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中高生レポート⑮ | TAKTOPIA ×立命館アジア太平洋大学共催「Lingua Franca English Camp 2018」

今田恭太(静岡県・私立高校1年生)

教育と地域振興に興味があり、研究中。今年は研究分野に関するイベントを開く予定です。テイクアクション部では、たくさんの人と交流していろんな考え方を身に着けたいです

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アートを通じて英語力を磨くプログラム

2018年3月26日(月)、27日(火)の2日間に渡り開催された、「Lingua Franca (リンガフランカ)English Camp 2018 in Tokyo」に参加してきました!

このプログラムは、「立命館アジア太平洋大学」(APU、大分県別府市)と、グローカルリーダー育成プログラムを提供する「タクトピア」(東京・千代田区)とのコラボイベントとして、アート(芸術作品)を通して、創造力の養成や英語スキル、プレゼンテーション技術の向上を目的に実施されました。

会場となる「立命館大学」東京キャンパス(東京駅のすぐ隣のビル)には約20名の高校生が集まり、9時からプログラムが開始。これからの2日間を過ごす仲間たちとの出会いにドキドキしていたところ、最初に行われたのは「アイスブレイク」。

3つのアクティビティを通して、仲間たちや海外大学生との交流を深めました。

指示された10のキーワードをもとにそれぞれが絵を描き、ストーリーを作るアクティビティでは、同じキーワードでもそれぞれまったく違うストーリーの絵を描き、会場内は笑いで溢れました。

参加者は、一人ひとり価値観や考え方が違うこと、自分の思っていることを伝えることの難しさを実感。翌日に予定されていたプレゼンテーションへ期待と不安を感じました。

日本で得られる情報は限られている

続いて行われたのは、「Global Talk」。APUから、タイ、ネパール、ソマリアからの3名の海外留学生がファシリテーターとして参加。さまざまなバックグラウンドを持つ留学生が話すそれぞれの国の話を通して、先入観や偏見を解き、新しい価値観に触れることが目的でした。

一番驚いたのは、ソマリアから来た大学生の話。日本でのソマリアへのイメージは「危険」ですが、じつは最近はそうではなく、安全になってきているそうです。日本で得られる情報は限られており、さまざまな視点から物事を考えることの大切さを確認しました。

タイの大学生からは、首都バンコクの正式名称についての話で会場は大盛り上がりしました(バンコクの正式名称は「クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」だそうです)。

語源から英単語を学ぶのは楽しい

そして、講師による「英語指導とパブリックスピーキング指導」。

英語指導では、今回はアートを分析するのが目的のため、形容詞を中心に語源からたくさんの単語を学んでいきました。

「語源による学習法」とは、単語のそれぞれの文字がどのような意味を持ち、その単語を形成しているかを学んで覚える方法。語源知識等を使いながら何度も単語を記憶し、参加者は楽しみながら覚えていました。

僕は、これまで語源による学習法はキャンプ参加以前はまったく聞いたことがなく、日本語の漢字の「へん」や「つくり」のように英語も共通する部分で作られていることを知りませんでした。

休憩ごとにミニテストがあったのですが、みんな最初のほうは苦戦していましたが、最後のほうになるとみんなスラスラ言えるようになっていました。

効果的なプレゼン方法で「伝え方」を学ぶ

「パブリックスピーキング(Public Speaking)指導」では、人前で話すときの話し方を学びます。

昨今、「プレゼンテーション能力」はますます重要視されているように感じますが、話し方だけでなく、効果的なジェスチャーの指導やmetaphor(比喩)を用いる方法を、「TED Talks」のプレゼンターの動画を見ながら学びました。参加者は動画を分析したり、実践することでさまざまな技術を会得しようとしていました。

僕は人前で話すのは好きですが、プレゼンテーションはあまり得意ではありませんでしたが(身振り手振りとか目線とか、考えることが多いので)、今回多くのことを学べたので、さらに自分のスピーチに自信が持てるようになりました。

また、学校にいると、自分の英語力がどれくらいなのかなかなかわからないですが、このプログラムに参加して自分のレベルを再確認できました。中学2年生で英検準1級を取得していた男子もいて、普段は会うことのできない人たちとの出会いもまた、僕をやる気にさせてくれました。

アート作品からストーリーを創り出す

2日目は、参加者でペアを作り好きなアート作品を選び、それぞれの作品を分析しオリジナルストーリーを作成しました。

限られた時間の中でストーリーを考えるだけでなく、1日目に学んだパブリックスピーキングの方法を応用することも課題のひとつでした。どのペアもアート作品から個性あふれるストーリーを作り出し、さまざまな技法を用いてプレゼンを行いました。

なかなかアイデアが出ず苦戦したり、英語でうまく表現できなかったりと何度か壁にぶつかりましたが、そんなときは留学生や講師が助けてくれました。

優勝チームは下の絵画作品で、おもしろいストーリーを組み立てました。

17世紀の画家、アドリアーン・ブラウエルの「喧嘩する農夫」。

最初は奥にいるふたりの老婦人からケンカの様子を伝える → 左下の樽のうえにある2枚のカードの視点となりケンカを止められないもどかしさを伝え → 最後にはケンカを止めることのできないカードの気持ちを叫ぶ、という流れ。

実際、ひとつの作品から物語を作るのはとても難しいのですが、とても楽しい経験でもありました。同じ作品を見ていても、ペア同士でも全然違うストーリーを考えているし、自分の意見が伝わったときのうれしさを改めて感じることができました。

「英語って楽しい!」と目覚めたキャンプ

このキャンプでは、学校では教えてくれない「伝え方」を学ぶことができ、そして「英語は楽しい!」ということも再確認できました。

普段はネイティブスピーカーと話す機会がなかなかなく、自分の英語が伝わるのか自信がありませんでしたが、たどたどしい英語でも理解してもらうことができ、もっとレベルを上げようと思える機会にもなりました。

リンガフランカの英語キャンプは、じつは僕にとって2回目の参加となりました。最初のキャンプに参加するまで、英語の成績は悪くないので「自分は英語ができる!」と勘違いしていましたが、そんな「学校」という狭い空間から僕を引き出してくれたのがこのキャンプでした。

学校という枠を超えると、自分の英語力のなさに気づかされましたが、それで落ち込むのではなく、むしろやる気を与えてくれたのもこのキャンプでした。

また、キャンプでは、語学のほかにも、海外進学という選択肢や各国の教育制度を教えてもらい、視野を広げることができました(僕は参加するまでハーバード大学すら知りませんでした)。

いま、僕はキャンプで教えてもらった各国の教育制度と日本の教育の違いに興味を持ち、それについて研究をしています。切磋琢磨しあえる友人とも出会うことができたこの経験を活かし、これからも英語を頑張っていきたいです。


【Lingua Franca in Tokyo 2018 Spring】

  • 共催:タクトピア、立命館アジア太平洋大学
  • 日程:2018年3月26日(月)9時30分〜21時、27日(火)9時30分〜18時30分
  • 会場:「立命館東京キャンパス」(東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー8階)
  • 対象:新高1を含む高校生 ※英語力はCEFR B1(英検2級)程度以上が目安
  • 定員:40名(最大50名)
  • 参加費:3万円

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