海外ボーディング高校 | 日本の教育システムの枠組みで海外で学ぶ
海外には、それぞれの国の教育法に基づいた現地校以外にも、国際的なカリキュラムに沿って学ぶインターナショナルスクールのほか、「在外教育施設」と呼ばれる、海外に住む日本人の子どもたちに、日本の学校教育法に準じた教育を提供することを目的に設立された学校があります。
世界には、このような文部科学省による認定を受けた日本人学校が100校近くあるほか、日本の私立校が海外分校として作った学校もあります。
これらの海外分校は、日本の教育システムの枠組みにありながらも、現地の文化や言語も学べる環境が魅力となっており、海外駐在中の日本人や日本にルーツのあるファミリーの子どもたちが在籍するほか、日本から学生ビザを取得して留学できる学校もあります。

学校 | 慶応義塾ニューヨーク学院 | 早稲田渋谷シンガポール校 | スイス公文学園高等部 | 立教英国学院 | 帝京ロンドン学園高等部 |
生徒数 | 約420名 | 約320名 | 約130名 | 約180名(小学5年生から高校3年生) | 約50名 |
学校の種類 | 通学・ボーディングの選択制 | 通学・ボーディングの選択制共学高校 | ボーディングスクール | ボーディングスクール | 通学・ボーディングの選択制 |
教育言語 | 9割の授業が英語で行われており、日常会話レベルの英語力は必要 | 基本的に日本語 | 日本語と英語(校内の公用語は英語) | 高校から英語を使った授業が始まる | 基本日本語(卒業までに全員が英検2級以上を取得することを目指している) |
校外アクティビティ | ブロードウェイでのミュージカル鑑賞、ショッピングモールへのツアー、美術館や博物館など | 1年生はマレーシア、2年生はオーストラリアにて研修。「シンガポールに学ぶ」という視点で現地の教育機関との交流も盛んに行われる | カナダ・スイスの高校との交換プログラム、スイス・ドイツ・オーストリア・イタリアなどへの年数回の旅行行事 | ウィンブルドンテニス観戦、ロンドンの町を1日かけて見学するアウティング(高学年は真夜中に学校に戻ってくる)、生徒会が毎学期主催するショッピングなど | 1年生の宿泊研修旅行ではイギリス南部へ、秋のコース別研修旅行はイタリア・フランス・ドイツ・スペイン等へ行く。学期中に2泊3日のホームステイを実施 |
進路 | ほとんどが慶応義塾大学への進学 | 早稲田大学への推薦(20年度は81名)が8割 | 日本の大学、海外の大学 | およそ4分の1が海外の大学へ進む、系列大へは全体の半数程度 | 日本の大学への進学が大半。海外の大学と内部進学も一定数ある |
出願期間 | 9月 | 11月、12月 | 12月、1月、2月 | 11月、1月 | 11月〜12月、1月 |
入試日程 | 10月〜12月 | 12月、2月 | 12月、2月、3月 | 12月、1月 | 12月、2月 |
試験会場 | ニューヨークまたは東京 | 東京とシンガポール | 横浜、大阪、 | 立教池袋中学校・高等学校、立教英国学院 | 帝京大学板橋キャンパス、帝京ロンドン学園 |
学費 | 約460万円(4万3850ドル)、別途入学金として3700ドル | 1年生/約263万円(3万4085.18Sドル)、2、3年生/約210万円(2万7200.18Sドル)、寮費は1学期につき男子寮/29万円(3710Sドル)~49万円(6310Sドル)、女子寮/約29万円(3785Sドル)~約50万円(6440Sドル) | 約550万円(4万8000スイスフラン ※寮費1万1000スイスフランを含む) | 約358万円(2万6100ポンド) ※別途入学金3400ポンド、施設費(入学時のみ)3510ポンド | 通学生/約198万円(1万4300ポンド)、約211万円(1万5610ポンド、サッカーコース)、約227万円(1万6800ポンド、アートコース)、寮生/約317万円(2万3430ポンド)、約335万円(2万4740ポンド、サッカーコース)、約350万円(2万5930ポンド、アートコース) |
海外ボーディング高校 | 海外にある5校とは?
今回は、「海外にある日本の高校」5校を紹介していきます。
- 慶應義塾ニューヨーク学院…米国ニューヨークにある、共学制の4年制高校。全員が慶応大学に進学できる。日本から出願可能
- 早稲田渋谷シンガポール校…シンガポールにある共学制高校。早稲田大学に8割が進学できる。全体の半数が寮で生活している。保護者が海外に居住している人のみ出願可能
- スイス公文学園高等部…スイスのスキーリゾート地で知られるレザンにある、全寮制共学校。日本から出願可能
- 立教英国学院…英国ロンドン南方ギルフォード近郊にある。小学5年生から高校3年生が学ぶ、全寮制共学校。卒業生の半数以上(25名)が立教大学へ推薦で進学。日本からの出願可能
- 帝京ロンドン学園高等部…英国ロンドン近郊にある共学校。アートコースやスポーツコースがある。日本からの出願可能
上記の5校の海外分校のうち、日本から受験できるのは早稲田渋谷シンガポール校(早稲渋)を除いた4校です。

