進学実績など基準となるさまざまなポイントがありますが、アメリカの広大さを踏まえて、学校のロケーションにも注意を払うべきでしょう。
個人的には、日本から直行便が就航する都市を推奨します。
航空会社の規定により、「Unaccompanied Minors」(同伴者のいない未成年者)は、国際線から国内線への乗り継ぎを許可されていない場合もあり、乗り継ぎが必要な地域は日本からの物理的・精神的距離も長くなります
直行便が就航する大都市は、日本以外の国へのつながりも多く国際的である利点があります。
- 学費はどのくらい必要?
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アメリカ全土のボーディング約300校の平均コストは、年間3万7590ドル(学費・寮費・食費)と言われています。
施設やプログラムがとくに充実した名門校では、年間6万ドル以上であることがほとんどです
- アカデミックイヤー(新学期、長期休暇など)について教えて
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アメリカのアカデミックイヤーは、8月または9月初旬に開始し、5月下旬または6月上旬に終了します。
おもな長期休暇は、春季、冬季、夏季休暇です。
- ボーディングスクールでのいじめが心配…
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多様化する世界で活躍する人材を育てるため、ボーディングスクールにおいてもDEI(ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン)理念を掲げ、生徒の教育に努めています。
ハラスメントやいじめを禁じる規則が定められ、生徒たちはお互いを尊重する大切さを学びます。
万が一問題が生じた場合は、躊躇せずメンターやカウンセラーに相談するように指導を受けます。
- 留学生はどのぐらいいるの?
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ここ数年はコロナ禍の影響で減少したものの、アメリカの高校の卒業資格を求める留学生の数は増加傾向にあります。
Fビザ(学生ビザ)で1年間以上通うことが可能な私立高校は、国際化にも積極的な場合が多く、全生徒の10〜20パーセントが留学生というケースも見受けられます。
- 奨学金は活用できる?
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ほとんどのボーディングスクールに何らかの財政援助の制度があり、多くの生徒が補助を受けています。
条件は学校によって異なるものの留学生に対して奨学金を提供する学校も少なくありません。
- 米国パパさんの選んだ学校ラインナップ、参考になります。どのような基準(視点)で選んだのでしょうか?
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今回選んだ5校 は、日本で暮らす子どもたちがボーディングスクールに進学することを想定して選択しました(テンスクールズを除いて)。
アメリカを東海岸、中部、西海岸の3エリアにわけ、地理的および文化的特色が鮮明となるように意識しています。
各エリア内で日本からの直行便就航がある都市近くにキャンパスがあるスクールを数校リストアップし、オフィシャルWebサイトを比較してアカデミックプログラム、課外活動、進学実績などを吟味しました。
また多様性への取り組みを重視し、週7日ボーディングが可能なことと国土安全保障庁からFビザ用I-20(入学許可証)発行が認可されていることも確認しています。
アメリカボーディングスクール | Q&A<進路&準備編>



ボーディングスクールへの留学は、長期的な視野で考える必要があります
- 日本人が米国ボーディングスクールを卒業すると、どのような進路が考えられる?
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スクールに通うアメリカ人生徒や他国からの留学生同様に、おもにアメリカのエリート大学への進学を目指すことになります。
ボーディングスクールでは、Matriculationと呼ばれる進学先大学リストを公表していることがほとんどです。
このリストにはアイビーリーグなどの名門私立大学や、ミシガン大学・カリフォルニア大学群などの名門公立総合大学などが含まれます。
- ボーディングスクールには何才から留学するのがいい?
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アメリカでは9年生(中学3年生)からボーディングを開始することが一般的です。
小中学生からボーディングスクールに通うことも珍しくはありませんが、寄宿せずデイスチューデントとして通学するケースがより多く見られます。
- 準備はいつから始めればいい?
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アプリケーション(出願)プロセスは、多くの場合、入学1年前の8月から始まり、入学年の1月で締め切られます。
その間に、標準テスト(SSAT、ISEEなど)、英語力テスト(TOEFL、Duolingoなど)、エッセー、英文成績証明書、推薦書、残高証明書などを用意し、面接の準備を行います
英語を母国語としない日本人の場合は、出願の数年前から英語力を高める準備が必要となるでしょう。
- いくつかの学校で5フォーム(11年生)といった表現がありますが、これはボーディングスクール特有のものですか? どのような単位になりますでしょうか?
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学校固有の学年単位の表現とお考え下さい。
例として「グロトンスクール」では6フォームが最終学年となり、12年生(高校3年生)と同義です。
たとえば同校カリキュラム卒業条件の「数学5フォーム」の場合、「数学を5フォーム(11年生・高校2年生)まで修了していること」を意味します。
- いくつかの学校で、Honors・Advancedコースが設置されていますが、これはどのようなものですか?
