経済力に左右されず英語が学べる「Duolingo」
昨今のコロナ禍で、急速にシェアを伸ばしている英語能力試験が「Duolingo(デュオリンゴ)テスト」。
2014年にスタートしたDuolingoテストは、スタンフォードやイェール大学などの米国の有名大学をはじめ、いまでは全世界3000以上の教育機関でTOEFLに並ぶ英語検定試験として採用されています。
Duolingoを開発したのは、クラウドソーシング発案のパイオニアとして知られるルイス・フォン・アンさん。
2011年に無料外国語学習アプリ「Duolingo」を立ち上げるとシェアは急拡大し、2013年には「Free iPhone App of the Year」を受賞。2021年には登録ユーザーは3億人を超えています。
そのDuolingoが、2014年に公開したのが語学検定試験サービス「Duolingo English Test」です。
中米グアテマラ出身のアンさんは、途上国や貧困層の人々が英語教育に関してアンフェアな状況に置かれていることを問題視しており、誰もが経済力に左右されず英語学習に励めるツールを提供したいと開発したのがDuolingoでした。
無料の英語学習ツールであること、これがDuolingoが世界的にヒットした最大の要因ですが、検定試験においてもDuolingoの受験料は49ドルに設定。TOEFLなどの類似テストの受験料が200ドル以上であることから、はるかに軽い経済的負担で済みます。
また、TOEFLなどの試験センターは大都市に集中する傾向があり、都市部の人ほど受験しやすいという地理的公平性の問題も指摘されていましたが、Duolingoは完全オンライン試験でなので、ネット環境さえ整っていれば自宅からいつでも受験することが可能です。
Duolingoのオンライン試験は、事前予約は不要で、他人に干渉されることのない約1時間を確保できれば簡単に受験することができます。
試験は45分間の適応型テストで、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能を一括で能力検定。その後、10分間の採点対象外セクションで、インタビューとライティングとなり、これらのデータは点数以外の参考資料として教育機関に提出されます。
コロナ禍を背景に受験者も急増
こうしたメリットの多いDuolingoですが、サービス開始当初は導入する教育機関は少なかったため、Duolingoテストの信頼性を証明するため多くの研究者も参加し、試験内容の妥当性やTOEFLとの互換性を各種統計データとして算出し、懐疑的だった大学の信頼を得ることに成功しました。
さらに、昨今のコロナ禍により、各国において会場で受験できない状況となり、Duolingoを英語検定試験として認める機関が急増する結果となったのです。
日本国内ではDuolingoを導入した教育機関は20にも満たない状況ですが、CEOのアン氏はアジア圏の強化に意欲を示しており、今後日本でも大学入試への英語民間試験導入も含め、英語検定試験にも大いに影響を与える存在となりそうです。
※Duolingoのシェア拡大に対応する形でTOEFLが新テストをスタートします↓