カンボジア親子留学 | コロナ禍を経て留学をスタート
わたしと8才の息子は、2022年8月からカンボジアの「キリロム国立公園」へ親子留学にきています。
ちょうど20年前、学生生活を終えてまわりが就職活動をしているなか、とくにやりたいことも特別なスキルもなかったわたしが、日本のNPOが主催する短期ワークキャンプに参加したことがカンボジアとの出会い。
すぐにカンボジアの魅力に圧倒され、帰国後ワークキャンプでの受け入れ先だった現地NGOに長期滞在を決めました。
1年間滞在し、語学はもちろんカンボジアの生活や文化にも触れ、わたしにとってカンボジアが第二の故郷になりました。
そんなカンボジアにいつか息子を連れて行きたい、また住んでみたいと考えていたところ、父が候補のひとつとして見つけてきた場所が、ここキリロムでした。
ある程度カンボジアを知っているとはいえ、キリロム自体ははじめて。
山のなかでとても不便なところということもありましたが、逆に日本では都会暮らしのわたしにとって子どもと自然の中で過ごすことにとても魅力を感じ、迷わずここに決めました。
現在息子は3年生ですが、本来は小学校入学のタイミングで留学をスタートする予定でした。
ところが、それがちょうど2年半前、コロナが日本でも世界でも流行り始めた時期だったのです。そのため泣く泣くいったん延期、タイミングを見計らっていたところこの夏の出発となりました。
結果として、日本の小学校も親子して経験できたので、こちらでの生活や教育とくらべることができたのでよかったと思えますが、延期を決めた当初は「いつまで渡航できないのか、あきらめるべきなのか」とかなり落ち着かなかったです。
そのためか、カンボジアに着いたときには、息子がひと言「やっと来ちゃったね、カンボジア」とつぶやくくらい、待ちに待っての留学スタートでした。
親子留学DATA
子どもの年齢 | 8才(3年生) |
留学先 | カンボジア・キリロム国立公園 |
留学期間 | 4週間(2022年7月) |
子どもの英語レベル | ほぼゼロ |
コスト | 航空代金→片道約11万円(大人1人+こども1人)、学費→入学金約9万円(620ドル)、授業料約6万3000円(435ドル、給食費込み)、滞在費/1ヵ月→約12万円(家賃、3食込み)、海外旅行保険→約40万円(2名分)、VISA代金→ひとり35ドル、VISA延長料金→686ドル(2名分、手数料込み) |
カンボジア親子留学 | 静寂と冒険に溢れる留学生活暮
現在わたしたちが滞在しているのは、キリロム国立公園という広大な山のなかに日本人がつくった、全寮制大学、リゾート、インターナショナルスクールが併設された場所です。
宿泊施設や学生寮もあるので、わたしたちのような親子留学生やスタッフ数組(いまは約8世帯ほど)が同じ敷地内のドミトリーに住んでいます。
ここには日本人、カンボジア人に加えて、インドやフィリピンなどさまざまな国から来ている先生や生徒、従業員がいるため、インターナショナルスクール外でもそういった言葉や文化の違う人と関われるのもここの魅力のひとつです。
息子は、月曜日から金曜日の朝8時から夕方16時まで、敷地内にあるインターナショナルスクールに通い、わたし自身は日々のんびりと過ごしています。
食事も3食提供され、週に一度のランドリーやルームクリーニングもあるので、やらなくてはいけないことがありません。
木々に囲まれて、ほんとうに何もない場所で本を読んだり、こうやって何かを書いている時間は贅沢そのものだなと毎日感じているところです。
こどもたちも学校が終わると鬼ごっこをしながら帰ってきたり、通り道にあるプレイグラウンドで遊んだり。
みんな近所に住んでいるので、お互いの家でゲームをしたり。通学路が森の中なので登下校がすでに冒険です。
カンボジア親子留学 | 食事は3食みんなで食べます
食事は、朝昼晩と3食、学生やスタッフ向けの食堂でみんなでいただきます。
カンボジア料理やインド料理(インド人のシェフがいて本格的!ナン専用の窯があってとってもおいしい)を、ときに学生さんや先生、その子どもたちと一緒に食べるので、日本でふたりで食べていた食事より格段においしいです。
とはいえスパイスやハーブがきいたものが多く(それがわたしには魅力的ですが)、小さな子どもたちにとっては少し辛すぎることもあり、各家庭家で料理することもあります。
前述したとおり、いまは時間がたっぷりあるので、山の下にある町(クルマで30分かかります)の地元の市場で食材を身振り手振りで購入し、覚えたてのカンボジア料理やときどき日本食を作るのが楽しみのひとつ。
パックされた商品はなく、値段も貼っていないので、言葉の通じないわたしはほしいものを指さして値段を電卓に打ってもらい、ときには値切り交渉をしての買い物です。
カンボジア親子留学 | 休日は自然や都会の空気も満喫
週末やカンボジアの祝日は、もちろんキリロムでのんびり過ごすこともできます。
リゾートのアクティビティ(有料)を楽しんだり、子どもたちはプールに入ったり。
先日はバギーを借り、近くの村まで遊びに行きました。途中360度木だけの景色は圧巻。ほかにも、自転車で滝を見に行ったり、ピクニックしたり、ここでも十分楽しめます。
それでも、ときに都会にでて買い物したりしたくなるので、だいたい月に一度くらいはクルマで3時間ほどの首都・プノンペンに出て過ごしています。
カンボジアはまだまだ発展途上と思われがちですが、プノンペンではたいていのものが揃います。
日本では見たことのない大きさのイオンモールもあり、日本の食材や調味料を買うこともできるし、ダイソーやノジマも入ってるので日用品も購入できます。
ここ数年での物価上昇に加えて、現在は円安なのでビックリする値段のものもありますが。
わたしたち親子はまだプノンペン以外の都市にはいっていませんが、週末を使って他の州に行くこともできます。カンボジアは小さな国なので、移動距離が短いのも魅力的。
海のある州やアンコールワットを見に行った、なんて話もよく聞きます。わたしたちも1年の滞在中にできるだけたくさんの州を訪れてみたいなと思っています。
(文と写真/平岡真智子)