英検®準1級を受ける人が、年々増えています。
2024年度の受験者数は 約19万8863人。この10年間で、なんと約8倍に増えました。
英語の試験対策は、単なるスコアアップにとどまらない──。
6人の中高生が英検準1級に合格するまでのプロセスを見ていくと、そこには「自分で学ぶ力」や「他者と関わる力」など、非認知能力の成長がくっきりと浮かび上がってきます。
この記事では、6名それぞれのリアルな合格ストーリーから、共通する”学び方”のポイントを読み解きます。
エデュコさん英語学習や検定試験のその先を見据える中高生・保護者のみなさんへ、進路と成長を支えるヒントになれば幸いです
6人の合格者プロフィール
| 名前 | 合格時の学年 | 学校の特色 | 英語開始 | 特徴・進路志望 | 
|---|---|---|---|---|
| E.I.さん | 高1(7月) | グローバル教育一貫校 | 中1 | 慶應志望/マーケ職志望/丁寧な積み上げ型 | 
| K.E.さん | 中3(11月) | 男子校(帰国生多数) | 中1 | UWC志望/3ヶ月集中型/TED活用派 | 
| M.F.さん | 中2(2月) | 英語特化校/塾併用 | 5歳 | スピーチ多数/トビタテ留学/夢=国連職 | 
| S.N.さん | 高1(6月) | 公立中高一貫/課題研究重視 | 小1 | TOMODACHI/海外大or国際開発分野へ | 
| H.S.さん | 高1(2月) | 私立女子校→留学 | 4歳 | 留学経験→英検1級/AO入試合格者 | 
| S.S.さん | 中2(2月) | 英語特化の新設校 | 4歳 | 自走型/学校主導でステップアップ | 
英語学習のスタートはみんな違う。でも「学び方」で差がつく
合格者たちのバックグラウンドは実に多様。早期スタート組もいれば、中学から本格的に始めた人も。しかし、重要なのはスタート時期ではなく、その後の学び方にありました。
- E.I.さんは中学から英語を始め、同級生の刺激と学校の環境を最大限に活用 →記事を読む
 - K.E.さんは中1で英語に目覚め、中3で一気に準1級まで引き上げた集中型 →記事を読む
 - M.F.さんは5歳から英語環境に親しみ、スピーチ経験を通じて表現力を育てた →記事を読む
 - S.N.さんは公文からスタートし、公立校でも自ら機会をつかんで飛躍 →記事を読む
 - H.S.さんは英会話教室→海外留学→面接満点と経験の積み重ね型 →記事を読む
 - S.S.さんは学校主導の仕組みと友人との励まし合いで合格 →記事を読む
 



英語開始時期の早さよりも、“いまこの瞬間の学び方”の方が合格に直結するのです
2級→準1級の壁をどう超えたか?
6人全員が「準1級は簡単じゃなかった」と口を揃えます。
- 語彙レベルの高さ
 - ライティング・面接の思考力
 - モチベーションの継続
 
この壁を越えた人たちは、例外なく「自分なりのやり方」でブレイクスルーを起こしていました。
- K.E.さん:夏休み1日6時間のTEDシャドーイング →記事を読む
 - E.I.さん:「でる順パス単」とアプリを併用し、移動時間を最大化 →記事を読む
 - M.F.さん:書いて覚える派。ノート2冊分の単語記録で語彙満点 →記事を読む
 - S.N.さん:2回の不合格から粘って3回目にCEFR C1レベルで合格 →記事を読む
 - S.S.さん:学内の再テスト制度&直前2日間の英語漬け →記事を読む
 - H.S.さん:留学経験を活かし、TOEFL単語で対応。ライティング&面接満点 →記事を読む
 



合格への道は一直線じゃない。試行錯誤こそが実力を育てる
4技能をバランスよく伸ばす
準1級は、4技能すべてで高いスコアを求められます。
どれかが突出していても、苦手分野が足を引っ張る。6人の合格者は、「自分の弱点を認識し、全体を底上げする」学習を意識していました。
| スキル | 主な取り組み | ポイント | 
|---|---|---|
| リーディング | 時事英語や過去問の長文を精読 | 構文と要約力を鍛える | 
| リスニング | TED、BBC、過去問音源 | シャドーイングで耳と口を連動 | 
| ライティング | 過去問と添削を繰り返す | テンプレート化して構成を磨く | 
| スピーキング | オンライン英会話や模試練習 | 意見+理由を一貫して話す | 
M.F.さんは、「読む・聞く・話す・書くをバラバラにやらない」と決めていました。TEDで興味のある話題を選び、それを英作文にしたり、家族に英語で説明したり。