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学校によって定義が若干異なる可能性があるものの、Advanced・Honorsは、ともにより高度な内容を伴うコースのことを指します。
一般的には、Advancedは大学レベルの講義内容に対応しているコース、Honorsは高校レベルの内容をさらに高めたクラスと区別されます。
いずれのコースも、修了は学習者が高い理解度を有していることの証明となります。
- 人間開発コース(ケイトスクール)は面白そうだと思いました。これはケイトスクール特有ですか?
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社会貢献を行う人格形成を教育理念に掲げるボーディングスクールでは、課外活動などさまざまな形で人間開発(Human Development)の機会を提供しています。
ケイトスクールでは人間開発を学部(Academic Department)として設置、コースとしてカリキュラムに組み込んでいることに特色があります。
社会性と情動の学習(Social Emotional Learning:SEL) フレームワークを通して自己認識、責任、個人の成長、意思決定、民族性、コミュニケーションスキル、価値観の明確化などを学んでいきます。
アメリカボーディングスクール | Q&A<学校生活編>



ボーディングスクールに進学してからの生活を紹介していきますね
- ボーディングスクールの部屋はどうなってるの? ルームメイトはいるの?
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ひとり部屋、ふたり部屋、4人部屋などのレイアウトがあります。
下級生のうちはふたり部屋でルームメイトとの共同生活を学び、上級生になるにつれてシングルルームに移るような決まりを定めている学校もあります。
多くの寮には共同のリビングルームやキッチンがあり、自由時間に友人とくつろげるようになっています。
- 1クラスは何名くらいの生徒で構成されている?
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ボーディングスクールのクラスサイズは、公立高校にくらべてずっと小さく、5〜15名程度であることがほとんどです。
専門性が高まる上級生向けのクラスになるにつれ、より少人数になる傾向もあります。
- 英語のサポートはしてもらえるの?
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エッセーやリサーチペーパーなど、英語のクラスに関するサポートは教師から受けることができます。
学校によってはESL(英語を母国語としない生徒に対する英語教育)専任教師が、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングなどの語学研修を行っているところもあります。
- 友達ができるか不安…
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新しい環境において友達ができるかというのは、自然な心配です。けれども、その心配はおそらく入学初日に解消されるでしょう。
生徒同士でも学び教え合うコミュニティを形成することを意図するボーディングスクールでは、友達を作るためのプログラムが多数用意されています。
きっと、在学中に一生の友達に出会うことになるでしょう。
- 学校と親のコミュニケーションはどのように行われるの?
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保護者用のWebポータルを利用することが一般的です。
ポータルでは、スケジュール、キャンパスニュース、スポーツチームの試合日程・結果、成績や学費情報、カフェテリアのメニューなどにアクセスできます。
ニュースレターなど定期的な情報発信を行う学校も多く、保護者がキャンパスを訪れる機会があればいつでも歓迎を受けることでしょう。
- 部活はあるの?
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多くのボーディングスクールでは、部活への参加を義務づけています。
ただ、日本の高校と違い、アメリカでは学期ごとに行われる競技が変わるため複数のスポーツチームに所属することが少なくありません。
ボーディングスクールは生徒数が少ないため、希望するスポーツを体験できるチャンスは高いといえます
- 制服はあるの?
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ユニフォームを設定している学校もありますし、服装がカジュアルな学校もあります。
また、ドレスコードという形で授業があるときは、ブレザーとオックスフォードシャツ着用、それ以外はポロシャツなど、場面によって規定を設けている学校もあります。
- スポーツに強い学校はあるの?
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アメリカの高校スポーツでは、生徒数規模によって学校が所属するコンファレンスが異なります。
基本的に、在籍生徒数が多い公立校がスポーツに強い学校と言えるでしょう。とくに、多数の在籍選手を要するフットボールなどでその傾向は顕著です。
少人数制のボーディングスクールが、このような競技において強豪校とみなされることは稀です。
いっぽうで、ひとり一人に指導が行き届くボーディングスクール、とくにスポーツアカデミーにおいては、個人レベルで高い才能を発揮する生徒がより多く見受けられます。
- 大学への「学校推薦」のような制度はあるの?
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学生募集に非差別性や公平性を重要視するアメリカの大学では、特定の学校からの推薦制度を採用することは一般的ではありません。
いっぽうで、州立大学のなかには、一定の条件を満たす州内の高校生に合格を保証する制度を設けて、地域の発展に貢献しているところも存在します。
- 進路指導はどのようにしてもらえるの?
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おもに、学校専属のカレッジカウンセラーが行います。
進学プロセスを熟知したカウンセラーが生徒個別に指導を行い、それぞれが目標の大学入学に必要な要件を理解し自信を持って志願できるようアドバイスしていきます。
また、優秀な生徒が集まる名門校においては、多くの大学の入試担当者が訪問して学生募集を行います。