アメリカの大学が主催するサマースクールにして、キャンパスの雰囲気や学びを体感してみたい!
大学のプレカレッジプログラムは、進路を左右する大きなイベントです。希望のプログラムを見つけて、ぜひ参加してくださいね!
米国大学が実施する2024年のサマースクールの状況は?
2024年は、全面的に対面式=オンキャンパスでのプログラムが実施されます。
ただ、コロナ禍を契機に導入されたオンラインコースも並行して実施する大学も多く、対面・オンラインの両方から選択できる状況です。
サマースクールの募集期間や開催時期は?
大学によって異なりますが、プログラムの内容が発表されるのが毎年だいたい12月〜1月くらい、募集期間は1月〜6月くらいとなっています。
サマースクールの開催時期は、アメリカの高校生の夏休み期間に合わせた6月中旬〜8月中旬くらいまでが多くなっています。
アメリカの高校生の多くが6月〜7月に参加しますが、東アジアの高校生も参加しやすい日程もあります
日本の夏休みは7月後半〜8月後半、中国は7〜8月、韓国は7月の終わり〜8月末までが夏休みなので、これらのエリアの高校生も参加しやすい7〜8月にかけて実施されるプログラムもあります。
どのくらいの期間から参加できる?
プログラムによりさまざまですが、2週間以上が目安になります。
単位が取れるものでも最短2週間以上となっており、それらのコースでは大学の講師や学部生と一緒に本格的に大学での学びが体験できるのが魅力となっています。
大学側も、高校生が勉学に没頭するのに最適な期間を設けており、大学の印象を高める努力をしていることから、進路選択にも影響する貴重な時間となるでしょう。
どんなプログラムがあるの?
サマースクールでは、それぞれの大学のキャンパスライフを体感しながら、大学での学びを先取りすることができます。
学部レベルの授業を大学の講師から直接指導を受け、単位を取得することを目的としたコースから、非英語圏の中高生向けに英語を高めることを目的としたESL(English as a Second Language)的なクラス、さらにはアートやSTEMに興味のある人向けの特別プログラムまで、さまざまなコースがあります。
たとえば、人気の「ブラウン大学」では、2024年は寮滞在で300コース、オンラインで80コース提供する予定です
300コースの難易度や開講期間はさまざまで、たとえばESL的なプログラム「アイディアを文字にしてみよう」というライティングのクラスは2週間、アカデミックな内容が学べる「研究や医療に使える生物学」は6週間で提供されます。
オンラインコースのメリットは?
オンラインにも寮滞在型にもそれぞれメリットとデメリットがあります。
大学での学びを五感で体感したければ、やはりオンキャンパス(寮滞在型)が適しています。
いっぽう、オンラインプログラムには世界中からより多くの生徒が参加でき、割安で参加できるというメリットもあります。
航空券代を計算に含めないとしても、オンライン形式なら40~50パーセント割安なコストで参加可能です
オンキャンパスとオンラインが同じコース内容で実施されるかは大学により異なり、オンラインの参加人数を多く設定している(=参加しやすい)大学もあります。
オンラインだと、録画での講義が中心となるコースでは受講生の都合に合わせて受講できるのもメリット。
ただ、オンラインであっても、コーネル大学のように学部単位も取得する難関プログラムでは、教員が指導できる人数に限りがあるため、参加が難しい傾向にあります。
成績は大学の合否に影響する?
アメリカの大学は、高校生がサマースクールでいい成績を残しても大学の合格を保証しませんが、選考にプラスになるケースも確かに存在しています。
たとえば、難関サマースクールのスタンフォード大学「Summer humanities institute」(人文社会科学)は、高2と高3を対象としたプログラムでは、スタンフォードの講師から指導を受け、いい成績を残すことが選考に影響すると大学のサイトにも明記しています。
いっぽう、ブラウン大学のように「Pre-Collegeは大学の学部入学を目指すプログラムではありません」と明記している大学もあります。
また、UCバークレーのような単位取得を目的としないサマースクールでは、大学のキャンパスライフを体感したい人や大学との相性を知りたい人が参加します。
英語力や高校での成績など一定のレベルは求められるものの、難易度はそれほど高いとはいえません。
応募に必要となる書類とスコアは?
サマースクールでは、応募動機などに関するエッセイ、学校の成績表、そして非英語圏の中高生にはTOEFLなどスコアが求められることが多いのですが、これもコースにより異なっています。
難易度が高いコースほど、適性を測るために審査も厳しくなります
たとえば、コーネル大学のプログラムではTOEFL iBT100点以上、SATのリーディングとライティング650点以上などのスコアも必要になるプログラムもあります。
UCバークレーでは、TOEFLのペーパーテスト(日本では受験できない)のスコア600点以上、TOEICやGREなどの多くのテストスコアを受け付けるコースもあるいっぽうで、ESL的なクラスではスコア提出が求めらないコースもあります。
TOEFL受験が間に合いそうもない…
また、TOEFL以外にも「Duolingo English Test」のスコアで参加できるコースもあります。
Duolingoは、所要時間は1時間、結果通知まで2日と短く、3000校以上もの教育機関で導入されています
ほかの英語試験は200ドル以上かかりますが、Duolingo English Testはスコアとインタビューが59ドル。こちらで参加できるプログラムを探すのもありだと思います。
TOEFL iBTは、会場受験は週末に実施され、結果が出るのも6日間かかるので、スコアがない人は早めに申し込みをして準備を進めるといいですね。
成績表の準備はどうすればいい?
アメリカでは、GPA(Grade Point Average)という5段階評価が高校や大学で使われています。
日本から参加する場合は、学校の先生からオフィシャルな成績表を英語に翻訳してもらい、提出することになります。
今年高校生になる人は、在籍していた中学校に発行してもらうことになるかと思いますが、卒業してからももちろん対応してくれるので、早めに問い合わせたほうがいいでしょう。
応募などで注意すべき点は?
某大学のプレカレッジプログラムでは、参加許可をもらっていたのに、大学から支払い方法の連絡がなかったため参加できなかった、というトラブルを聞きました。
このような事態はあまり日本では考えられませんが、アメリカの大学の対応は日本とは違うので、メールの返事が遅かったり、対応が適当なこともあります。
言い方を変えると「こちらの間違いにも寛大」ということ。
もし、連絡が滞ってしまった場合、学校にフォローアップのメールを送るのが手っ取り早いかと思います
メールを送る場合は、保険として担当者のみならず、大学の他の連絡先にも「CC」を入れて同時に複数の宛先にメールを送るなど、自分の申し込みが守られるような対応をしておくといいでしょう。
渡米する場合、ビザは必要?
サマースクールの場合、3ヵ月以内で週18時間を超える就学であれば学生ビザ(J1ビザ)の申請は必要となっていますが、電子ビザ「ESTA」でサマースクールに参加している人も少なくないようです。