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 【コロナ留学10】留学生向け奨学金も豊富…イノベーションの拠点・イスラエル留学の現在

起業大国(スタートアップ・ネイション)として、その革新的技術や起業家精神が全世界から注目を集めているイスラエル。人口あたりのベンチャー起業件数は世界一、イノベーションの拠点として輝きを放つ同国は、留学先としても注目されています。イスラエル留学の現在について、イスラエル大使館広報官・バラク・シャインさんに話を聞きました

[box type=”shadow” align=”” class=”” width=””]コロナ禍にあるイスラエルの現状(2020年12月17日現在)

  • イスラエルのこれまでの感染者数の合計は、35万7627万人(イスラエル保健省サイト
  • 現在、イスラエル留学に必要な学生ビザは、一定の条件を満たすことで取得可能。ただし、イスラエル到着後は、PCR検査と到着後の14日間の隔離措置は必須

※ただし、感染状況により緊急措置が取られる可能性もあるため、常に最新の情報を入手のこと

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Contents

コロナ禍にあるイスラエル留学の現在

現在、イスラエルには、一定の条件を満たせば学生ビザを取得して留学目的で入国できますが、入国後は14日間の隔離やPCR検査などは必須となっています(最新ビザ情報は「イスラエル大使館」ビザ申請ページで確認できます)。

各教育機関は、研究活動を継続するために定められた基準を満たしていることをイスラエル保健省に証明し、許可を得ています。ただ、研究室での作業など出席が不可欠な科目を除いて、ほとんどの授業はオンラインで行われているため、研究活動には制限のもと実施されているような状況です。

今後は、コロナの状況が収束していくことで、教育機関での活動や留学生活も平常化していく見込みなので、イスラエルの新学期が始まる8月中旬を念頭に留学計画を検討してもらえたらと思います。

【関連サイト】イスラエル留学の最新情報が入手できる「Study in Israel」

「Study in Israel」サイトからダウンロードできる、コロナ禍における留学状況をまとめた冊子の表紙の一部。

また、2020年度は一時的に休止されているものの、イスラエル政府は、日本を含むさまざまな国からの外国人学生を支援するために、さまざまな奨学金を提供しています。

これらの奨学金については、「イスラエル大使館」文化部にて提供していますので、イスラエルでの留学環境や興味のあることはもちろん、不安なことがあれば気軽に問い合わせください。

世界に開かれているイスラエルの大学

イスラエルに留学する大きな魅力は、オープンでユニバーサルな環境のなか、学問を探究する楽しみを体験できることです。

このような環境は、ユダヤ人社会が教育を至上のものとしてきた伝統、そして絶えまない発展を重ねていくことを奨励するイノベーティブな教育的土壌から生み出されたものです。

イスラエルの教育の特色は、幼児教育から高等教育まで一貫した政府主導のもとにあり、教育者はアイデアとイニシアチブをもって学びに取り組み、学生たちは枠にはめられることなく、他者と異なる意見と考え方を持つよう奨励していることです。

とりわけ高等教育は、とても国際的かつ学際的です。学生の2〜3割が世界中からの外国人留学生で占められている国立大学もあり、イスラエルの公用語・ヘブライ語を学ぶことなく、英語のみでほとんどの専門分野(とくに科学技術分野)が学べ、博士号まで取得することが可能です。

イスラエル南部地区のベエルシェバに拠点を置く国立大学「ネゲヴ・ベン=グリオン大学」のキャンパス。

イスラエル人学生の多くは流暢に英語を話し、外国人に対してもオープンなので、生活するうえでの不便も少なく、すぐにたくさんの友人と交流できるようになるでしょう。

いっぽう、ヘブライ語を学びたいと考えている留学生には、大学が実用的で体系化されたヘブライ語クラスを提供しており、それぞれのレベルに合わせて学ぶことが可能です。多くの学生は、1年ほどで自分の専攻分野の授業を聞いて理解できるようになります。

また、イスラエルのすべて大学は近代的な学生寮を備えており、外国人学生も入寮できます。寮の生活では、さまざまな国からのいろんな専門分野にバックグラウンドを持つ学生たちと生活を共にする経験は、生涯の財産になることは間違いありません。

最先端技術から芸術まで幅広く学べる

学際的(いくつかの学問分野にまたがること)という点では、イスラエルの大学では多くの学生がダブルメジャーを選択しています。日本でいう文系・理系の垣根を超えて、考古学と生物学、心理学とコンピューター科学などを同時に履修する学生もめずらしくありません。私自身も、イスラエルの大学で生物学と東アジア学を専攻し、午前中はラボ室でタンパク質や脂肪酸の実験を行い、午後には中国語のクラスで漢字を学ぶ時間を過ごしていました。

学問は相互に補完し合うものですし、世界に視野を広げ、型にはまった考えに囚われないためにも、学際的であることはとても重要視されています。イスラエルの研究施設で学べば、世界的な科学者が日本の古典文学にも精通していることに、きっと驚くでしょう。

日本からイスラエルへ留学する場合、かつては考古学や聖書学などの人文学分野が中心でしたが、近年イスラエルのイノベーションが注目されてきたことに伴い、先端技術やビジネスなどを学ぶために留学する人も少なくありません。

いずれの分野においても、各大学では気鋭の学者を抱え、学生たちに惜しみない指導を行なっており、世界でも第一級でありながら気さくで温かい教授たちと専門的な議論を交わすことは、素晴らしい刺激になると思います。

イスラエルには、総合大学のほか、世界的な芸術家たちが教鞭をとる「ベツァレエル美術デザインアカデミー」で美術やデザイン、「テルアビブ大学ブーフマン・メータ音楽院」で音楽を学ぶ学生もいます。

最良の結果を達成するために試行錯誤を繰り返す空気は、外国からの留学生の成長をさらに促すことになるはず。イスラエルのオープンでユニバーサルな環境の中で、学問を探究する楽しみを体験してもらえたら嬉しいです。