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グローバルユース国連大使 | プログラム内容や申し込みについて
私が「JCI JAPANグローバルユース国連大使」に参加したきっかけは、ネットでカンボジアに研修に行けると知ったからです。
私は、私自身の原体験から「英語の絵本で世界を平和にする」というテーマで、個人的に中3からスピーチコンテストで啓発活動をしていました。
そのスピーチでは、私は将来、開発途上国で英語の絵本を配る、という内容でした
だんだん、「私の将来っていつ?」「今すればいいのでは?」と、現時点で私は何も行動を起こしていないことに気づきました。
英語の絵本を必要としている開発途上国を調べると、カンボジアということがわかりました。
そして、カンボジアに行きたいと考えていた中3の終わりごろ、ネットで「JCI JAPANグローバルユース国連大使」の募集サイトに辿り着きました。
そこで、カンボジアのほかにも、私が行きたかったニューヨークの国連本部に行ける可能性があると知り、絶対に国連大使になりたいと、すぐに申し込み準備を始めました。
とにかく、ストレートに自分の考えや思いを伝え、書きました。
選抜されたと知ったとき、私の熱意を受け止めてくださったんだと、本当に嬉しかったです。
グローバルユース国連大使とは?
日本青年会議所が主催する未来のリーダー育成を目指した、中高生向けのプログラム。
これからの日本や世界を担う青少年が、世界の文化や価値観に触れる機会を作ることで、グローバルな視点をもったリーダーを育成することを目的としています。
全国から応募した中学2年生~高校2年生の20名が選ばれます。
募集期間や応募方法について
募集期間は、1月下旬頃~4月中旬まで。プログラムの実施期間は、4~11月です。
申し込みには、以下の3点が必要です。
- 作文(800文字以内)課題について私見を述べる
- 事業への志望動機1分間英語スピーチ動画
- 顔写真
- 保護者もエッセーと同意書を提出
日本全国にある青年会議所のなかから、住んでいる場所に近い青年会議所に連絡をしたうえで、Googleフォームにて申し込みます。
地元の青年会議所からの推薦が決まると、青年会議所が推薦書やブロック協議会推薦書を用意し、全国での選考会に送られます。
全国から集まった資料をもとに、選考会で20名が選抜されます。
スケジュールについて
- 4月30日、5月21日…オンライン研修
- 6月3日~4日…第1回事前研修@JC会館(東京)
- 7月1日~2日…第2回事前研修会@広島市国際青年会館ほか
- 7月30日~8月6日…海外研修@カンボジア
- 8月~…国内各地(大使の出身地域)での啓発活動(全国)
- 10月22日~28日…海外研修@ニューヨーク
- 11月26日…啓発活動報告会、解団式@JC会館(東京)
カンボジアでの研修後は、それぞれの大使が出身地域で恒久的な世界平和の実現に向けて啓発活動を行います。そして、10月に行われるニューヨーク研修は、選抜された優秀な大使のみが参加できます。
グローバルユース国連大使 | 事前研修(4月〜7月)
オンライン研修
4月30日(日)、5月21日(日)に行われたオンライン研修では、初日は講師のお話を聞いたほか、「多様性とは何か」を、ゲームをしながら工夫をして相手に寄り添う中で、同じ視点になることを学びました。
2回目の研修では、講師はマサイ族に嫁いだ日本人女性で、マサイ族との斬新な日常生活を聞いているだけで、異文化を理解し広い視野をもつことの大切さに気づかされました。
また、プレゼン資料作りが段階に沿った課題として出されたことで、プレゼンが論理的構成になり、完成度の高いものができました。資料は、活動の進捗状況により改良しながら、その後の啓発活動で使用しました。
東京での事前研修
6月3日(土)~4日(日)の2日間にわたって日本青年会議所会館で行われた東京研修では、全国から集まったグローバルユース国連大使のメンバー20人と初対面しました。
近くのホテルにみんなで宿泊したこともあり、すぐに打ち解けました。
研修では、2021年度の国連大使の話のなかで、「啓発活動は、私を語ることから始まる」という言葉が印象に残りました。
「実際に見に行ったあなたから見た世界をお話して、それを通じて世界の問題とか解決策を伝えていく視点があることが、役に立つ啓発活動になる」「自分は後悔している。誰でも言える啓発活動をしていた」と失敗を後輩に伝えてくれた先輩の助言は、心に響きました。
これにより、私の経験を自分の言葉で啓発活動で伝えればいいと、自信を持ちました。そして、私は教育的観点から、啓発活動と研修を考察していこうと決めました。
