留学先 DATA
- 大学:米国「ネブラスカ州立大学カーニー校 University of Nebraska at Kearney」
- 大学の住所:905 West 25th Street, Kearney, NE 68849 U.S.A.
- 専攻:Business Administration(経営学)
- 留学期間:2011年8月〜2015年12月
- 留学コスト:年間230万円(学費、生活費含む)
- 「ネブラスカ州立大学」①<準備&留学スケジュール>
- 「ネブラスカ州立大学」②<TOEFL iBT64点への勉強法>◀
- 「ネブラスカ州立大学」③<出願&ビザ取得編>
- 「ネブラスカ州立大学」④<大学生活&就活アドバイス>
TOEFLのスコアが足りない!
アメリカの大学に進学する際、もっとも重要だったのは「TOEFLで必要な点数を獲得すること」でした。
TOEFLは、非英語圏の出身者が英語圏の学校に入学を希望する際に必要な「外国語としての英語力」をはかるためのテスト。
現在は、試験センターのコンピューター上で受験する「TOEFL iBT」が主流となっており、試験に必要な時間は約4時間半。
ReadingとListening、Writing、Speakingと4技能をはかるテストで、120点満点で採点されます。
受験料も230ドル(試験日の7日まえまでに申し込んだ場合、2016年3月現在)と高く、アカデミックな内容のため難易度も高い。
日本の受験英語ではまったく通用しないので、TOEFLのスコアアップは大きな課題となります。
高3の春、試しに英検準1級を受けてみたところ、不合格。アメリカの大学の授業についていかれるか、不安しかありませんでした。

TOEFLの勉強に励んでいた高校時代(左から2番目)。
最初に受けたTOEFLは、120点満点で30点台。Listeningのスコアの悪さがかなり足を引っ張りました。
「天文学の授業を受けているという設定で教授の次の質問に答えよ」というようなリスニング問題からスタートし、最後まで何もわからないまま固まっていたのが初回のTOEFLでした。
高校を卒業したら、そのまま4年制の州立大学に行きたい。だから、目標スコアは60点以上。60点以上ないと、授業についていけないと考えたからです。
この点数は、米国の難関大に必要とされるスコアとくらべるととても低いのですが、転学などのストレスが溜まるような進路変更は絶対したくなかったので、短大(コミュニティカレッジ)に入ってからTOEFLのスコアを上げ、難易度の高い大学に入り直そうとは考えませんでした。
最終的に、TOEFLのスコアは64点まであげることができました。
役に立った7つのTOEFL勉強法
それでは、さっそく「これは役にたった!」と実感したオススメ勉強法を7つ紹介していきたいと思います。
1)参考書をやたらと購入するべからず
参考書をたくさん購入する人も少なくないと思いますが、それはNGです。
買っただけでその情報のすべてが手に入ったような気になりますが、活用しきれなければなんの価値もありません。
TOEFLの形式に慣れるには、まずはTOEFLを早い段階で「受けてみる」こと。そして、TOEFL公式参考書を入手し、問題も回答もすべて英語で勉強してみること。
海外の語学学校では、日本語で解説してくれる人などいませんよね。英語を英語で学ぶことによって、海外の生徒と同じ土俵で勉強していという意識が持てるのです。
解説まで英語で書いてあると使いにくいのですが、解説にある知らない単語まで知識として増えるので一石二鳥。
私が活用したのは、参考書「Longman Preparation Course for the TOEFL iBT Test」です。
もし、「時間がかかるし、そんなのハードルが高すぎる」と思うのなら、日本の出版社から出ている参考書を1冊と決めてコンプリートしてください。
TOEFLでもっとも必要になるのは「語彙量」なので、私は英字新聞をとって毎日読んでいました。
そして、毎月購入していたのが月刊誌「CNN ENGLISH EXPRESS」(朝日出版社)です。CNNで報道された最新のニュースを、CD音源と翻訳付きで読めるため速読力が身につきました。
現在では、スマホなどでも読むことができる電子版も販売されているので、より便利に勉強できるようになりました。
2)映画や海外ドラマを繰り返し観るべし
洋画を観ることの利点は、想像以上に多いです。日本語字幕を観ながら聞き流しているだけでは、ただの映画鑑賞。どうすれば有益に活用できるのか?
