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そもそも「グローバル教育」とは?
前回は「国際バカロレアの概要」について書きましたが、今回はちょっと寄り道をして「海外におけるグローバル教育」について紹介したいと思います。
まず、「グローバル教育」とはどのようなものなのでしょうか。
多くの人は「国際社会で働くことができる力を養うための教育」、あるいは「海外の人たちと対等に生きていく力を身につけるための教育」と考えると思います。
もちろんそのとおりですが、なかには「英語力を身につけること=グローバル教育」と考える人もいるかもしれません。
日本において「グローバル教育」が語られるとき、「英語力」の問題も同時に取り上げられるので、どうしてもそのような錯覚が起こりがちです。
でも、英語が話せれば国際社会で活躍できるでしょうか? 答えはもちろんノーですよね。
英語を巧みに操っても、言語以外の能力や人間性が劣っていては、国際社会での活躍はあり得ません。
「グローバル教育」を考えるとき、英語は必要条件であっても、国際社会で活躍するための能力とは別のものだということをしっかりと認識しておく必要があります。
そして、この「英語力を身につけること=グローバル教育ではない」という認識は、海外のグローバル教育を理解するのに役立ちます。
「世界標準の能力」を身につける
ときどき「海外でのグローバル教育とはどのようなものですか?」と質問をもらうことがありますが、いつも答えに窮してしまいます。
なぜなら、英語圏でのグローバル教育は「ほとんど意識されていない」と思っているからです。
英語を身につけている人たちには、生まれたときから世界全体(ちょっといい過ぎかもしれないので「英語圏全体」といっておきましょうか)が自分たちが活躍する可能性のある舞台となっているのです。
ですから、彼らは「グローバル」という概念をとくに意識する必要がありません。
また、英語圏ではさまざまな国の人々が留学や仕事、あるいは移民としてやって来るので、日常生活で多民族や異文化の交流が自然に行える状況にあります。
日本のように努力して、あるいはお金を出してまで国際感覚や異文化を学ぶ意識をもつ必要がないのです。
その代り、どのようにして自分の能力を世界標準レベルまで引き上げ、自分自身に価値をつけていくかということが重要となります。
…と、結論付けてしまっては今回の話はここで終わってしまうので、これから「グローバル教育」という枠組みではなく、子供たちの能力を伸ばすために行われている海外の取り組みをいくつか紹介していきます。
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