広島研修
7月1日(土)~2日(日)の2日間にわたり、広島市国際青年会館で広島研修が行われました。
小学生のときに「はだしのゲン」を読み、戦争映画も見ていたので、日本人として広島は行きたい場所でした。
広島平和記念資料館では、被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料の展示を拝観し、これほどの惨禍だったのかと言葉を失いました。
被爆体験講和を聞き、多くの知人を被爆で亡くし、差別も経験し、辛い思いをされたご高齢の被爆者が、必死に私たちに平和に対する思いを伝えてくれたことに、胸が熱くなりました。
その姿を前に傾聴しながら、何もしない自分に罪悪感を覚え、私たちができることは2度と戦争を起こさない社会を作ることだと思いました。
また、写真を使用してのプレゼンでしたが、こちらが衝撃を受けるような写真をあえて選ばない所に、若い私たちに対して配慮してくれていると感じました。
「いい服を着て、いい靴を履いている。それが幸せなんです」と最後に語られた言葉が、心に染みました。
グローバルユース国連大使 | カンボジア研修に向けた準備
カンボジアでは、英語教育が盛んであるにも関わらず、英語の先生や英語の絵本が不足していると知りました。
そんなときに、JCI JAPAN グローバルユース国連大使でカンボジアでの研修があることを聞き、応募しました。
私が幼いころ、何よりも私に世界を見せてくれたのは、英語の絵本でした。
私の夢は、教育を通じて世界を平和にすることです。なぜなら、それが社会の発展や経済成長を促進させ、そのほかの国連が定める開発目標の達成にも大きく貢献するからです
英語の絵本の寄付を募る
私は、同世代と国際協力や平和の意味を一緒に考える機会として、通っている学校の生徒に協力を呼びかけることにしました。
私は先生方の協力のもと、中高全教室に英語の絵本の寄付を呼びかるチラシを貼り、回収のため毎朝学校の正門の前に立ち、100冊の英語の絵本を寄付してもらいました。
3週目に、中等部の後輩男子2名が70冊も抱えて持参してくれたお陰で、100冊集まりました。
この活動を、私が所属する読売新聞の子ども記者団「ヨミウリ・ジュニアプレス」に記事を書き、読売新聞の全国版に掲載されました。
また、主催する日本青年会議所も賛同してくれ、カンボジア研修で訪れる寄贈先となる学校を、複数の候補から私に選ばせてくれました。
グローバルユース国連大使 | カンボジアでの研修(7月の8日間)
7月30日(日)~8月6日(日)の8日間、カンボジア研修に行きました。
私は、現地の貧困地域のなかでもっとも環境の厳しい20人規模の小学校を選び、関係者総勢80名で訪れました。
贈呈式では、私の活動や私が幼少期に英語の絵本に親しみ、英語を学ぶきっかけになった経験から、英語の絵本と教育の重要性をフリップで現地の人々に英語で伝えました。
そして、「私の学校のみんながカンボジアの子どもたちにと託してくれた、価値あるバラエティ豊かな絵本が揃っています。次の世代に使えるように、大切に扱ってください」とお願いしました。
英語の絵本が創る未来の可能性
私自身の経験から、英検でいうと日常会話ができる3級までは洋書の多読でいけることがわかりました
そのくらいの英語力があれば、国外の人と意思疎通ができます。
先進国から、開発途上国への支援が継続できない原因のひとつに、現地で言葉が通じないというのがあります。英語ができれば、自立を促し、国力が上がります。
宿泊先のホテルでは、日本とカンボジアの大使が2名ずつグループで泊まり、最終日にプレゼン発表する課題のグループワークを行いました。
研修は、大量虐殺が行われた刑場跡「キリングフィールド」、「カンボジア戦争博物館」のほか、日本青年会議所が支援した施設などを見学しました。
グローバルユース国連大使 | 啓発活動(7月〜11月)
7月~11月には啓発活動を行いました。
自分が訪問したいところを回り、私の活動や教育と英語絵本の重要性をプレゼンしました。カンボジア研修に行く前に、最初に母校の小学校に啓発活動に行きました。
帰国後、横浜市長、神奈川県知事表敬訪問。国連広報センター根本かおる所長、経団連(国際本部)、カンボジア大使館を表敬訪問。
また、FMヨコハマ「Keep Green & Blue」出演。自分の考えや経験を人に伝え、共有することで国際平和に役立ちたいという考えで、全国規模のイベントでプレゼン、日英弁論大会に挑戦しました。
グローバルユース国連大使 | 東京未来フェスでプレゼン(10月)
10月7日(土)~8日(日)の2日間にわたり、第72回全国大会 東京大会「東京未来フェス」が東京ビッグサイトで開催されました。
