ニュージーランドは、世界でも屈指の教育クオリティと安全性を兼ね備え、親子留学・教育移住の行き先として非常に人気があります。治安が良く、学校のサポート体制が充実しているだけでなく、子どもが主体的に学べる教育システムが整っていることで、家族全体が安心して移住できる国として高い評価を得ています。
海外進学ラボこの記事では、ニュージーランドでの親子留学と教育移住の違い、費用、ビザ、教育制度、地域選び、準備の進め方まで、体系的に紹介していきます
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ニュージーランドが選ばれる理由
ニュージーランドは、自然豊かな環境と安定した治安、国際的に高く評価される教育制度によって、世界中のファミリーから選ばれています。ここでは、その理由を具体的に見ていきます。
世界が認める安全性と教育の質
ニュージーランドは2025年の世界平和指数で3位にランクされ、子育てに最適な安全な環境を提供しています。
教育面では国内全8大学が世界トップ2%にランクインしており、初等教育から高等教育まで一貫して高品質な教育を受けることができます。



この優れた教育環境は、世界中から毎年約17,000人の留学生を中等教育機関に引き寄せています
留学生保護制度が世界的にも強い
ニュージーランドは、世界で初めて留学生の権利を守る法制度「Education (Pastoral Care of International Students) Code of Practice」を導入した国です。
この制度によって、
- 24時間体制の安全サポート
- 健康管理・生活支援
- 安全なホームステイや滞在先の確保
- メンタル面のケア
などが制度的に保証されています。
実践重視の“Kiwi Learning”
ニュージーランドの教育は「Kiwi Learning」と呼ばれる独自のスタイルが特徴です。一人ひとりの興味や能力に合わせた個別化学習を重視し、暗記中心ではなく批判的思考力を育成します。
評価方法も年度末の試験だけでなく、プロジェクトやプレゼンテーションを通じた継続評価型を採用しています。



実験やフィールドワーク、地域社会との連携など、実践・体験を重視した学習により、子どもたちは学ぶことを楽しみながら、国際社会で活躍できる力を身につけていきます
親子留学 vs 教育移住って何が違う?
ニュージーランドでの滞在には、大きく分けて「親子留学(短期)」と「教育移住(長期)」の2つの選択肢があります。
親子留学と教育移住の比較
以下は、2つの滞在スタイルの主な違いをまとめたものです。
| 親子留学(短期) | 教育移住(長期) | |
|---|---|---|
| 期間 | 数週間〜1年 | 2年以上(永住視野も) |
| 親のビザ | Guardian Visitor Visa | Work Visa / Student Visa(PhD) |
| 親の就労 | できない | できる |
| 子の授業料 | NZ$15,000〜20,000 | 同額(※PhD親は無料) |
| 年間費用 | 470〜580万円 | 375〜815万円 |
| メリット | 気軽に体験できる | 永住・進学につながる |
どちらを選ぶべき?
- 短期で雰囲気を知りたい→親子留学
- 本格的に教育環境を移したい→教育移住
とくに、近年注目を集めているのは「親がPhD課程に進学 → 子どもの授業料が無料」という制度で、費用を抑えて長期滞在できる選択肢として人気です。
ニュージーランドの教育システムについて
ニュージーランドの教育制度は非常にシンプルで、日本のような“受験一辺倒”ではなく、個々の学び方を重視しています。
年齢と学年の対応
ニュージーランドの学校は以下の3段階となっていて、少人数制で、教師が個々の理解度に合わせて学習をサポートします。
- Primary(Year1〜6)
- Intermediate(Year7〜8)
- Secondary(Year9〜13)
学校タイプと授業料の違い
ここでは、それぞれの学校の特徴を整理しながら授業料の目安を紹介します。学校タイプによって費用が大きく変わるため、予算設計のためにも理解しておくことが重要です。
- 公立校(State Schools):NZ$15,000〜20,000
ニュージーランドで最も一般的な学校。質が安定しています。 - 公立統合校(State-Integrated):NZ$15,000〜25,000
宗教・思想などを背景に独自の教育理念を持つ学校。 - 私立校(Private Schools):NZ$25,000〜45,000
施設やカリキュラムが充実し、少人数で質の高い指導が受けられる学校が多いです。 - ボーディングスクール(寮付き):NZ$40,000〜75,000
学習環境が整備されており、学業に集中しやすい反面、費用は高めです。
国際的に認められる資格「NCEA」
ニュージーランドの中等教育資格NCEAは、大学進学に向けて非常に重要な制度です。
特徴としては:
- Level 1〜3 の3段階
- 年間を通じた継続評価
- Achieved / Merit / Excellence の4段階評価
- 英・米・加・豪など世界中の大学が認定
とくにExcellence評価は奨学金や難関学部で有利になります。



