子どもの未来を考えるとき、多くの保護者が気になるのは「英語力はどこまで必要なの?」ということではないでしょうか。
大学入試・奨学金・海外進学……子どもたちの進路には「英語力」がますます重要となってきています。ここでは保護者も安心して未来を考えられるように、最新の情報とヒントをお届けしていきます。
「進路とエイゴ」でわかること
- 大学入試と英語力の最新トレンド
- 奨学金や短期研修で求められる英語資格
- 海外進学のためのスコア条件
- 学年別・英語学習ロードマップ
- AI×英語学習
についてお伝えしていきます。
大学入試と英語力の最新トレンド
AI×英語学習
インスタやLINEで質問を募集しています
気軽に最新情報や図解をチェックしたい方はInstagramへ。保護者の質問や相談はLINEで受付中です。いただいたご質問は、メルマガや記事で取り上げてお答えします。
英語学習お悩み相談 | 基礎学力・理解力編
中学1年から英語が全くついていけません。単語も覚えられず、文法も理解できていないようです。どうしたらいいでしょうか?
このような状況のお子さんの多くは「基礎の基礎」が抜けているだけです。恥ずかしがらずに小学校レベルまで戻りましょう。
まずはアルファベット26文字を正確に書けるか、フォニックス(aは「エイ」だけでなく「ア」の音も持つなど)を理解しているかを確認してください。その後「I am」「You are」といった超基本文を毎日5分、声に出して練習します。焦りは禁物です。3ヶ月継続すれば必ず「分かった!」という瞬間が来ます。
フォニックスを学ぶのにぴったりの動画チャンネルを紹介します
英語が嫌いになってしまい、勉強すること自体を拒否します。どうやって英語への興味を取り戻させればいいですか?
英語嫌いの原因の90%は「分からない→恥ずかしい→嫌い」の悪循環です。まず「勉強」という言葉を封印し、お子さんの好きなことと英語を結び付けてください。
アニメ好きなら英語字幕付きで見る、ゲーム好きなら海外のゲーム実況を一緒に見るなど。重要なのは「英語って面白いかも」と思える小さなきっかけ作りです。知っている単語を1つでも見つけたら「すごいじゃない!」と大げさに褒めることで、英語への苦手意識を徐々に薄めていきましょう。
単語のスペルがめちゃくちゃです。speakをspikと書くようなレベルで、どこから手をつけていいか分かりません
これは典型的な「音と文字の関係」が身についていない状態です。中学生でも恥ずかしがらず、小学生用のフォニックス教材から始めてください。「cat(キャット)」「dog(ドッグ)」レベルから、音を聞いて正しいスペルが書けるよう練習します。
一度に多くの単語を覚えようとせず、毎日確実に5個ずつ。「ea」は「イー」音、「ck」は「ク」音など、英語特有の文字の組み合わせパターンを覚えれば、見たことのない単語でもある程度推測できるようになります。根気が必要ですが、3ヶ月で劇的に改善します。
文法問題はそこそこできるのに、長文読解になると全く読めません。何が原因でしょうか?
これは語彙力不足が主な原因です。文法のルールは理解していても、文章に出てくる単語の意味が分からなければ読解は不可能です。まず中学レベルの基本単語1000語を完璧にマスターしてください。
また、一文一文を正確に読む練習も必要です。長文に挑戦する前に、教科書の短い文章を「誰が・何を・どうした」を明確にしながら読む訓練をしましょう。音読も効果的です。単語力がつけば、必ず長文も読めるようになります。焦らず基礎固めに専念してください。
英語だけ異常に成績が悪く、他の教科とのギャップが激しいです。英語だけ特別な対策が必要ですか?
英語は「積み上げ教科」の典型で、どこか一ヵ所でつまずくと全体が崩れる特徴があります。数学で言えば、九九ができないのに割り算を学ぶようなものです。まず「どこでつまずいたか」を正確に把握することが重要です。
個別指導を強く推奨します。集団授業では置いていかれるだけです。つまずいた箇所を見つけて丁寧に埋めれば、他教科同様に必ず伸びます。英語だけが特別に難しいわけではありません。
英語学習お悩み相談 | 学習方法・効率編
英単語を覚えても翌日には忘れています。効率的な暗記方法はありますか?