私は、カンボジア研修での活動と、広島研修で核兵器について学んだことで、日本の立場からの国際問題解決策を、堀井外務副大臣が観覧するなかステージ上でプレゼンしました。
私は小学生のときに国際問題に関心を持ち、6年生のときに全国の小学生で唯一国連英検A級に合格し、国連協会会長賞を受賞しました。自分の意見を直接外務省に伝えられる機会に、準備段階から胸が高鳴りました。
現状では、安保理改革なくして国際問題解決は難しく、「改革のために日本の常任理事国入りを、私も強く望みます」と述べました
堀井外務副大臣からは、「若い人がそのような意見を言ってくれるのは外務省として励みになる。常任理事国入りは簡単なことではないが、言い続けることが大切だ」と講評をもらえました。
グローバルユース国連大使 | ニューヨーク研修(10月の7日間)
10月22日(日)~28日(土)にかけてニューヨーク研修が行われ、選抜された13名のグローバルユース国連大使が招待されました。
911メモリアルミュージアムなどを見学し、国連本部ガイドツアーに参加。そして、国連本部や領事館に表敬訪問を行いました。
国際連合・日本政府常駐代表・石兼公博特命全権大使を表敬訪問。「国連は加盟国である私たちが作っている」と話をされました。
在NY日本国総領事館・森美樹夫大使を表敬訪問。私たち大使ひとり一人とていねいに名刺交換をしてくれました。
ミャンマー政府代表部・チョーモートゥン国連大使を表敬訪問。日本青年会議所の麻生会頭の前で、英語で質疑応答。
中満泉国連事務次長を表敬訪問。
かねてより会いたいと願っていた人で、私は感極まって泣いてしまい、「私も地に足の着いた人間です」と優しく声をかけてくれました
グローバルユース国連大使 | 研修を通して学んだこと
研修は体系的に身につく上質なプログラムで、私は多くの成長と進歩を遂げることができた半年間でした。
予想以上に国際舞台の最前線にいる人ほど英語力の重要性を説いたことは、私の活動の意義を再確認できました。
カンボジアでは、日本から持参した英語の絵本を贈呈したことで、日本の子どもたちも英語の絵本に触れる機会を持てる子は多くはないことに考えがおよび、海外で得た知見を日本の教育に活かしたいと考えるようになりました。
また、カンボジア人はどこでも国家を歌う愛国心の強い国民性で、1970年代にポル・ポト政権下で起きた大量虐殺の歴史に負けず、開発途上国のなかでも発展しているのは国が教育と健康に力を入れているからと知り、教育の重要性を再認識しました。
ニューヨークの国連本部では、これまで国際ニュースで見ていた、国連の総会が開かれる総議会場を見学し、普段、日本が座っている席を目にして、国際舞台の最前線で国益のために日々戦ってくれる人たちがいるからこそ、日本の情勢が保たれているのだと、いまさらながら感謝の気持ちが沸き上がりました。
表敬訪問をするなかで、国際協力とコミュニケーションが国際問題の解決に不可欠であることを実感し、国際社会への貢献の意義を再確認しました。
この研修を通して学んだことを、今後、国際平和活動を通して、同世代や社会に伝えていくことに努めます
グローバルユース国連大使 | 文部科学大臣表敬訪問(12月)
12月初旬。最後に文部科学省を訪れ、盛山正仁大臣を表敬訪問しました。
グローバルユース国連大使 | たくさんの感謝と同世代に伝えたいこと
私は開発途上国を助けたいという思いで応募しましたが、主催する日本青年会議所の国際グループ・グローバルピース委員会のみなさんをはじめ、活動に協力してくれた学校の先生方、寄付してくれた生徒のみなさんや、受け入れてくれた表敬訪問先など、振り返るとずっと自分が助けられていました。
そして、私が望んでいたことや達成したかった夢を、国際グループ・グローバルピース委員会のみなさんに叶えてもらいました。
この場をお借りして、研修を通して支えてくださったすべての関係者のみなさんに心からの感謝を申し上げます。
同世代には、この唯一無二の素晴らしい研修にぜひチャレンジしてほしいです。
日頃の活動や、平和に対する思い・勉強してきたことを、この研修に活かしてください。そして、今後につなげてください
私が普通の高校生活を送っていたら会うことができない人と話ができたのは、とても貴重な体験でした。
ニューヨークの国連本部で、中満泉国連事務次長に「今の日本の若者に、国際社会で必要な力は?」と私が質問した際の心に刻んだ回答を、最後にお伝えして、チャレンジ・レポートを締めくくらせてもらいます。
「パッションがある限り、あまり辛いとは思わない。恐れずに、新しいことに挑戦する勇気」
ありがとうございました!
学びを深めてきました