もちろん、NCEAはイギリスやアメリカ、カナダ、オーストラリアなどの大学出願に利用することができます
留学生へのサポート体制
ニュージーランドでは、英語初心者の子どもでも安心して学べるように、ほとんどの小学校・中学校・高校で以下のサポートを提供しています。
- ESOL(英語サポート)
- 小グループでの英語指導
- 国際学生コーディネーター
- 学習・生活相談
- 24時間緊急サポート
初めての海外教育でも安心できる環境です。
ビザ申請について(短期・長期別)
ここでは、親子留学と教育移住で必要となってくるビザ制度を解説します。
A. 親子留学(短期)のビザ
子ども:Fee Paying Student Visa(最長4年)
親:Guardian Visitor Visa(就労不可)
申請時には以下が必要です。短期でまず体験したい家庭には特に利用しやすい制度です。
- 学校の入学許可証
- 授業料の支払い証明
- 滞在先の証明
- 生活費の証明(月NZ$1,000 以上)
- 申請費用(子:NZ$355、親:NZ$335)
B. 教育移住(長期)のビザ
パターン①:親が就労ビザ(AEWV)
- 年収NZ$55,844以上で家族帯同可
- 配偶者は就労可能
- 子どもは授業料が必要(留学生として扱われる)
パターン②:親がPhD(博士課程)に進学
最も注目されている制度で、教育移住を考える家庭にとって、最も現実的な選択肢のひとつです。
- 子どもの公立校授業料が無料
- 配偶者は就労可能
- 長期移住の費用を大幅に抑えられる
費用シミュレーション
ここでは、実際にどれくらいの費用がかかるのか、制度と金額を紹介します。
親子留学(短期)
具体的には以下のような費用が発生します。
- 授業料:NZ$15,000〜20,000
- ホームステイ:NZ$14,560〜18,200
- 生活費(親):NZ$12,000
- 航空券:NZ$2,000〜3,000
- 保険:NZ$1,000〜1,500
- ビザ費用:NZ$690
- 制服・教材:NZ$2,000〜3,000
👉 年間合計:NZ$47,250〜57,890(約470〜580万円)
教育移住(長期)
① 就労ビザルート
- 学費:NZ$15,000〜20,000
- 家賃:NZ$26,000〜36,400
- 生活費:NZ$15,600〜20,800
- 保険・光熱費:NZ$4,400〜6,600
👉 合計:約665〜925万円
② PhDルート(子の学費無料)
- 親の授業料:NZ$6,500〜9,000
- 家賃:NZ$26,000〜36,400
- 生活費:NZ$15,600〜20,800
👉 合計:約580〜815万円
地域別学校選びガイド
地域によって生活費や教育環境が異なるため、簡単に特徴を紹介します。
オークランド(Auckland)
人口約170万人のニュージーランド最大の都市で、アジア系移民が多く、日本人コミュニティも充実。約500校の学校があり、日本食スーパーや日本語サポートが充実し、国際空港があるため日本との往来が便利です。
一方で、生活費・家賃が高いことがデメリットとなります。おすすめの学校として、Greenhithe School(公立Primary)、St Andrew’s College(私立ボーディングスクール)などがあります。
クライストチャーチ(Christchurch)
人口約40万人の南島最大の都市で、「ガーデン・シティ」と呼ばれる美しい街です。約160校の学校があり、オークランドより生活費が安く、自然豊かで落ち着いた環境です。
スキー場やビーチへのアクセスが良いことがメリットです。おすすめの学校として、Christchurch Boys’ High School(公立男子Secondary)、St Margaret’s College(私立女子ボーディングスクール)などがあります。
留学・移住実現の5ステップ
Step 1: 学習内容・目的を明確にする
家族で話し合い、短期か長期か、子どもの年齢・学年、親の就労・学習計画、希望する地域などの目標を明確化します。
Step 2: 予算計画を立てる
本記事の「費用シミュレーション」を参考に必要な費用を計算し、奨学金制度の有無を確認しましょう。
Step 3: 学校・コースを選んで申請する
Find a Schoolで検索し、学校に直接コンタクトまたはエージェントを利用して、入学許可証を受領します。
Step 4: ビザを申請する
Immigration NZ公式サイトからオンライン申請を行い、申請費用を支払います。処理期間は通常4〜8週間です。
Step 5: 渡航準備を進める
航空券の予約、保険加入、宿泊先の手配、NZ Traveller Declarationの提出(出発24時間前から)などを行います。
よくある質問(FAQ)
親子留学中、親は働けますか?
Guardian Visitor Visaでは原則として就労不可ですが、海外企業のリモートワークは許可される場合があります。長期的に就労を希望する場合は、Work Visaへの切り替えが必要です。
子どもに英語力がなくても留学できますか?
はい、可能です。ほとんどの学校がESOL(英語サポート)クラスを提供しており、英語初心者でも安心して学べます。
日本の学校に復学できますか?
短期留学(1年以内)であれば、日本の学校に「休学届」を提出し、帰国後に復学できるケースが多いです。学校により対応が異なるため、事前に確認しましょう。
親がPhD課程に進学すれば、子どもの授業料が本当に無料になるのですか?
A: はい、本当です。親がニュージーランドの大学でPhD(博士課程)に在籍している場合、子どもの公立校の授業料が無料になります。これは、ニュージーランド政府が提供する優遇制度です。
留学エージェントは必要ですか?
必須ではありませんが、強く推奨します。エージェントは学校選び、ビザ申請、宿泊手配、現地サポートをワンストップで提供します。特に初めての留学・移住の場合、専門家のサポートがあると安心です。
次のステップ:無料相談・短期体験留学へ
短期体験留学プログラム(Gulf Harbour School)
「まずは短期間で試してみたい」という方には、Gulf Harbour School親子留学プログラムがおすすめです。期間は1週間〜4週間で、Year 1〜6(5〜12歳)が対象です。
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まとめ
ニュージーランドは世界トップクラスの教育環境と高い安全性を誇り、親子留学・教育移住の理想的な目的地です。
短期の親子留学で異文化を体験するもよし、長期の教育移住で永住権取得を目指すもよし、家族の目標に合わせて柔軟にプランを選べます。