また5校のうち、スイス公文学園高等部(公文)以外の4校が大学の付属・系列校であり、全員~半数が推薦枠で進学できるのも魅力となっています。
海外ボーディング高校 | 新学期は? 気になる学費は?
5校のうち、慶應義塾ニューヨーク学院(慶應NY)は9月、公文は7月、それ以外の学校は日本と同じ4月が新年度となり、入試も秋から冬にかけて実施されます。
いずれの学校も日本で受験できるほか、現地でも受験可能。

気になる学費は、ボーディングスクールというこtもあり日本の高校よりも高くなり、基本的に現地の通貨で支払うことになります。
寮費を含めた1年間の学費は、下記のとおりです。
- 慶應義塾ニューヨーク学院…4万3850ドル(約460万円)
- 早稲田渋谷シンガポール校…4万9610.18シンガポールドル(1年生男子、約383万円)
- スイス公文学園高等部…4万8000スイスフラン(約555万円)
- 立教英国学院…2万6100ポンド(約358万円)
- 帝京ロンドン学園高等部…2万3430ポンド(一般コース、321万円)
上記以外にも、年間で複数回かかる現地までの往復の飛行機代をはじめ、現地でのお小遣いやオプショナルなアクティビティへの参加費など、さまざまなコストがかかってくるので、プラス年間100万円〜を見積もっておいたほうがいいでしょう。
海外ボーディング高校 | 海外ならではの充実した学びの場
海外のボーディングスクールで過ごすからには、やはり異文化体験や英語力の獲得に期待してしまいますよね。
慶応NY以外は在外教育施設認定校であるため、カリキュラムは文部科学省の学習指導要領に基づいて編成されてはいるものの、可能な限りネイティブによる英語授業を実施したり、Cultual studiesに力を入れています。
※慶応NYは在外教育施設指定校。卒業生は日本の高校卒業資格、NY私立高校の卒業資格を得られる

公文の校内公用語は英語なので英語の習得は不可欠ですし、早稲渋も英語の授業では議論できるレベルを目指しています。
帝京は地元での職業体験や現地校通学体験、ホームステイなどの英語を実践する場を重視、立教も年3回までのホームステイや週4時間の少人数英語授業などを実施しています。
もちろん学校には現地のスタッフもおり、現地でのボランティア活動や課外活動などを通じて、英語を生きた言語として学べます。

海外ボーディング高校 | 進学先は系列大学や海外大などさまざま
これらの学校に通う生徒は、卒業後はそのほとんどが大学に進学。系列大学に推薦で進学するケースも多く(慶応NYは100パーセント、早稲渋は8割、立教は半数以上)、海外での充実した高校生活に加え有名大学もセットで進学できるのも魅力となっています。
系列大学を選ばなくても、進学先は日本国内・海外とさまざまで、どちらを選ぶにしても目標を叶えるためのサポートが用意されています。
各校ともさまざまな魅力がありますが、2020年はコロナ禍により現地に学校見学に行くことができません。
その代わり、現地からオンライン説明会を開催している学校もあるので、今年は日本にいながら多くの情報を収集できるチャンスでもあります。
下記にて、各校の入試の日程や会場などもまとめておきましたが、変更される可能性もあるためご自身で確認してみてくださいね。