英語教育に力を入れる東京都・江戸川女子高校から、カナダの大学を目指した高杉采良さん。高校3年の冬、日本の大学受験を終えて進路に迷っていたときに出会ったのが、 “カレッジから大学へ編入する”というカナダ独自の進学制度でした。
安全で自然豊かな環境の中、少人数制のAlexander Collegeで学びをスタートし、現在は大学編入を目指す采良さん。
海外進学ラボ海外進学を「無理せず、自分のペースで実現したい」という彼女の道のりを伺いました
海外進学を考えたきっかけ|現実的な選択として見えてきた“海外大学”
高校3年の冬、日本の大学受験を終えたあと、進路に迷っていた采良さん。母親がアメリカの大学へ留学し、帰国後英語教師として働いていた影響で、幼い頃から「いつか自分も海外で学びたい」という憧れを持っていたといいます。



小さい頃から海外に憧れがありました。母の話を聞いて、“私も行けるかも”と思ったんです
最初はアートを学びたいと思っていましたが、将来性や学費の面から「現実的に進路を考えたい」とビジネス系に方向転換。
ただし、カナダではビジネス分野では数学の成績の提出が必須だったため、まずはカレッジで基礎を固めながら、英語や大学の授業スタイルに慣れるという選択をしました。
高校生活と探究|英語科での学びが“海外進学の土台”に
埼玉出身の采良さんは、英語教育に特化した江戸川女子高校英語科(現・国際英語科)に進学。ネイティブ教師による授業や、英語でのプレゼン・ディスカッションが多く、英語を使って自分の考えを発信する機会が豊富でした。


しかし、コロナ禍で予定されていた海外研修が中止に。
「やっぱり自分で海外に行きたい」という気持ちが強まり、 受験の結果を待つ12月頃には、海外大学進学への想いを固めていました。



英語で学ぶ授業が多かったので、海外で学ぶイメージが少しずつ具体的になりました
進学先をカナダに決めた理由|安心・安全・そして“暮らしやすさ”
留学先の候補には、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどがありましたが、最終的に選んだのはカナダ。
理由は、安全性・費用・自然環境のバランスが良かったから。





アメリカは憧れがあったけど、学費が高くて治安も不安でした。カナダは自然がきれいで、安心して暮らせる場所だと感じたんです
実際に暮らしてみると、バンクーバーは公共交通が発達しており、夜でも安全に帰宅できる落ち着いた街。春は桜、秋は紅葉が美しく、気候も穏やかで過ごしやすいそうです。
ショッピングモールには日本食レストランも多く、 「海外でも日本と同じような安心感がある」と感じたといいます。
情報収集と出願準備|“カレッジから大学へ”という新しい道
2023年8月にAlexander Collegeに入学した采良さん。「少人数で先生に質問しやすい環境」「日本人スタッフのサポートがある安心感」など、留学生が学びやすい環境に魅力を感じたと語ります。


大学への編入フェアやボランティアイベントも充実しており、「留学生でも進路の選択肢が広がる場所」だと実感したそうです。
生活面ではホームステイを選び、もし環境が合わない場合も現地のエージェントを通じて変更できる柔軟な仕組みが整っていました。





Alexanderは初めての留学先としてちょうどよかった。先生も友達も近くて、何でも聞ける雰囲気がありました
勉強・スコア対策|英語漬けの毎日でつかんだ“慣れ”と自信
渡航前に英検準1級とIELTS 6.0を取得していた采良さん。それでも最初の数週間は、授業を聞くだけで頭がいっぱいになったと話します。



最初の3ヵ月は本当に大変でした。英語を聞いて、理解して、発言するだけで精一杯。でも“慣れる日”が必ず来ます!
3ヵ月ほど経つと授業にも自然とついていけるようになり、 1年後には“英語で考える”ことが当たり前に。
Alexander Collegeが独自に提供しているライティングや数学のチューター制度を活用し、 苦手分野を克服しながらカナダトップ大学編入基準を満たすGPAを維持しています。


授業は出席率・発言・小テスト・中間・期末・プレゼンなどで総合評価される絶対評価制。努力を重ねるたびに成果が見える実感が、モチベーションにつながっているそうです。
進学決定と今の想い|自分に合った環境で、“自分のペースで”学ぶ
カレッジで学ぶ中で、采良さんの周りにはより大規模な公立カレッジに編入していく友人もいました。
ランガラ・カレッジなどの大規模校は専攻コースの選択肢が多く、専攻変更や幅広い分野への挑戦がしやすいのが特徴。実際に、友人の中にも「専攻を変えるためにランガラに転校した」という学生がいたそうです。



大きな学校にはいろんな専攻があるんです。専攻を変えたい友達は、そこでまた新しい挑戦をしています
一方で、采良さん自身は少人数制で先生との距離が近いAlexander Collegeの環境が「自分にはすごく合っていた」と話します。
教授に質問しやすく、日本人スタッフのサポートもあり、初めての海外生活でも安心して学びを深めることができたといいます。



わたしは大規模よりもアットホームな環境の方が合っていました。Alexanderは面倒見がよくて、本当に最初の留学先としてぴったりでした
現在は2025年12月の卒業を目指し、Education Planner BCを通して複数の大学への出願を進行


奨学金や学費の条件も考慮しながら、ビクトリア大学の3年次編入を目標にしています。旅行で訪れた際に感じた街の美しさと落ち着いた雰囲気が、「ここで学びたい」という気持ちを強く後押ししたといいます。



ビクトリアは自然が多くて、現地の人も温かい。ここで勉強したいと思いました
カナダで育つ“自立心”と、後輩へのメッセージ
留学生活で一番変わったのは、自分で決めて行動する力。親や友達がいない環境で、毎日の生活を自分の力で回すことで、自然と自立が育まれました。
現在はJapanクラブのプレジデントとしてリーダーシップを発揮し、ボランティアにも積極的に参加しています。





“編入ルート”は、海外進学をもっと身近にしてくれる道。いきなり大学に行くより、自分のペースで慣れていけるし、不安があっても、支えてくれる人がたくさんいます
編集部より
高杉采良さんの話から伝わるのは、**海外進学が“特別な挑戦”ではなく、“現実的な選択肢”**になっているということ。
少人数制のカレッジで基礎を固め、大学編入を目指すという道は、心して海外での学びをスタートできる新しいモデルです。
「無理せず、自分のペースで世界へ」。そんな進路のかたちは、これからの海外進学のヒントになるはずです。
進路に迷ったら、相談もできます。
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