単語を忘れるのは当然です。人間の脳は不要な情報を削除するようにできています。重要なのは「忘却曲線」を利用した復習タイミングです。
新しい単語を覚えた翌日、3日後、1週間後、2週間後に復習すると定着率が格段に上がります。一度に100個覚えようとせず、20個を確実に定着させてください。
また、単語カードより「例文で覚える」方が効果的です。「apple=りんご」ではなく「I like apples.(私はりんごが好きです)」として覚えることで、使える語彙になります。
英語の勉強方法が分からず、何から始めればいいか途方に暮れています
英語学習には正しい順番があります。①アルファベット(正確に書ける) → ②フォニックス(音と文字の関係) → ③中1文法(be動詞・一般動詞) → ④基本単語500個の順で進めてください。同時に教科書の音読を毎日15分行います。
わからない単語は必ず辞書で調べてノートに書く習慣をつけましょう。「あれもこれも」と手を広げず、一つずつ確実にクリアしていくことが成功の秘訣です。迷ったら音読に戻ってください。音読は英語学習の万能薬です
塾に通わせているのに英語の成績が全く上がりません。塾を変えるべきでしょうか?
まず現在の塾の先生に「うちの子は具体的に何がわからないのか」を聞いてください。明確な答えが返ってこない場合は要注意です。集団指導の場合、お子さんのレベルに合わない可能性があります。個別指導への変更を検討してください。
また、塾だけに頼らず家庭学習との連携が重要です。塾で習ったことを家で復習する時間を確保していますか? 週2回の塾より、毎日15分の家庭学習の方が効果的な場合もあります。塾を変える前に、まず学習環境全体を見直してみてください。
教科書の音読をさせていますが、効果があるのか分かりません。正しいやり方を教えてください
音読は効果抜群ですが、やり方次第です。まず「意味を理解してから音読」が鉄則です。分からない単語があるまま読んでも意味がありません。
正しい手順は、①新出単語の意味調べ → ②文法構造の確認 → ③ゆっくり正確に音読 → ④慣れたらスピードアップです。同じ文章を最低10回は読んでください。可能であれば録音して客観的にチェックしましょう。
「棒読み」ではなく、意味を考えながら感情を込めて読むことで、英語のリズムと語順が自然に身につきます。
英語の長文読解で時間が足りません。読むスピードを上げる方法はありますか?
中学レベルなら速度より正確性を重視してください。無理にスピードを上げると理解度が下がります。目安として1分間に80語読めれば十分です。
スピードアップのコツは①語彙力増強(知っている単語が多いほど早く読める)→ ②音読練習(声に出して読むことで語順に慣れる)→ ③毎日短い文章を時間を測って読む練習です。
また、全文を読まずに設問から先に読み、必要な情報だけを探す「スキミング」技術も有効です。焦らず基礎固めを優先してください。
英語学習お悩み相談 | 親のサポート・関わり方編
子どもが英語の勉強を嫌がり、親が教えようとしても拒否されます。どう接すればいいですか?
「教える立場」に立たないことが重要です。上から目線で指導すると反発を招きます。「一緒に勉強しよう」「お母さんも分からないから一緒に調べよう」という対等な姿勢を心がけてください。
また、勉強時間を決めて隣で見守るだけでも十分効果があります。無理に口出しせず、頑張っている姿勢を認めて「今日もよく頑張ったね」と声をかける程度で十分。ときには一緒に英語の歌を聞いたり、映画を見たりして「英語って楽しい」という体験を共有することの方が長期的には有効です。
私自身も英語が苦手で、子どものサポートができません。どうフォローすればいいでしょうか?
英語力がなくても十分サポートできます。最も重要なのは「環境作り」です。毎日決まった時間に勉強できる空間を用意し、集中できる環境を整えてください。教材の準備、進捗の確認、宿題をやったかのチェックなど、学習をサポートする方法はたくさんあります。
また、お子さんが新しい単語を覚えたら一緒に喜び、テストで良い点を取ったら一緒に祝うなど、感情面でのサポートが何より大切です。「分からないことは恥ずかしくない」という雰囲気作りこそ、親にしかできない重要な役割です。
英語の宿題を見てあげたいのですが、Be動詞すら分からない状態です。親ができることはありますか?