学んだ内容をすぐに自分の言葉に置き換えることで、4技能のバランスを自然に整えました
👉 M.F.さん:英検準1級→合格までのリアル③|スピーチ大会からトビタテ留学まで、世界を広げた中2の挑戦
不合格から学んだ“分析の力”
6人のうち3人は、一度不合格を経験しています。でも、その失敗を「やる気が続かなかった」では終わらせませんでした。



公式には発表されていませんが、英検準1級の合格率は約15~16%との見方が多く見られます
E.I.さんは、初回の2次試験で沈黙してしまった経験を振り返り、「何を話せばいいかではなく、“どう伝えるか”を意識するようになった」と話しています。
👉 E.I.さん:英検準1級→合格までのリアル①|グローバル教育一貫校で英語をスタート、中1で2級→高1で準1級合格
次の試験では、自分の意見を「理由+例」で説明する練習を重ね、見事リベンジ合格。彼らは、不合格の原因を“感覚”ではなく“データ”で分析していました。
ライティングの構成ミス、リスニングの取りこぼし、時間配分。数字で課題を見える化することで、次の行動が明確になっていたのです。
非認知能力がグッと育つ瞬間
6人に共通して見られたのが、「自分で学ぶ力(非認知能力)」の伸び。とくに以下の4点が印象的でした。
自己管理力(スケジューリング・継続)
- 毎朝の単語テスト(S.S.さん)
 - 自分に課題を出す先生と二人三脚(M.F.さん)
 - 英語漬け生活を自ら設計(K.E.さん)
 
モチベーション設計力(目標・ごほうび)
- 「準1級合格→トビタテ応募へつなげたい」M.F.さん
 - 「英語で世界が広がった実感がモチベ」S.N.さん
 
他者との関係性(刺激・支え)
- 同級生の合格に刺激を受けてスイッチ(E.I.さん)
 - 留学先で日本語授業を担当し“伝える力”UP(H.S.さん)
 - 校内で同じ目標をもつ仲間と高め合う(S.S.さん)
 
問題解決力(自分なりの攻略法を構築)
- ライティングは型で対応。苦手を得意でカバー(E.I.さん、S.N.さん)
 - 語彙が厳しいからこそ、過去問分析→頻出単語だけ覚える作戦(K.E.さん)
 



試験対策を通じて、テストスコア以上に「生きる力」が鍛えられている
合格の先にある“成長”
英検準1級の合格は、6人にとってゴールではありませんでした。その後、英検1級、TOEFL、IELTSなど次の挑戦に進んでいます。
とくに印象的だったのは、「英語を学ぶ姿勢そのものが変わった」(H.Sさん)という言葉です。
👉 H.Sさん:英検準1級→合格までのリアル⑤|留学がくれた「伝える力」― 英検面接で生きた経験値
K.E.さんは「勉強が“テスト対策”から“自己投資”に変わった」と話し、S.N.さんは「英語を通じて、世界とつながる感覚を得た」と語っていました。
👉 S.Nさん:英検準1級→合格までのリアル④|国際プログラムで世界を体感。グローバルな出会いが英語学習の原動力に
準1級の学習を通じて、彼らは英語力だけでなく、計画を立ててやり抜く力を手に入れていたのです。
合格後に広がった“世界”と“自信”
英検準1級はゴールではなく「新しいステージの入り口」。合格した6人は、次の挑戦へと自然に歩みを進めていました。
- トビタテ留学JAPANへの応募&派遣(M.F.さん)
 - UWC奨学生への出願(K.E.さん)
 - 英語で情報収集→進路研究の幅が拡大(S.N.さん)
 - 英語1級、TOEFL97点、総合型選抜で合格(H.S.さん)
 - 海外ボランティアへの参加(S.S.さん)
 



準1級が「可能性の扉」を開ける。その先には、世界も、進路も、夢もある
あなたに必要なのはどれ? 英検準1級《合格のコツ》シリーズ
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あなたに伝えたいこと
英語が得意だから合格したんじゃない。 英語を“自分のもの”にする力が育ったからこそ、合格できたんだ。
今から英語を始めても遅くない。 2級でつまずいても、やり方を変えれば突破できる。
自分に合った方法を見つけて、試して、また変えて——その過程こそが、君の“自分で学ぶ力”を鍛えていく。
英検準1級は、英語の実力だけでなく、「進路を自分で選びとる力」を育てる挑戦でもある。
だからこそ、試験のその先を見据えて、一歩踏み出してみよう。
6人のストーリーからも分かるように、英検準1級は“使える英語力”を試す登竜門。級別の特徴や最新スケジュール、大学入試での活用法は
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