オススメの鑑賞法は、リモコンを持ちながら英語の字幕付きで観ること。知らない単語が目に入った瞬間画面を停止し、その単語を抜き書きします。
当時「プラダを着た悪魔」(米国、2003年)という映画がマイブームだったので、20回ぐらい観ました。
ニューヨークのファッション雑誌編集部を舞台にした映画なので、ニューヨーカーたちの早口なおしゃべりが満載。
英語に聞こえてくるまで時間がかかりましたが、好きなフレーズをまるごと覚えて、実際に使えたときは少し感動しました。
映画を観ながら口を動かしてみると、シャドーイングがいかに難しいかわかります。
つねにリモコンとペン、そして口をパクパクしながら洋画を観たことで、いろいろな感覚が一度に研ぎ澄まされた気がしましたよ。
3)SNSを活用するべし
高校時代からじわじわと流行していたのが、さまざまなタイプのSNS。
現在ほど便利なアプリやサイトは充実していませんでしたが、そのなかでも「無料なのに優秀!」と思って利用していたのは、以下の3つのサービス。
「Podcast 」は、iPodの「Pod」とbroadcastの「cast」を組み合わせた造語で、iPodを購入したときから利用しています。
さまざまな英語音源のチャンネルがありますが、高校時代は「CNN Student News」と「TED Talks」を観ていました。一度ダウンロードすればどこでも聴けるので、とっても便利ですよ。
「Beauty YouTuber」「 Fashion YouTuber」などと呼ばれる同年代のユーチューバーたちが、英語でメイク方法や買ったモノ、自分の部屋や学校生活などを紹介する動画を観ていました。
観ていて純粋に楽しめるため飽きなかったし、アメリカの高校や大学で流行っているモノの知識が増えたので、大学入学後も話題に乗り遅れることはあまりありませんでした。
英語力向上のために、フォローしていたアカウントのほとんどが英語のもの。
短い英語フレーズと日本語訳をたくさんタイムラインに流し、パッと使えるようなカジュアルな英語を習得するのに活用。
好きなアメリカの俳優やセレブのつぶやきのほとんどが知らない単語だったため、楽しみながら語彙を増やすことができました。
4)英語で日記を書くべし
高校英語ではつねに英訳や和訳の課題がありましたが、長文を書く課題はあまりありませんでした。
TOEFLのWritingでは、真っ白のページをビッシリと長くてクオリティーの高い英文で埋めて行く力が求められます。
英語で文章を書いてみると、知らない単語や文法のせいでなかなか進まないかもしれません。でもそこから掘り下げて勉強していくことで、弱点が一気に補強されることになります。
毎日一文でも多くの文章を英語で書き、書きっぱなしではなくそれを添削してくれる人を見つけましょう。
私は、高校のALTの教師がいつも職員室で退屈していたので、話しかけたり英作文を添削してもらったりしていました。
また、母の知り合いのスロバキア人にお願いして、SpeakingとWritingの特訓をスタバで不定期でやってもらったこともかなりプラスになりました。
5)最強の単語カードを作るべし
一般の単語カードよりサイズが大きめのものを選んだり、大学ノートのページを半分にして赤ペンと赤シートで単語ノートを作ったりしました。
書き込むのは、毎回つまずくような本当に覚えられない単語。20個近くは作ったと思います。
単語カードを作る際、単語カードに表も裏もびっしり例文や類義語を付け、単語でなく文章をまるごと覚えていました。そして、その単語カードを歩きながら見ていました。
たとえば「make sense of」という単語帳を作りたかったら、表に「make sense of someone’s command」と書き、裏に「(人)の命令を理解する。interpret, see, construe」と書きます。
「理解する」という意味のmake sense ofを使いたいのに、それが思い出せないとき3つ類義語を書いておけば、記憶の隅にどれか残っているはずです。
英会話の途中、思い出せない単語のせいで固まってしまって会話終了とならないために、make sense ofとその類語をセットで覚え、例文中のcommandという名詞の意味までおまけで覚える。
これぞ、最強の単語カード!
五感を刺激するために、何か噛みながら読んだり、図書館を一周しながらブツブツ読んでみたりもしました。
6)しるしを付けながら長文読解するべし
難解な文章になるほど、一文が長くなっていきます。長文を読み続けると、知らないうちに文章だけ読んでいて、内容が頭に入っていないことに気づくかもしれません。
それを防ぐために、主語がどこからどこまでで、動詞が何なのか線を引いたり丸をつけたりスラッシュをつけることをオススメします。
TOEFLの問題を何度も解いていると、質問や正答がある程度想像できるようになります。その際、同じ文章を何度も読まなくてすむよう、しるしを付けると時間短縮が実現します。
TOEFL iBTはPCで受験するので本番では同じことができませんが、読みながら手を動かすことが習慣になると、試験中メモを取ることは許されているので、大事な小節や一文を書いて、短時間で答えに辿り着けるようになると思います。
7)和訳するべからず
日本の大学入試では「以下の文章を和訳しなさい」という問題がありますが、海外大に行くためにはきちんと内容を理解して要約できれば、キレイな日本語に直す作業は必要ありません。
完璧な和訳をしようとこだわると、頭のなかで常に日本語で考えてしまうため反応が遅くなり、むしろ悪影響です。
違う英単語を使い、「同じ文章を書き換えられる力」を意識して勉強することが重要です。
文と写真/竹中萌