Be動詞が分からなくても大丈夫です。宿題チェックでは「やったかどうか」の確認が最も重要で、内容の正誤は二の次です。お子さんが宿題をやっているかを見守り、分からない部分があれば「明日先生に聞こう」と励ましてください。
また、英語以外でもお子さんの頑張りを認めて褒めることが重要です。「英語は難しいけど、毎日続けて偉いね」「分からないところは先生に質問できて成長したね」など、過程を評価する声かけを心がけましょう。愛情のこもった見守りが、何より子どもの心の支えになります。
英語学習お悩み相談 | 進路・将来への不安編
中学3年で受験を控えているのに英語が壊滅的です。夏休みからでも間に合いますか?
間に合います!ただし戦略的に取り組む必要があります。高校受験の英語は中1・中2内容が約70%を占めるため、基礎に絞った学習が効果的です。まず①be動詞と一般動詞の区別②過去形の作り方③現在完了の基本④頻出単語500語を完璧にしてください。
個別指導で集中的に取り組めば、半年で偏差値10上がる例も珍しくありません。長文読解より文法問題で確実に点数を取る戦略を立て、過去問を解いて出題パターンを把握しましょう。諦めずに基礎固めに集中すれば、必ず道は開けます。
高校受験で英語が足を引っ張りそうです。短期間で成績を上げる方法はありますか?
短期間なら「広く浅く」より「狭く深く」が有効です。頻出文法項目に絞って学習してください。①be動詞・一般動詞の使い分け、②過去形・現在完了、③受動態、④不定詞・動名詞の基本用法。これらで全体の6割は取れます。
単語は教科書レベルを完璧にし、長文は「全文訳」より「設問に答える」技術を身につけましょう。毎日2時間×3ヶ月の集中学習で、偏差値5〜10アップは十分可能です。過去問を最低5年分解き、出題傾向を把握することも重要です。基礎固めに集中すれば必ず結果はついてきます。
将来海外で活躍してほしいのですが、現在の英語力では到底無理そうです。何歳からでも挽回可能でしょうか?
何歳からでも挽回可能です!中学で英語が苦手だった人が大学で留学し、その後国際的に活躍する例は数え切れません。言語学習に「手遅れ」はありません。今は基礎固めに集中し、高校で本格的な英語学習をスタートさせてください。
大学受験を通じて英語力は格段に向上します。重要なのは「継続」です。毎日少しずつでも英語に触れる習慣を作りましょう。
18歳から本格的に始めても、海外で活躍するレベルに到達することは十分可能です。今の苦手意識にとらわれず、長期的な視点で見守ってください。
英語ができないことで将来の選択肢が狭まることを心配しています。どの程度できれば十分でしょうか?
高校卒業時に英検準2級レベル(高校中級程度)に到達していれば、将来の選択肢は十分広がります。これは「日常的な話題について英語でやり取りができる」レベルで、多くの大学・職業で求められる基準です。完璧な英語力を目指す必要はありません。コミュニケーションツールとして使えることが重要です。
中学で基礎さえしっかりできていれば、高校3年間で必ず到達できます。英語は一生学び続けるものです。今は基礎固めに専念し、将来への投資と考えて取り組んでください。継続すれば必ず道は開けます。
英語学習お悩み相談 | 学校・環境編
学校の英語授業が分かりにくく、子どもが置いていかれています。学校以外でどう補えばいいでしょうか?
学校授業についていくコツは「予習」です。教科書を事前に読み、新出単語の意味を調べておくだけで理解度が格段に上がります。授業中は「完璧に理解しよう」とせず、「今日はここが分かった」という小さな達成感を積み重ねてください。分からないことは恥ずかしがらず先生に質問しましょう。
学校外では基礎固めに専念し、教科書の音読を毎日15分続けてください。また、定期テスト前は教科書の基本文を暗記するくらい練習すると、授業内容がより理解できるようになります。焦らず自分のペースで進めることが重要です。
英語を使う環境が日常にありません。家庭でできる英語環境作りのアイデアを教えてください
家庭で手軽にできる英語環境作りをご紹介します。
①英語のYouTube番組を一緒に見る(子ども向け英語チャンネルがお勧め)
②好きな映画を英語音声・日本語字幕で鑑賞
③英語の歌を一緒に歌う
④家の中の物に英語のラベルを貼る(door, window, tableなど)
⑤簡単な英語での挨拶を家族で実践(Good morning, Thank youなど)
重要なのは「楽しく自然に」英語に触れることです。無理に全て英語にする必要はありません。週に2-3回、15分程度から始めて、家族みんなで英語を楽しむ雰囲気作りを心がけてください。