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海外進学 Picks 11/8号|英国大早期出願が過去最高・カナダ留学生60%減・米OPT課税法案の波紋

「海外進学ラボ Weekly Picks」は、グローバル進学に関心のある中高生・保護者向けに、世界の教育ニュースを厳選してお届けしています。進路のヒントが“5分”で見つかる週刊特集です。

今週の海外進学Picksは、「教育と移民の再構築」をキーワードに、世界の動きを追いました。

英国では早期出願が過去最高を記録し、国際的な進学意欲の高まりを反映。一方カナダでは留学生受け入れを大幅に制限し、持続可能な移民政策とのせめぎ合いが続いています。

米国ではOPT留学生への課税法案や、中国の大学拡大がもたらす修士課程の変化が議論を呼び、フィンランドでは自然と触れ合う教育が子どもの免疫や幸福に好影響を与えることが確認されました。

進路の選択肢を「社会の動き」から読み解くヒントが詰まった号です。

グローバルエデュは、親子で“納得できる進路選択”を応援する教育メディアです。2025年より海外進学ラボを新設し、Q&Aライブラリや進路相談、イベントを通じて、海外進学を目指す中高生と保護者をサポートしています。

Contents

英国大学への早期出願数が過去最高レベルを記録、留学生は高比率30%を占める

英国大学出願のための共通プラットフォーム「UCAS」が発表したデータによると、2026年度入学の早期出願者(10月15日締切分)は昨年度より7.4%増加に相当する7万9160人を記録したことがわかりました。

これは、早期出願者数のピーク2022年度(7万7810人)をも上回る過去最高の記録です。また、英国以外の出願者数2万4350人が全体の約3割(前年比11.5%増)を占めており、10月時点の出願数増加の主要因であることも読み取れます。

国別では、中国からの出願者数が昨年比15.8%の伸びを記録し、他国を大きく引き離して英国留学市場の最大シェアをキープ。同市場シェア2位と3位の米国とシンガポールもそれぞれ15%以上の伸び率を示しました。

副編集長 城

現状、コストや制度改革の面で英国留学にポジティブ要素のみが揃うわけではないですが、他の国や地域との比較を経て英国の大学が優先的に選ばれていると推察されます

出典リンク

フィンランド教育、自然に囲まれて学ぶ保育環境が子どもの健康面にも好影響

フィンランド都市部の10の保育園に通う3才~5才児75名を対象に実施された調査によると、周辺をアスファルトや砂利で囲まれた通常の保育園で過ごす幼児と、「再野生化」された自然豊かな保育園で過ごす幼児では、免疫システムの発達に明確な違いが生じることが明らかになりました。

具体的には、緑に囲まれた保育園で遊んで学ぶ子どもたちの方が、皮膚に病原菌が少なく、免疫の重要な役割を担う血液中T細胞も増加していることが判明。科学界の有力な仮説、「アレルギー疾患の増加は、幼少期において自然界の微生物に接する機会が少ないことに起因する」を支持する結果が得られた点も注目に値します。

フィンランド政府は、保育園を緑豊かな環境に改装する助成金を提供しており、今後ますます屋外メインの保育園や託児所の整備が進むと考えられます。

副編集長 城

多様な微生物との関わりによって真の健康が成り立つという視点が、知恵と健康を育む幼児教育の実現に役立ちそうです

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2025年上半期カナダへの新規留学生数が60%減少、一連の移民制度改革を強く反映

カナダ政府が公開した8月末日時点の最新データによると、2025年1月~8月間に入国した新規留学生は、2024年同時期と比べて約60%減少していることがわかりました。この受け入れペースは、国が設ける就学許可証の年間上限を大幅に下回ると見られています。

カナダ政府は、住宅·インフラ·サービスの不足を緩和し、一時滞在者を含む国内居住者に適切な雇用機会を提供する「持続可能な移民制度改革」の成果を強調。実際、現カーニー政権は2027年までに一時滞在者を5%に抑えることを目標に据え、就学許可上限の下方修正や留学生に対する経済的要件を引き上げるなどの施策を講じてきました。

政府公認移民コンサルタントのMcDonald氏は「今回の政府発表は、留学生急減についての懸念が共有されていない」と国際教育業界との現状認識のギャップを問題視しています。

副編集長 城

一連の制度変更によって、老舗語学学校の閉鎖などカナダの国際教育市場は逆境に直面しているようです

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米国上院議員がOPT留学生への免税措置を廃止する法案を提出、二極化思考への懸念も

Tom Cotton米国上院議員は9月末日、オプティカル·プラクティカル·トレーニング(OPT)を利用して働く留学生に対する免税措置の廃止を求める法案を提出。本来、この免税措置は、留学生が米国の社会保障制度の対象外となる点を加味して採用された背景があるようです。

仮に同法案が実現した場合、留学生とその雇用主の双方に対して約8%の追加課税が発生。留学生の手取りが減少するだけでなく、企業が留学生を雇うことによる採用コストの優位性も失われる見通しです。

こうした動きについてボストン大学のChris Glass教授は、「OPTは特定地域のエントリーレベル職の競争率を押し上げつつも、STEM分野に波及的な雇用創出をもたらしている」としてOPTの廃止や制限が国内労働者にとって良いこと尽くしではない実情を指摘しています。

副編集長 城

OPT制度変更が実現しないとしても、一連の不確実性の高まりが留学生の進路選択に影響を及ぼすことが想定されます

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米専門家分析、中国の大学数増加の波及効果が米国修士課程の長期的成長要因に

研究者約2000名が集う非営利団体National Bureau of Economic Researchのメンバーがまとめた新研究によると、米国修士課程の成長の約15%相当は、ここ数十年で中国の高等教育が拡大し続けた波及効果に起因している可能性が示されました。

本調査は、中国の大学卒業生が100名増えるごとに、平均3.6人の中国人学生が米国の大学院に進んだ実態や、特にSTEM分野において集中的な恩恵が生じていたことを明かしています。

また、共同研究者の1人は、中国人留学生の存在が、他国や国内の学生に向けた補助金を実質的に支えていたこと、地域雇用を促進する需要拡大を担っていたことなど多方面への波及効果に着目。今後、中国人留学生数が減少する場合「その影響は、短期的な授業料収入の減少というかたちですぐに表れる」と指摘しています。

副編集長 城

相互に支え合う関係性が揺らぐことで、多方面に負の影響が及ぶリスクも考慮する必要があります

出典リンク

次回予告:

留学選択肢の増加、コストへのシビアな価値観なども影響し、英国の大学にとっても留学生ニーズの把握は重要事項です。

そうしたなか、学生の母国でのキャリア形成を支援しようとする英国大学の動向に注目が集まっています。

世界の教育と日本をつなぐ
“確かな窓”でありたい
Weekly Picks 執筆・監修/ 城 圭一郎

教育メディア「グローバルエデュ」副編集長。国際教育・進路支援を中心に、世界の教育システムや最新動向を日本の家庭にわかりやすく届ける記事を多数執筆・編集。これまでに手がけた記事は500本超。正確な情報と多角的な視点で、進路選択と学びの可能性を広げるメディアづくりに取り組んでいる。

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