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中高生レポート㊱ | Tokyo-Frost Valley YMCA Partnership主催「サマーキャンプ」

しげこん。さん アメリカ・ニューヨーク州に住む中学2年生(アメリカではミドルスクールの7年生)。ルービックキューブ、読書、友達とのゲームが趣味

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米国で参加した2週間のサマーキャンプ

今回、僕が参加したYMCAキャンプについて紹介する。

2021年6月下旬〜8月下旬にかけて実施された、「Tokyo-Frost Valley YMCA Partnership」が主催するサマーキャンプには、2週間1セッションが4回で、小学校低学年から高校生まで合計350名以上が参加した。

僕が申し込んだのは、2021年2月末。人気のセッションは早めに予約が埋まってしまうので要注意。

例年、11月下旬にキャンプ参加者募集が「Tokyo-Frost Valley YMCA Partnership」公式サイトにて告知される。申し込み開始は12月1日で、同サイトから手続きできる。

ある日、母に「サマーキャンプに行きたいかどうか」を尋ねられ、参加期間が2週間と聞いて後退りしそうになった。

なぜなら、これまで参加したキャンプといえば、野球チームの4泊5日の合宿が最長で、14日間という長さをうまく想像することができなかったからだ。 これほど長い期間集団行動すると、飽きてしまうのではないかという心配もあった。

しかし、大自然のなか、カヌーやロッククライミングなどさまざまな行事が予定されていると聞き、またホームページに掲載されている写真を見ながら、心配よりも楽しみのほうが上回った。そして結局、参加申し込みすることにした。

自然を満喫するために準備したモノ

アクティビティに必要なロープや宿泊用の衣類など、1週間前から準備をはじめた。

衣類は汚れにくいものは使い回し、下着やTシャツなど汚れやすいものは2週間ぶん用意しなくてはならなかった。

コロナ感染を避けるため、洗濯機の使用が禁止されていたからだ。

キャンプ中は、携帯や電子機器の使用などは禁止されていた。それもスクリーンタイムをゼロにできる、いいルールだったと思う。

キャンプ場は自然に囲まれていて、ハイキングに行ったり、近場の湖でボートを漕いだりする予定もあり、水着や虫よけスプレー、虫などに刺されないように長そで長ズボンも必要だった。

ほかにもキャンプファイアーなどといった楽しいイベントのための懐中電灯や、カレー作りに必要なルーや米などをウキウキしながら準備をした。

およそ500名と寝食を共にする巨大キャンプ場

キャンプ場は家からかなり遠く、父が2時間もかけて車で送ってくれた。

朝8時の集合時間に間に合うよう、早起きをした。

目的地にたどり着くと、チェックインを待つ列に人ほどの人が並んでいた。 日本人だけではなくアメリカ人も多数いて、同じキャンプ場をさまざまな団体が利用していた。

施設は、合計で500名収容できるようになっているそうだ。他の団体に所属するグループとは野外活動で多少交流があった。

僕が参加したのは、「東京YMCA」というおもに日本語を使用するキャンプだったが、同時期に現地アメリカのYMCAキャンプも実施されていた。そのため、フィールドやさまざまな遊び場は共有スペースとなっていた。

多くの人と接触する可能性が高いため、コロナ禍の2021年はほかのグループと遊ぶ場合はマスク着用は義務化されていた。

そのルールを、みんなが一致団結して守っていたことも嬉しかったことのひとつだ。

見た目や話す言語、年齢も多様な大人数の集団で、一体感が生まれているのを感じる瞬間だった。ほどよい緊張感が心地よかった。

新しい仲間との出会い

荷物を係員に預けたあと、体育館へと移動し、この2週間で一緒に過ごすグループが決められた。基本的には同じ年齢の人が同じグループにいた。

ひとつのグループには、リーダー、サブリーダー、CITという役割があり、僕らよりも年上の人がその役を務めていた。

CITというのは、翌年のサマーキャンプでサブリーダーになるための練習をする人のことだ。 僕は「トトログループ」に入ることになったが、ほかにも「ドラえもん」や「さくらんベリー」、「あめちゃん」などといった名前のグループがあった。

僕はけっこう早めに会場に到着したため一番手だったが、あとに数人がやってきて、荷物が宿泊所に届くまで、みんなでトランプをして待っていた。

このキャンプが初めての人や、僕の友達のように、すでに何回もキャンプなどを経験している人もいた。いわばベテランだ。

なかなか使い勝手がよかった2階建ての宿泊所

宿泊所は2階建てだった。下の階に玄関とちょっとしたロビーのような場所があり、そこには暖炉もあったため、その火を使ってマシュマロを焼いたりもした。

マシュマロを刺す棒は外で拾ってきた枝を火で消毒をして使った。

2階には、トトログループと、あめちゃんグループでひと部屋3〜4人ぶんの部屋が割り当てられた。

ベッドは2段で、そこまで広くはなかったが、各ベッドの下に服やバッグなどを入れられるスペースがあり、かなり使い勝手がよかった。

荷物が届き、部屋も決められた。僕は運よく学校の友達と同じ部屋になった。

部屋に荷物を置いたら、外で円になり、サッカーボールで蹴った相手の名前を言うゲームをやった。一緒にいるうちに、新しく出会った仲間の名前も徐々に覚えていった。

僕は初めてだったため、一緒に過ごす仲間や、グループリーダーなどに、あれこれ質問した。

基本的にはグループ行動だったため、ひとりになることは一度もなかった。

初日は新しい仲間と話すこともなかったが、いろんなゲームや遊びをやっているうち、互いに打ち解け、仲良くなっていった。

楽しく、あっという間だった14日間

キャンプで2週間を過ごすなか、毎日朝かならずやることがある。そう、走るのだ。

キャンプ場はすごく広く、フィールドが真ん中にあったので、その周りを8分間走ることになっていた。ラジオ体操もあり、毎日7時には集合しないといけなかった。

それらが終わると、朝食を食べに行く。食堂のような建物があり、ご飯はひとつのグループに決められたものが運ばれてくる。もちろんおかわりすることもできた。

朝食を食べ終えたら、決められた予定に従っていろんなことをした。

ハイキングやボートに乗ったりもした。 午後になると、休憩タイムのようなものがあり、持ってきた本やカードゲームなどで遊んだ。

そして、午後にも何かアクティビティをやる。僕的には全部楽しかったが、一番好きだったのは、とある小さい壁のついたフィールド内でボールを地面におき、それを手で弾きあうゲームだ。

ボールが自分の足に当たったり、自分がはじいたボールが場外に行ってしまったりした場合はアウトとなり、最後に生き残った人が勝つというゲームだ。

ほかのキャンプチームに所属するアメリカ人も途中で参加してきたりして、盛り上がった。

時間はあっという間に過ぎていった。18時ぐらいになると、夕食を朝と同じ食堂で食べ、夜になるとイベントが催された。

初日にはグループリーダーたちの紹介芸があった。

グループリーダーの名前には「ゼロ」や「虎」のように本名とは違う愛称が使われていた。

これらを利用して、あだ名の由来当てクイズをやってくれたのだ。最終的には、ゼロは零、虎は大虎(英語ではTigerと呼ぶ)から取ったことを教えてくれた。

夜のイベントでは、ドッジボールをやったり映画を見たこともあった。夜のイベントが終わったら宿泊所に戻り、主催者側から配られた日記を書く。

これはキャンプが終わったあとでも振り返りできる思い出を残すためだ。今でもまだ僕の部屋に飾ってある。

あとはシャワーを浴びて寝るだけだ。しかし、シャワーもひとつのグループにつき、1ヵ所のみ使用可能であったため、ひとり3分で終わらせなければならなかった。

自分の番が来るまではみんなでUNOをやって、負けた人には顔に落書きをする罰ゲームつきだった。これも毎日の楽しみだった。

それから翌日早起きするために、22時には寝る。

こうして毎日を過ごしたが、意外にも、とくに家族のことを思い寂しくなることはなかった。みな優しく、とても話しやすかった。相手の話をよく聞き、また、自らすすんで話しかけることで友達を作ることができた。

さまざまな出会いと体験に満ちたキャンプ

このキャンプは、毎日家で過ごす日常とは大きく異なり、一変した生活を体験できるのが利点だと感じた。

新しい友達との出会いや、くたくたになるまで体を動かす機会は貴重だ。同時に、日常生活から離れ、いい気分転換でもある。また、規則正しい生活習慣が自然と身につく。

さらに、いままで体験できなかったボートなど、さまざまなことに出会い体験できる。

これらの経験は、まるで豪華なおでんの具のようだ。美味しい出汁が取れていて、どれを食べても頬が落ちそうなほど心が躍る。ぜひ多くの人にこのキャンプを勧めたい。

2022年は新型コロナウイルスに対する規制もずいぶん緩和されるそうだ。受け入れ参加人数も増えると聞いている。

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